上市町ではたらく

リサイクル業で日本の資源を無駄なく活用

三豊工業株式会社(みつとよこうぎょうかぶしきがいしゃ)

様々な資源のリサイクルに取り組む、豊富産業グループの内の1社。本社は富山市上飯野。上市町と滑川市に工場があり、上市工場ではギロチン設備、シュレッダー設備、マルチ解体機を主体に鉄や銅等の金属原料、木くずの再生加工処理を行う。現場ならではの視点から細やかな動きができるマルチ解体機を開発し、エアコン完備で寒暖や危険のない作業環境を確保。環境や地域に配慮しながら、作業効率の改善、大量処理、安全な職場環境づくりを実現している。代表取締役の五十嵐優さん(59)は、「リサイクルという業種で、資源の少ない日本のために少しでも役に立ちたいという思いでやっています」と話す。

代表取締役 五十嵐 優さん(59)

代表取締役 五十嵐 優さん(59)

 
 

リサイクル業で急成長

国道8号線沿いにある上市工場

国道8号線沿いにある上市工場

――三豊工業は豊富産業のグループ会社なんですよね。
はい。ここは元々、豊富産業の上市工場があった場所でした。上市町、滑川市、富山市の3市にまたがる土地で、事務所のある場所が上市町にあたります。高倉可明(よしあき)現会長が昭和43年に豊富産業を創業しました。リヤカーで川の鉄くずを拾うところから始めたんです。車のスクラップや鉄くずを加工した製鋼原料を電炉メーカーの大谷製鉄に納め、現在はアルミのインゴット(溶解後、加工する前の塊)も販売しています。インゴットはエンジンの材料となるので、自動車メーカーが重宝するんですよ。私は昭和53年に入社し、豊富産業の専務を経て三豊工業株式会社と日本オートリサイクル株式会社の代表に就任しました。

三豊工業株式会社の社員のみなさん

三豊工業株式会社の社員のみなさん

――グループ全体で何社あるんですか?
4社あります。新しい技術や機械の開発などによって、製品に最大限の付加価値を作り出すため、グループ全体で動いています。平成17年1月に自動車リサイクル法が施行しましたが、当グループは平成15年に富山市エコタウンができた際、日本オートリサイクル株式会社(五十嵐社長が代表を兼任)を設立しました。そして平成17年に、この場所は豊富産業上市工場から三豊工業株式会社となりました。平成21年には民間初の鉄道解体会社、日本総合リサイクル株式会社を高岡市に設立し、専門的に会社を分けていったんです。リサイクルの歴史の中で急成長した会社と言えます。

特許取得のステージ式ギロチン設備

特許取得のステージ式ギロチン設備

――なるほど。では三豊工業さんで行っている事業は何ですか?
1つは、鉄スクラップ。ギロチン設備ではそのままの大きさでは納入できない鉄スクラップをメーカーに納入できるサイズに切断加工します。シュレッダー設備では、磁力選別や、X線と風力選別、色別等の多様な選別機で、スクラップを鉄と非鉄(アルミや銅、ステンレス、真鍮など)、プラスチックなどの素材に分けることが可能で、再利用しやすくします。非鉄は選別後、国内の非鉄金属専門業者へ販売します。ほかに、古い家の解体業者が持ち込んでくる木くずや造園業者が剪定した木などを破砕し、製紙会社やボイラーの燃料用に販売しています。鉄や非鉄金属、木屑等の資源は、弊社の工場では持ち込みと引き取りのどちらも対応しています。
――社名の由来は?
「(社員を含む)会社」と「地域」と「お客様」。この3つが豊かになるようにという意味です。

社会から必要とされる企業

分別された銅線

分別された銅線

――三豊工業さんの強みは何ですか?
私たちの仕事は、中間処理業と言って、日本のものづくりの循環を支えています。製品を作るための原材料を製造しているんです。溶解炉でアルミの溶解を行い、使用済み自動車の解体も行っている、という業務形態は全国でも1~2社しかありません。包括的に何でも取り扱うことができるのが当グループの強みと言えます。
――ものづくりに欠かせない循環の1つ、なんですね。

