上市町ではたらく

元気な卵を毎日食べて体の中から健康に

有限会社安井ファーム

自家栽培の野菜や海洋深層水など、厳選した材料を十数種類配合して発酵させた餌と、イオン化した水で純国産の鶏を飼育。栄養豊富で新鮮な卵と野菜を出荷している。代表の安井宗義さんは売薬業の経験を活かし、お客さんから信用される美味しい卵の生産を続けている。1994年に上市町で富山県内初の朝市を始めた人物でもあり、現在も朝市で卵や野菜を買うことができる。

(※インタビューは2014年10月9日に行いました。最下部のデータ欄は最新のものです。)

代表 安井宗義さん(71)

代表 安井宗義さん(71)

 
 

卵は万能食材

純国産の鶏「さくら(さくら色)」と「もみじ(茶色)」

純国産の鶏「さくら(さくら色)」と「もみじ(茶色)」

――安井ファームさんの歩みを教えてもらえますか。
 創業は、約30年前の昭和62年、42歳の時。純国産の鶏「さくら」と「もみじ」、約2万羽でスタートさせました。養鶏の景気が良いときを過ぎてどん底に落ちた時に始めたもんだから、周りからは「何考えとるんか」と言われました。養鶏は機械や電気代(集卵所の冷房費)など、ものすごい金がかかりますから。普通は先代や先々代の人がいてできることであって、最初からやる人はほとんど

ベルトコンベアーで運ばれてくる卵

ベルトコンベアーで運ばれてくる卵

いないんです。上市町には元々、鶏を200~
300羽飼っている方が大勢おられたけど、ほとんど辞めていきました。
――それでも養鶏を始めたのはなぜですか?
 単純な理由ですよ。日本人は朝ごはんに毎日卵を食べる人が多いでしょう。私は米と一緒に卵かけご飯にして食べることが多い。元々売薬で全国を周っていましたが、あっちこっち行くのも大変だった。米なら1年に1回しか採れないし、野菜も新潟県や関東など、県外では1年中作って何千万円と売り上げる

オゾンの温水殺菌後、仕分け作業を行う

オゾンの温水殺菌後、仕分け作業を行う

家もあるけど、富山県は1年に数回しか収穫できない。卵なら鶏が家にいて、四季を問わず、年中毎日産んでくれる。昔は病気の見舞いで卵を持っていくような時代、卵って高級食材だったんですよ。農家の人は鶏を飼っている人が多かった。卵は万能食材なんです。含んでないのはビタミンCくらいかな。毎日食べるもので体に良い食べ物の王様。
――そうなんですか。卵って体に良いんですね! だから安井さんはお顔がツヤツヤなんですね。

大きさごとに自動選別され、人の手で仕分け

大きさごとに自動選別され、人の手で仕分け

 化粧してるわけでもないけど(笑)。私は野菜はもちろん、いつも1日に卵5~6個は食べてるからね。10個以上食べる日もありますよ。

――えっ! コレステロールは高くならないんですか。
 ならない。むしろ、良い血管を作るには良いコレステロールが必要で、良い卵を食べてれば健康になるんです。いかに良い餌で、どういうものを使ってるかが大事。内臓はすごく健康です。悪い物さえ食べなければ。
――そういえば、80歳を過ぎて舞台ででんぐ

独自で配合した餌により、体に良い卵になる

独自で配合した餌により、体に良い卵になる

り返しをしていた森光子さんも、卵を1日に何個も食べていたというのをテレビで見ました。
 人間、食べ物が1番大事。そして子どもは宝。子どものにぎやかな声はボケ防止になって、孫と生活すれば元気になる。お客さんにも少しでも健康でいてもらうために、いいものを食べてもらって、長生きしてもらいたい。良い品物を作ってればお客さんも来てくれるし、長生きしてもらえればまた買ってもらえる(笑)。

上市で「野菜作りと卵の中核農家」第一号

広い畑で何種類もの野菜を作っている

広い畑で何種類もの野菜を作っている

 だから、毎日食べて毎日生産できる「野菜作りと卵の中核農家として、上市町の第一号」になりたかった。他人から見ると面白半分に見えたと思いますよ。今考えてみたらとんでもないですね。私は8人兄弟の5番目で、35歳の時に結婚して婿に入りました。最初に野菜作りを始めて、町から中核農家の認定をいただいていました。その後養鶏を始めたんです。周りからはいろいろ言われたけど、家族は不思議と反対しませんでしたね。教員をしていた家内も同じです。当時広野の顔役の人も応援してくれるなど、いろんな人が世話してくれて、お金も国から借りて始められました。人のがを見よう見まねで餌の配合などしたけど、それ以上のことをしようと思って。

