上市町ではたらく

質の高い金型で質の高い自社ブランド製品を生み出す

株式会社リッチェル 上市工場(金型部)

プラスチック製品の総合メーカー。キッチンを始めとする家庭用品から園芸、ベビー、ペット、ライフケア(介護)まで、毎日の暮らしを彩る製品を企画・製造・販売し、豊かで快適なライフスタイルを提案している。上市工場(金型部)では富山市にある本社で自社ブランドを製造するための金型を製作。「質の高い金型が質の高い商品を生み出す」をモットーに、良い金型を作り続けている。株式会社リッチェルは平成28年に創業60周年を迎えた。

生産本部 金型部長 酒井誠さん

生産本部 金型部長 酒井誠さん

 
 

ユーザーが満足できる「良い商品」を提供

正印西交差点近くにある、株式会社リッチェル 上市工場

正印西交差点近くにある、株式会社リッチェル 上市工場

――上市工場(金型部)の創業の経緯を教えてもらえますか?

昭和31年、シルバー樹脂工業所(株式会社リッチェルの前身)が富山市で創業、昭和35年法人に改組しシルバー樹脂工業株式会社を設立しました。家庭用品から始まり、硬化性の食器、特にテレビ番組のキャラクター「ブーフーウー」のイラストをプリントした食器が爆発的ヒットとなり、取扱い製品が増えていきました。金型工場の前身は昭和38年、富山市に設立した豊田精工株式会社です。同社は昭和42年にシルバー技研株式会社となります。平成3年、シルバー樹脂工業株式会社は「株式会社リッチェル」に社名変更をするとともに、シルバー技研株式会社を含む関係会社を吸収合併しています。リッチェルは「RICH&Well」の造語で、「高級感・ゆとり」と「高品質・信頼感」を表しています。現在、上市工場には金型部と新事業開発室があります。

ベビー用食器

ベビー用食器

――現在、プラスチック製品では大きなシェアを持っていらっしゃいますよね。

はい。家庭用品はもちろん、園芸、ベビー、ペット、ライフケア(介護)まで全てのライフスタイルの中で使われる商品を取り扱い、製造販売しています。NB(ナショナルブランド、自社ブランド)は水橋本社で立ち上げていて、上市工場(金型部)で製品金型を作っています。

――自社で製品を作るための金型を上市工場で作られ、一貫生産されているんですね。仕事でどんなことを心がけておられますか?

上市工場内

上市工場内

上市工場は製品の3次元データを受け金型を製作しているのですが、本社に対してはQCD(Quality=品質、Cost=費用、Delivery=納期)通りに納めること、一般のお客様に対しては「使って良かった」と満足してもらえるように「良い商品」を作ることです。株式会社リッチェルの理念は、「洗練された進歩的な感覚でわたくしたちにしかつくれない“良い商品”を提供する。」これに尽きます。

金型からの一貫生産で効率と品質を向上

質の高い金型が質の高い商品を生み出す

質の高い金型が質の高い商品を生み出す

――具体的にはどうやって「良い商品」を作られるんですか?

良い商品は良い金型を無くしてはできません。金型を内製化することで、自社ブランドとして求められる要素をスピーディーに効率的に金型に落とし込めるというメリットがあります。金型部ではデザインや機能、品質を忠実に再現するために金型を作ります。「良い金型を作ること」は「良い商品づくり」に直結するため、大変ですが、やりがいにもなっています。四六時中「いかにして早く良い金型を作れるか」を考えています。

――良い金型があるとどうして早く「良いもの」を作れるんですか?

金型に少しでもズレや歪みがあると、金型を合わせたときに隙間や変形が生じます。そのような金型で成形した製品にはバリ(製品面に素材が残った不要な突起)が残ります。製品のバリは人の手で削り、表面が滑らかになるように加工する手間が生じるため、その分時間がかかります。だからバリが発生しないように、きっちりした良い金型を作ることで早く良い製品を作ることができるんです。

――そうなんですね! では、どんな面が大変ですか?

金型の良しあしでコストが左右されます。金型の加工精度をミクロン(1000分の1ミリ、1マイクロメートル)の単位まで上げると、バリ取りなどの後工程が不要となります。

タウンプランターWS

タウンプランターWS

――バリができなければ仕上げ時間の短縮になり、余分な素材も使わなくて済むわけですね。

はい。仕上工程の削除や成形時間の短縮、材料費の削減など、製造コストは大幅に抑えられます。まさに金型は製造原価を低減するための最大要素と考えています。そのような重責を担うため、初めて取り組む金型が思い通りに完成した時はとても嬉しいです。今年発売の新製品「タウンプランターWS」は横幅1mの大型の箱状園芸用プランターですが、その金型は縦2,100mm、横1,500mm、厚み1,400mmと過去最高の大きさです。ここまで大きな製品を、ダブルウォール(2つの金型で挟み壁を作る製法、中は空洞の空気層)で製作するのは初めてのことです。

――金型にはどれくらいの大きさのものがあるんですか?