センサーで積載重量をチェック

センサーで積載重量をチェック

日本は資源が少なく、土地も限られている国なので、今ある資源を活用することが不可欠です。日本国内に製品として今ある資源をリサイクル・循環することが可能ならば、日本は資源大国になれますよ。人が生活するには資源はどうしても必要なもの。一昔前は便利さを求める大量消費の時代でしたが、使いっ放し・捨てっ放しでは、いつかは資源が無くなる。ごみを埋め立てると海が狭くなるでしょう。埋めるんじゃなくて、資源として活用できないかを常に考える。そのままではごみにしかならないものを加工選別して、原料として各方面へ再使用できるようにするのが私たちの仕事です。リサイクルという業種で、資源の少ない日本のために何とかしないといけない、少しでも役に立ちたいという思いでやっています。

開発したマルチ解体機

開発したマルチ解体機

――どんな企業を目指していますか?
「あの会社に入りたい」と思われる企業です。世の中に役立っていると思われる企業であれば社会から必要とされ、「この地域で頑張って欲しい」「あの会社に勤めたい」「お父さんが勤めていて良かったな」と思われる。そして社員1人1人が誇りを持って働け、今度は若い社員が入ってくる。そうすると成長して会社が続いていくんです。どんな職種でも人から必要とされるものですが、昔、リサイクル業は「スクラップ屋」「ごみ屋」としてワンランク下に見られていて、鉄の破片が飛び散る可能性があり危ない、暑いなどの難点がありました。しかし今では機械化が進み、例えば弊社では、エアコン完備のマルチ重機で作業するので寒暖もなく危険でもない。作業環境の改善とイメージの変化によって、リサイクルに関する知識がある若い人も来てくれるようになりました。

現場視点で開発したマルチ解体機

現場視点で開発したマルチ解体機

――重機にエアコンが完備されているんですね。
油と泥にまみれて、屋外でカッパを着て作業するという、今までのイメージを覆すものです。人の手作業での解体と比べると断然スピードが速くなり、効率的で大量に、かつ安全に処理ができます。現場で「こういう機械があればいいのに」と考え、両手・両足・両手指まで使い、細やかな動きができるマルチ解体機を開発しました。

環境に配慮した電気式の解体機(日本オートリサイクル株式会社)

環境に配慮した電気式の解体機(日本オートリサイクル株式会社)

グループ会社である日本オートリサイクル株式会社にて、自動車解体の際に使用しているマルチ解体機は電動で、二酸化炭素も出しません。天井から電源コードがぶら下がっているので、電気式で自由に動ける日本初の解体機です。オペレーターによって作業効率がものすごく変わり、熟練すると自分の手足のように動かせるようになります。先輩の操作を見たり、やり方や順番を考えたりして体の一部のような感覚になるまで練習するんです。扱いがうまくなれば指導的立場へ変わります。重機オペレーターの資格取得にかかる費用は半額補助しています。

会社は人と同じ生き物

今年のスローガン

今年のスローガン

――五十嵐社長が大切にしているのはどんなことですか?
私が基本としていることは、「人に迷惑をかけない」ということ。社会にはルールがあり、会社も機械も人間が動かしています。社員には「たまには会社のまわりを回ってみろ、どう思うか。それが地域の人の見方だ」ということをいつも話しています。企業は地元の同意がないと存続しませんが、中からしか見ていないと地域住民の気持ちはわからない。地域の方々に認めてもらうには、振動や音、煙、臭いなど、いろんな面での配慮が必要です。事前に付近の方々に話をして作業時間の理解を得る、町内の会合に出席して意見を聴く、町内の川掃除の前に会社周辺を草刈り・掃除しておくなどしています。人の気持ちをしっかり考え、誤解を生まないよう努めています。

朝礼で話す五十嵐社長

朝礼で話す五十嵐社長

――地域の中で企業活動を行うために配慮されているんですね。
はい。会社は人と同じ「生き物」です。人は病気にも元気にもなりますよね。例えば盲腸は適切な治療をすれば治るけれど、放っておくと死ぬこともある。会社も景気のいいときと悪いときがあり、何かあったときにきちんとした手当をしないとつぶれる、つまり死ぬということ。企業の使命・目的というのは利益を上げることですが、利益を上げることで税金を払い、人の役に立てるようになる。会社が赤字で社員に給料も払えないと国に貢献できないですよね。