鶏糞を肥料にした土で野菜を育てている

鶏糞を肥料にした土で野菜を育てている

――いろいろ大変なこともあったのでは?
 順調と言えば順調だし、大変と言えば大変だった。鳥インフルエンザのニュースの時も、春先など有精卵に外で平飼いしている鶏もいるので、「入ったら入ったでしゃーねーな」と。どっから入ってくるかもわかりませんし、いろいろ考えてたら何もできません。のん気なんです(笑)。
――いや、大物なんだと思います(笑)。
 自信ないこと言ってたらダメなんですよ。半分大ボラ吹いたとしても、それ以上のことをしないといけない。ただのホラ吹きで終わるか、本当にできるか、そこが大事です。

こだわり抜いた餌と水で最高の卵

さくらたまご2L(10個320円)

さくらたまご2L(10個320円)

――安井ファームさんの卵の特徴を教えてください。
 うちは餌にこだわりがあるし、水もイオン化したきちっとしたものを使っています。家で飲むのは水道水だけど(笑)。野菜も作っているので、自分のとこで採れたなすびやカボチャなどの野菜を細かく砕いて、海洋深層水や根昆布、おから、炭、ニンニクなど全部で15~16品目を混ぜて発酵させた餌を鶏にやっています。人間が食べても良いくらいのもので、鶏も喜んで食べてますよ。餌に、活性酸素を除去してくれる「アスタキサンチン」を配合しているので、美容と健康にもいいですよ。活性酸素は病気や老化の原因になるんです。

全部で15~16品目を混ぜて発酵させる

全部で15~16品目を混ぜて発酵させる

――それならアンチエイジングにも良さそうですね。いろいろな原料が配合されているんですね。
 餌のランクはAからDまであって、うちは1番良いA。鶏は何でも食べるけど、それが卵に跳ね返ってくるんです。水と空気と餌が基本だから、少しでも安全なものを選んでいます。良いものは高いからコストが高くなるけど、良いものを作ればお客さんは食べてくれます。儲けは少ないですけどね(笑)。儲け主義に走ると餌のランクも落としてダメになっていく。正直にやらないと。元々バカ正直だからね。自分も食べる卵だから、ヘタなものは作らない。物を作っててそれを自分で食べない人は信用できない。

人間の体にも良い炭を鶏の餌に配合

人間の体にも良い炭を鶏の餌に配合

――その通りですよね。安井さんは以前、売薬さんをされてましたもんね。
 そう。だから、抗生物質や酸化防止剤などは一切使わない。体に良くないからね。30年前に、人は一生で5~6kgの添加物を食べると言われていました。30年前でそれだけだったら、今はもっとじゃないですか。それを入れないと腐るから商品にならない。でも、食べた人間の体に弊害が出てくる。例えば今はアレルギーや花粉症の子どもが増えているけど、母親が食べた食材やタバコのせいでなることもあるから、母親は特に気を付けなければならないんです。市販のお菓子の原料に、外国から輸入された卵黄粉末が使われるけれど、あれには酸化防止剤がかかっているので、それもアレルギーの原因になる。

フキバッタをはじめ、昆虫にも住みよい畑

フキバッタをはじめ、昆虫にも住みよい畑

――添加物はあまり摂取したくないですよね。でも、知らず知らずのうちに、市販のお菓子の原料などに含まれているんですね。
 知らなかったでしょう。魚にしたって、養殖は網で囲うから網に藻が付く。それによって水の流入が無くなると酸欠で魚が死んでしまうから藻が付かないよう網に薬を塗るんです。それが体に良くない。日本人はのん気だから綺麗なものでさえあれば良いと思うけど、ちゃんと知らないといけないことがいっぱいあるんです。農薬が真っ白にかかった輸入品も見たことがありますよ。こういう話だったらどれだけでもできます。
――知ることって大事ですよね。

