上市町ではたらく

リハビリを通して病院と家庭との橋渡し役を担う

医療法人社団藤聖会 上市老人保健施設 つるぎの庭

病院と家庭との橋渡しを行う施設として、リハビリで生活機能の維持向上を目指す。サービス内容は入所のほか、短期入所療養介護、通所リハビリテーションに分かれ、地域の人々が安心して自立した在宅生活を続けられるよう支援。認知症専門棟もあり、程度に応じて適切な処遇でケアを提供している。平成27年1月にサービス付き高齢者住宅を敷地内にオープン。更なるサービスの充実を図る。施設長で医師の山本典子さんに話を聴いた。

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施設長 山本典子さんと看護師長 浄聖陽子さん

  施設長 山本 典子さんと
  看護師長 浄聖 陽子さん

 
 

在宅復帰を目指してリハビリ

広々と開放感のある施設内

広々と開放感のある施設内

――すごく広々として開放感がありますね。
 1階のみなので、段差がなく清々とするんだと思います。広いので嫌でも歩かなくてはならず、リハビリになります。
――そうなんですね。あの、病院から家庭への橋渡し、とは具体的にどんなことですか?
 老人保健施設は病院と医療介護の連携を行う場で、仕事のメインは介護業務です。病院を退院してから自宅に帰ることを前提にして入所し、ケアプランを立ててリハビリを行います。食事や排せつ、身のまわりのこと全てがリハビリになるんです。退所後は、在宅復帰やサービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームなどに入所するということになります。つるぎの庭は居宅介護支援も行っています。上市町は横のつながりが強く、かみいち総合病院の地域医療連携室から他の福祉施設とも繋がっていて、地域ケア会議などで集まる機会や、町が主催する研修も多いです。

リハビリの様子

リハビリの様子

――なるほど。では、病院のリハビリとの違いは?
 例えば誤嚥(ごえん・飲み込む機能が落ち、食べ物や唾液などが気管に入ってしまうこと)性肺炎などで病院に入院された高齢者の方が、入院中は安静を保たなくてはならないため、足が弱って立てなくなったりするんです。そのため、家へ帰るまでにリハビリをしなくてはならない。病院にもリハビリ病棟はありますが、病院とは急性期(症状・徴候の発現が急激で、生命の危機状態にあり、全身管理を必要とする時期)の病気を治すためのところなので、在院日数が決められています。医療費の削減が叫ばれていることもあり、ある程度落ち着いたら次の段階へ行ってもらうというのが今のシステムです。急性期の次がリハビリ期、つるぎの庭などの老人保健施設はここに当たります。自宅などで過ごすのが安定期となります。
――そうなんですね。退院後に入所する施設ということですね。
 はい。要介護に認定されたら、老人保健施設へ入所するか、自宅などでデイケアや訪問看護、訪問介護、訪問リハビリなどを利用します。つるぎの庭には、ショートステイもあるので、お家の方に旅行・行事がある時や介護疲れの解消などに利用していただけます。核家族化など、時代の要請によって制度ができました。もちろん、通所のリハビリテーションもありますよ。

口腔ケアで感染症予防

作業療法で作られた五箇山の合掌造り模型

作業療法で作られた五箇山の合掌造り模型

――利用できるのはどんな人ですか?
 リハビリテーションや看護・介護を必要とする要介護者。介護保険の被保険者証をお持ちの方で、要介護1~5の認定がある65歳以上、および要介護状態の原因が特定疾病である40歳以上65歳未満の方です。
――リハビリのほかにはどんな活動をされているんですか?
 入所者80人がつばめ、らいちょう、ひばりの3つのグループに分かれてそれぞれ活動しています。先生を招いて書道教室や押し花教室、絵画教室、お菓子教室などを開いていて、1番人気なのは書道教室です。みなさん、書くのが好きなんですよね。作業療法では、文化祭に向けて五箇山の合掌造り模型などを作りました。趣味を通して、楽しみながら指の運動ができるようなものを選んでいます。お寺の住職による法話会や季節ごとの外出などもあり、誕生日の人は自分の生まれた場所や思い出の場所など、希望のところへドライブに出かけたり、食べたいものを食べたりといったことが叶うよう企画を立てています。

一人ひとりの口腔ケア用品

一人ひとりの口腔ケア用品

――すごいプレゼントですね! それは喜ばれそうですね~。つるぎの庭さんの強みは?
 1つ目が、リハビリ。1人1人に応じたプログラムを立て、身体的なことはもちろん、認知症の短期集中リハビリテーションなども行っています。退所前に家庭を訪問し、本人が過ごしやすいように整えるほか、退所後も訪問し、現状で良いか判断します。2つ目は、口腔ケアに力を入れている点です。スタッフに歯科衛生士がいるので、毎日口腔チェック&ケアを行っています。おかげで、流行りの感染症やインフルエンザにもならずに元気に過ごしています。自分の歯で食べることは意欲にも繋がります。
――口腔ケア、大事なんですね。感染症の予防がしっかりできているなんて素晴らしいです。
 インフルエンザのほか、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎は一旦入ったらあっという間に広がる可能性があるので、予防に尽きるんです。うがい・手洗いを徹底し、持ち込まないことが大切です。冬場は特に予防に気を付けています。