体操を行う朝礼時の風景

体操を行う朝礼時の風景

――元気な会社にするにはどうすればいいですか?
大事な大黒柱は、社員です。それぞれいろんな事情があって働いているので、社員の家族の面倒も見るくらいのつもりでいます。朝礼では、当番を決めて社員が1人ずつ、みんなの前で社会情勢や改善案などを発表し、体操もしています。私も毎朝いろんな話をする中で、「安全第一。あなたは自分1人の体ではない。気が緩んだ時や慣れた時に事故が起こる。周りを見ておかしいなと思ったら声をかける」など、とにかく事故やケガの無いように努めています。
――最後に、今後の展望をお聞かせください。
もっと技術が進んで、若い人がどうしても入りたいと言ってくれるような企業になりたいと思っています。若い人が入ってこないと企業は成長しないですからね。
――わかりました。五十嵐社長、どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

若手社員からの声

古木 康大さん(25)

古木 康大さん(25)

経理・総務部の古木康大さん(25)は、入社4年目。責任感が強く、仕事の区切りがつくまでやり遂げる、納得するまで熱心に行うなど、五十嵐社長の信頼も厚い若手社員です。会社の広報も担っています。
「今年、新入社員研修などを担当しました。リサイクル業は社会的に無くてはならない仕事。それが心の支えとなっています。いずれ世界で日本のリサイクル技術が必要になるときが来ると思います」と話してくれました。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!
厚生施設とよとみ

厚生施設とよとみ

リサイクル業で資源を循環させられたら日本は資源大国にもなれると聴き、リサイクル業には大きな可能性が広がっているのだと感じました。そして、どんな企業活動でも根幹にある「社会の、人の役に立つ」ということを大切にしていけば間違いはないのだと思いました。
現場の意見を元に、使いやすい機械まで開発してしまうなんて、驚きです。しかも、聞けば廃車のガソリンを集めてろ過装置で精製し、営業車などに使用しているそう。なんて無駄のないリサイクルでしょう。
上市工場は国道8号線沿いで上市町と滑川市の境目にあり、滑川市民の私は車で前を通る際にどんな会社なのかずーっと気になっていたので、今回訪問できて嬉しかったです。
上市工場近くの資源リサイクルセンターの横には社員用の保養施設「厚生施設とよとみ」があり、金・土・日曜には社員とその家族向けにお風呂を開放しているそうです。羨ましいですね…。

●DATA●

企業名 三豊工業株式会社
住所 本社/富山市上飯野13-6
上市工場/上市町竹鼻731-5
電話番号 076-451-6100
FAX番号 076-451-6107
E-mail mituto_1@tam.ne.jp
設立年月日

創業 昭和43年6月
(豊富産業グループ前身となる豊富産業株式会社創業時期)
設立 平成17年12月

代表者氏名 五十嵐 優
事業内容 1.金属くず・産業廃棄物・一般廃棄物の処理により分離したアルミニウムを原料とするアルミニウム塊(インゴット)の製造及び販売
2.金属くず・産業廃棄物・一般廃棄物からの鉄・非鉄金属の選別・加工処理及び販売
3.産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬及び処理
4.建物、機械、鋼構造物及びコンクリート構造物の解体処理
5.鋳物製品の製造、仕上げ加工
6.シュレッダープラント・重機のアタッチメント等の溶接作業
7.土木工事及び建築工事の設計、施工監理
8.前各号に付帯する一切の業務
主力製品・商品 製鋼原料 非鉄金属
主な実績 富山県において製鋼原料の生産の中核を担ってきた
平成19年には日本初の全屋内型シュレッダー工場完成(追分工場)
資本金 2,000万円
勤務時間 8:30~18:00(4~6月) 8:30~17:30(7月~3月)
休日 休日カレンダーによる、年間95日(平成27年度)、その他(お盆、年末年始、有給休暇など)
ホームページ http://www.mitsutoyo-industry.co.jp/(三豊工業)
http://www.toyotomi-group.com/(豊富産業グループ)
Facebookページ 無し
従業員数 89人
過去3年間の売上高 平成23年 718,323万円/平成24年 566,917万円/平成25年 622,618万円
過去3年間の採用実績 平成24年 18人(うち新卒2名) 平成25年 7人(うち新卒2名) 平成26年 10人(新卒2名)
福利厚生 / 従業員特典 社員寮有、保険(健康保険、雇用保険、団体保険)、年金(厚生年金)、資格支援、育休、時短勤務、保養所、社員旅行、クラブ活動(野球部)、新年会、忘年会、花見、バーベキュー、グループ企業で精製したガソリンを社員に安価で提供、各拠点のお風呂を従業員や運転手が利用できるように開放


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