富山県内に朝市のアイディアを提案

野菜の肥料に鶏糞、鶏の餌に野菜、と循環

野菜の肥料に鶏糞、鶏の餌に野菜、と循環

――それにしても、安井さんはすごく引き出しが豊富ですね。
 売薬をしとった時の経験です。最初から「薬買うてくれ」と言っても誰も買ってくれない。1日に何軒も周るんじゃなくて2軒だけに決めて、いっぱい喋って最後に「体に気を付けて」と言うと薬をたくさん買ってくれた。そういうもんですよ。野菜を作るときも、大地が大事。土に力がないとすぐ病気になる。うちでは、養鶏の鶏糞を肥料にしているんです。餌もいいし、卵の殻を粉にしたものも入れてる。化学肥料は使わない。だからナスやピーマンを生で食べても甘みがある。お客さんが「美味しい」って言ってよく売れてます。夏野菜のなすびでも、10月いっぱいはできるから、朝5時に採って生協におさめています。努めて農薬を減らすことで、健康な野菜を作るんです。人間の体と一緒ですよ。いくらビタミン剤やサプリメント(野菜にとっての化学肥料)を摂っても、体の基本がなってないとダメ。体が弱い。

配合している餌はAランク。白いのは卵の殻

配合している餌はAランク。白いのは卵の殻

――なるほど~、勉強になります。安井さんは売薬さんの時、全国のいろんな商売を見て周られたから、アイディア豊富なんですね。
 若い時にね(笑)。売薬してた時に宮崎県に行った時あるおばあちゃんが、囲っていた牛や豚に話しかけて歌を歌ってたのを見たんです。普通、牛や豚は2年半囲わないと売れないけど、そのおばあちゃんの牛や豚は同じ年月囲って何倍もする金額で売れた。手をかければ違うんだなと思いましたね。朝市を知ったのも宮崎県でした。卵は大きい順に3L、2L、L、M、S、SSとあるんですが、大きい3Lや小さいS、SSは残るんです。それを売るところを作りたくて、20年前、宮崎県の直売所を参考に地元の農家のお母さん達を誘って、JAアルプス上市支所向かいの倉庫前で朝市「おらっちゃの店」を始めたんです。当時、富山県には朝市が無く、県内初の試みでした。車が何十台も列をついて大人気だったんです。今でも月・水・土曜の朝、荒田や南町、パルの駐車場の一画で、4月から12月の雪が降る前までやってますよ。
――県内で初めて朝市を始められたのが安井さんなんですね! 今、ほかにはどこで買うことができるんですか。

直売や朝市での販売も行っている

直売や朝市での販売も行っている

 上市町では安井ファームでの直売のほか、味蔵やパルのスーパー、穴の谷霊水の駐車場の売店で買えますし、富山市のアピアの自然食品のコーナー、県内の生協にも卵と野菜を卸しています。最近は生協からの注文が増えてきて、見学も多いですよ。飲食店では上市町の山本屋さんや華生さん、宝来さんが昔から買ってくれています。滑川市の石倉家さんもですね。
――そういえば、山本屋さんは取材の時、いろんなところに行って食べ歩き、料理のヒントを得るって言われていました。
 山本屋さんは1つ上の先輩なんですよ。いろんなところへ行って勉強や道楽しないとっていつも話しています。

ハングリー精神で新しいことに挑戦

集卵所で仕分ける従業員のみなさん

集卵所で仕分ける従業員のみなさん

――従業員の方はほかにどんな方がおられるんですか?
 妻と、他にも数人の従業員がいて、今はベトナム人の女の子が働きに来てくれています。国で、外国人を雇い入れる時はアルバイトではなく正社員、一年中仕事がなかったらダメ、と決まっているので、外国人にとっては手厚い制度ができていますね。外国人専用の社員寮もあります。
――そうなんですね。では今後、挑戦したいのはどんなことですか?
 草刈り隊としてヤギを飼うのも面白い、イノシシ除けになるかな、と考えています。あと、鶏糞の販売も以前はしていたけど、発酵させるのに電気代などのコストがかかるからやめたんです。それを再開しようかな。いくつになっても「あれもしたいこれもしたい、物を作りたい」と思うから仕事するんです。人のやらん先から何でもやってます。いくつになっても子どもみたいなもんですよ。だから面白い。この前、娘がやってみたいと言うのでメデルケさんと一緒にギョウジャニンニクを植えたんですが、今後何かに活用できないかと考えています。ダメでも餌に使えるかなと思って。ハングリー精神が無かったらダメですよ。何でもしてみたい、欲張りなんです。
――すごい、面白いですね。
 私の人生、みんなあなたに喋ってるね(笑)。
――(笑)。安井さん、本当に興味深いお話をたくさん聴かせてくださってありがとうございました。
 こちらこそ、ありがとうございました。