玄関でうがいや手洗いを徹底

玄関でうがいや手洗いを徹底

――具体的にはどんな予防法があるんですか?
 マスクの着用、インフルエンザの予防接種は全員無料で受けます。職員は毎朝熱を測り、疑わしかったら休む。家庭でインフルエンザなどが出たら、本人がかかっていなくても休まなければなりません。感染した子どもの看護などがあるので、どちらにしても休むことになりますけど。そんな時も、チームワークでカバーし合っています。

サービス付き高齢者住宅をオープン

チームワークの良い職員のみなさん

チームワークの良い職員のみなさん

――ほかに大変なのはどんなことですか?
 ご本人さんは以前のように動けると思っているので、油断すると転倒・転落が起こることが心配です。また、嚥下力(飲み込む力)が落ちて誤嚥や飲み込みにくい方が増えているので、食事の前に、肩から足まで全身を使って口腔体操を行っています。人数が多いので、みなさんにやってもらうのが大変ですね。ほかには、胃ろう(病気やけがなどで口から飲食できない人や、誤嚥を起こし生命に危険が及ぶ人などに適用される、栄養を投与するために胃に設けた穴)だとかインシュリン注射(糖尿病の人の血糖値を低下させる)とかバルーン(排尿が困難な場合に処置する尿道カテーテル)など、医療処置の多い方が増えているので、いろいろと配慮が必要です。富山大学と県立中央病院の研修医2年目の医師がかみいち総合病院に月に1度研修に来ておられ、そのプログラムの一環でここへも訪問されています。
――だから医師である山本さんが施設長をされているんですね。では、最後に今後の展望について教えてください。
 敷地内の駐車場だった場所に、サービス付き高齢者住宅が平成27年1月にオープンしました。ご家族が県外に住まれているなど、1人暮らしで火の始末などが心配な方でも安心して住みなれた地域に住めるように支援したいと考えています。
――それはご本人もご家族も安心ですね。今日はどうもありがとうございました。
 こちらこそ、ありがとうございました。

職員からの声

山本由美子さん

山本由美子さん

介護福祉士の山本由美子さんは、「自分の表情や援助に反応して、いつもと違う表情を引き出した時や名前を覚えていただいたときにやりがいを感じます。それによって援助方法を変えていくことができますし、仕事を続けるモチベーションにもなります」と話してくれました。
ケアマネージャーの渡邊ルミ子さんは、「在宅復帰を目指す施設なので、入って来られたらまず事情を確認します。住み慣れた家に帰って生活したいという本人の思いと家族の思いをうまく合わせながら、帰ることができたらやりがいを感じます。リハビリによってイキイキとした表情に変わられ、できなかったことができるようになった姿を見ると嬉しいです」と話してくれました。


廊下の表示

廊下の表示

玄関のお神輿と賽銭箱

玄関のお神輿と賽銭箱

お賽銭を投げるのも楽しい

お賽銭を投げるのも楽しい

お金が不要のパチンコやスロット

お金が不要のパチンコやスロット

「つるぎの庭」には初めて入りましたが、とても広々としていて開放感がありました。廊下には数字の表示があり、入所者の方が「ここまで○m歩いた」と分かる目安になって、リハビリのやる気を後押しするそうです。
ちょうど訪れていた研修医の先生も、「つるぎの庭は大規模で開放感があり、入所者のみなさんがのびのびとしている」と話しておられました。
玄関には手作りのお神輿と賽銭箱、紙でできたお賽銭があり、思わず投げたくなります(笑)。パチンコやスロットが好きな人のために、お金を入れなくても遊べるパチンコ台などもあり、喜ばれているのではないでしょうか。
また、口腔ケアに力を入れることで感染症やインフルエンザの予防ができると聞き、私も家でやってみようと思いました。

●DATA●

施設名 医療法人社団藤聖会 上市老人保健施設 つるぎの庭
住所 上市町森尻704
電話番号 076-473-0070
FAX番号 076-473-3300
E-mail turugi@ty2.fitweb.or.jp
設立年月日 平成10年4月1日
代表者氏名 山本 典子
事業内容 ・介護老人保健施設の運営
・居宅介護支援事業所の運営
サービス内容 ・入所
・短期入所療養介護
・通所リハビリテーション
主な実績 病院から家庭への橋渡しとして、生活機能の維持向上をめざし、地域の人々が安心して自立した在宅生活を続けられるよう支援してきた。
勤務時間 8:30~17:15(日勤)、二交替 16:30~9:30(夜勤)
休日 週休二日制、不定、年間114日、その他有給休暇
ホームページ

http://www.yatsuo.or.jp/019_hoken/facility.html

Facebookページ なし
過去3年間の採用実績 平成28年13人/平成29年18人/平成30年12人
福利厚生 / 従業員特典 家賃補助、保険(健康、雇用)、厚生年金、資格支援、子育て支援、保養所、社員旅行

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