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東大生、富山に帰る-子育てられ編1.普通の子供が東大に入るために、一番大切なもの-

東京大学安田講堂

東京大学安田講堂

実直さと誠実さがあれば、誰でも入れる

(1)『円周率が 3.05 より大きいことを証明せよ。』(2003年 東大)
(2)『一般角 θ に対して sinθ,cos⁡θ の定義を述べよ。』(1999年 東大)
 
(1)は中学生でも解けるし、(2)は高校1年生の授業を真面目に聞いていればそのまま書き写せばいいだけです。
このように、東大の入試問題は勉学の基礎をしっかりと理解しているかを聞いてきます。スーパーコンピューターのような複雑な計算ができることを求めてきません。
 
そうした東大入試をパスするのに必要なのは、基礎の反復練習。
飽くことなく、倦む(うむ)ことなく、本当に自分の頭で問題の本質が理解できるようになるまで、何度も何度も同じ問題を繰り返して解く実直さと誠実さが入試では求められます。そのため天才でなくとも、努力した凡人が十分合格できるのです。
(なお入学後に成長するには、実直さと誠実さに加えて「好奇心」があると良いでしょう。)
 
 
 

まっすぐな心の育て方

実直さと誠実さ、口に出して言うのは簡単ですが、まっすぐな心を育てるのは難しいものです。
一番良いのは、親自身が常日頃から実直で誠実な姿勢を手本として示し続けることに他なりません。子は親の背中を見て育つものです。
私が東大に合格できたのは、ひとえに祖父が立派な人間であり、常にその背中が私の理想として目の前にあったからです。現在もその背中を追っているから私は戦い続けることができます。祖父が他界して20年を過ぎても、未だに祖父に愛されていたことを覚えており、その愛に報いたいがために、どんな努力も乗り越えてきました。
このケースが理想像でしょう。
 
ですがほとんどの親には他人の手本になる生き方なんてできないものです。実際に、私の両親は私の尊敬を勝ち得るに値する人間ではありませんでした。あの両親だけでは私は東大に行くどころか、人生に絶望してとっくの昔に自殺していたかもしれません。
 
では、どうすれば普通の親が普通の子供を東大に合格させられるかを考えてみたいと思います。
次回からは東大に合格した子供の目線から、何をしてくれたら嬉しかったか、何をされたら嫌だったかを思い出していきます。そうした『子育てられ』から、経験則的ながらも、どんな子育てがいいのかを考えていきます。
 
 
 
次回『子育てられ編2.まず、小賢しいマネをするな!』に続く。
 
ライター:竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山にUターン。プロジェクトデザインに新卒で入社。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。


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