「もみじたまご(左)」と「さくらたまご」

「もみじたまご(左)」と「さくらたまご」

卵は、「さくらたまご」と「もみじたまご」の2種類があり、鶏種の違いで卵の色が違うそうです。同じ餌を使っているけれど、「もみじたまご」の方が産卵数が少なく、成分も違うため貴重なのだそうです。たまごかけご飯とプリンを作って食べてみました。新鮮だし、良い餌で育った鶏の卵なので安心して食べることができ、とっても美味しかったです!! スーパーで売っている卵よりも濃厚な気がしました。卵は卵白の泡立ちが良いため、菓子店やケーキ店で人気だそうですよ。
安井ファームさんに電話して行けば、卵を直接買うこともできます。もしかしたら、卵を入れる容器を持っていくと、おまけがあるかもしれません♪

みずみずしく、生でも美味しいナス

みずみずしく、生でも美味しいナス

子育てや農薬、アレルギー、起業など、様々な分野から興味深いお話をしてくださった安井さん。「好きなことを喋ったら止まらない」と言われたように、商売柄引き出しも豊富で、楽しいインタビューでした。
畑も見せてもらったんですが、10月初旬にも関わらず、大量のなすびが実をつけていてびっくりしました。「生で食べられる」と聞き、初めてナスを生で食べてみたところ…アクが全くなくて美味しい! とってもみずみずしかったです。

●DATA●

企業名 有限会社安井ファーム
住所 上市町砂林開61
電話番号 076-473-1718
FAX番号 076-473-3311
ホームページ http://www.net3-i.jp/yasuifarm/(Net3インターネット)
Facebookページ なし
設立年月日 創業 1987年(昭和62年)
設立(法人化)2004年(平成16年)
代表者氏名 安井宗義
事業内容 養鶏(ケージ1.6万放し飼い300)
畑作(夏野菜中心に1.5㏊)
生協・直売所で販売
会社・製品の強み 地元の無農薬米とNON-GMO(遺伝子組み換えでない)の穀物(とうもろこしと大豆)や発酵させたおから・米ぬか・野菜くずを餌とし、循環型農業を営んでいます。
主力商品 ・さくらたまご 2L 10個320円
・もみじたまご 2L 10個350円
上市町との関わり・創業の決め手 売薬業の経験を活かし、安心な卵を提供したい気持ちから、地域の人々の身体づくりに20年以上関わってきました。
求職者へのメッセージ・アピール 中~長期、住み込み出来る寮が出来ました。夏期シーズンバイトの受け入れも始めます。規模拡大の為正社員も大募集!
勤務時間 8:00~17:00
休日 木曜・日曜、1月1日、お盆(事前予約で受付可)
過去3年間の売上高 右肩上がり
従業員数 8人(男性2人、女性6人)
過去3年間の採用実績 2016年度 新卒0人 中途1人
2017年度 新卒1人 中途0人
2018年度 新卒0人 中途0人
福利厚生 / 従業員特典 住居(社員寮)、保険(健康、雇用)、厚生年金、資格支援、食事会(年に1~2回)

●インターンシップ情報●

概要 山の上でこだわりの卵をはじめ、鶏糞を利用して有機野菜を育てています。ケージ飼いだけでなく、放し飼いの鶏とも触れ合えます。半日野菜、半日卵の仕事を体験していただきます。
対象 高校生・大学生
時期 夏休み
日数 応相談
実習内容 野菜の収穫、餌づくり、卵の採卵など
実習場所 上市町砂林開61
同時受入人数 2~3名
情報・申し込み方法 定休日は木・日曜、営業時間は8時~17時です。電話で直接お問い合わせください。
有限会社安井ファーム 安井実枝子さん

有限会社安井ファーム
安井実枝子さん

 

 

農業は大変な仕事ですが、やりがいがあります!

農業をやりたい方にぜひ来てもらいたいです。お待ちしています。

 

 

 

 

 

 


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