上市町でくらす

東大生、富山に帰る-子育てられ編2.まず、小賢しいマネをするな!-

知った風な口を利くな!

受験する子供は、思春期を終えていないことがほとんどです。
その時期の子供に子供のやっていることに口出しするのはタブーです。
誰であろうと、自分のやり方に口出しされ、指図されれば良い気分はしないものです。それが思春期で感情のコントロールが上手くできない子供なら尚更のこと。
親の口出しなど、不愉快なだけでした。しかも、結果が出てみれば、結局私のやり方で成果が上がり、親への不信感は強まるばかりでした。
これでは前回のブログで強調した「実直さと誠実さ」は子供に備わりません。
 
親として口出ししたくなる気持ちも分かります。
「このままでは、子供は失敗してしまう。子供のためにならない。」という不安は、親として当然です。それが口をついて出ても仕方のないことでしょう。
ですが、このことは覚えておいてください。
親の仕事は、子供に正解を教えることではないのです。
失敗することも、子供にとって大切な経験です。
転ぶことなしに、立ち上がる方法は覚えられません。
『何度も壁にぶつかっても挑戦し続ける』という力を養うための、勉強の機会を奪わないでください。
 
あえて。
あえて子供に失敗させてあげてください。初めから正解を教えるのが愛情とは限りません。
むしろ、子供が失敗したときに親が我が身を切って責任を取ってみせることで、子供に愛情を感じてもらうことができるのです。
 
 
 

沈黙は金

おじいちゃんと孫

おじいちゃんと孫

親に愛情を感じていない子供は例え東大に合格しても、親に何の感謝もしないし、助けようともしません。
私は、自分を愛してくれた祖父には返しきれない恩を感じていますが、両親はもはや金を出し終えた搾りカス程度にしか思っていません。
小賢しい口出しばかりして、結局我が子より我が身を愛しているような親は、ドイツ陸軍を再建したハンス・フォン・ゼークトの言葉を借りれば「無能な働き者」にしかならないのです。
それよりは親はどんな時でも黙って自分を迎え入れてくれる帰るべき場所であってほしいのです。
「いつでも無条件に帰ることができる」という安心感は、子供にひたむきな努力を促します。「実直さと誠実さ」の苗床になるのです。

 
 
 
次回『子育てられ編3.祖父は5年で私の教育を完了した』に続く。
 
ライター:竹島雄弥
富山県立富山中部高等学校卒業
東京大学農学部環境資源科学過程生物・環境工学専修卒業
大学卒業後、ふるさと富山にUターン。プロジェクトデザインに新卒で入社。
事務所内でのもっとも重要な仕事はおいしい紅茶を淹れることである。


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