人よりも大きな「大型ブロープランター」の金型

人よりも大きな「大型ブロープランター」の金型

200mmから2,100mmまでバラエティに富んでいます。どのような成型方法であれ、プラスチック製品の成形に金型は不可欠です。このためすべての商品に合わせて金型があるんです。現在、年間で新しく製作する金型は50~60型、これまでの製作金型はトータルで約3,500型にのぼります。同じ金型を利用して、色や柄が異なる製品も成形します。

――ということは、製品アイテムはその何倍もあるということですね。

そうです。

スペシャリストの育成で強い筋肉質の体制づくり

熟練の技術による手仕上げ

熟練の技術による手仕上げ

――社員の育成について、どのようにお考えですか?

設計、加工、仕上げなど金型づくりに関する技術は伝承していかなければならないと考えています。昔は職人気質の方が多く、「見て覚える」「技を盗め」と言われたものでした。けれど今の若い世代は環境が違うので、技術を数字にしてデータ化を進めているところです。どうしても手作業でやらなければならない部分はあるので、専門的な仕事に特化したスペシャリストの育成をしていかなければならないとも考えています。フライス、放電、ワイヤー等いろんな機械加工のマルチプレイ、図面を見て全工程を理解し、一人で金型を完成できる高い技量、難易度の高い金型の製作技術など、10年後を見据えて技能伝承を心がけ、人材育成しています。

若手社員に技術を伝承していく

若手社員に技術を伝承していく

――人材の育成において、資格支援などもされているんですか?

はい。各種技能検定を積極的に受けさせていて、初回は会社負担です。金型の仕上げや機械加工など、資格を取得すれば自信もつき、手当もつきます。スペシャリストを育成し、強い筋肉質の体制を作らなければと考えています。

――上市工場(金型部)の雰囲気はどんな感じですか?

金型の仕上げ作業

金型の仕上げ作業

35歳以下が6人、35歳~45歳が6人と、当社内では比較的若い世代が多いので、和気あいあいとした雰囲気です。

――これから一緒に働くとしたら、どんな人を求められますか?

問題に対してものを掘り下げて考えることができる人です。

――最後に、今後目指しておられることをお聞かせください。

上市工場の社員のみなさん

上市工場の社員のみなさん

「T1(テストトライ)一発OK」で納得した金型を納めること、つまり、1回のトライで手直しのない金型を目指しています。2回、3回とトライが増えれば金型の直しも増えます。商品の製造を効率的にするために、良い金型の製作は絶対条件なのです。

――わかりました。酒井さん、どうもありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

若手社員の声

北森太滋さん(29)

北森太滋さん(29)

金型の仕上げを担当する北森太滋(ふとし)さん(29)は、今年で入社9年目。酒井部長は、「北森くんは呑み込みが早く、どこに問題があるかを常に考え、具体的な対処ができる有能な社員です。金型設計を経験して構造を把握しているので、さらに技術を向上し、スペシャリストになってもらいたい」と期待を寄せています。
北森さんは「仕上げ歴は浅いけれど、一人前の仕上げ工になれるように毎日頑張っています」と話してくれました。

喫煙タイムが記された看板

喫煙タイムが記された看板

今回、上市工場の金型部にお邪魔して取材させていただきました。私の自宅にも、台所の水切りかごやベビー食器、浴室のバスチェアなどリッチェル製品がいくつもあるので、それらの製品の生まれ故郷を見た気持ちで嬉しかったです。
金型部は男性ばかりでしたが、企業全体では従業員の男女比が男性2:女性1とのこと。家庭用品やベビー用品などは主に女性が愛用することから「女性の感性を活かし、女性の視点でデザイン・商品開発や広告宣伝、消費者対応に取り組んでいる。男性が中心の企画・開発部門への女性管理職登用や女性営業職の採用など、女性の職域の拡大に取り組んでいる」として、平成27年度「女性が輝く元気企業とやま賞」を受賞され、「子育てサポート企業」の認定も受けています。
上市工場の外では、喫煙タイムを細かく記した看板を見かけました。いろんな企業に取材で行きますが、こういったものを見たのは初めてです。これも、働きやすい職場になっている要因なのではと思いました。

●DATA●(FAX番号以下のデータは、リッチェル全体に関するもの)

企業名 株式会社リッチェル 上市工場(金型部)
住所 上市町正印515
電話番号 076-472-4311
FAX番号 076-472-4456
設立年月日

創業 昭和31年11月1日

設立 昭和35年7月23日

代表取締役 蓮池浩ニ
事業内容 家庭用品、ペット用品、ベビー用品、ライフケア用品、園芸用品、
業務用品、環境エコ用品、エクステリア用品の企画製造販売
(上市工場は金型工場、新事業開発)
主力製品・商品 ペット用サークル、ペット用トイレ、ベビー食器、家庭用浴用品など
主な実績 2016年11月で創業60周年を迎える。
自社内で企画、設計、金型製作、製造、販売までを一貫して行う製販一体型企業。
家庭用品からスタートし、現在はベビー用品から介護用品まで、ユーザーの人生に寄り添う商品を提供。とくに犬用トイレは全国のトップシェア。
資本金 6億1,800万円
ホームページ www.richell.co.jp/
勤務時間 8:15~17:00
休日 日曜、祝日、夏季、年末年始および当社カレンダーに準ずる/年間110日
年次有給休暇、慶弔休暇、育児・介護休業
従業員数 378名(2016.03現在)
過去3年間の売上高 平成25年9,681百万円/平成26年9,579百万円/平成27年10,244百万円
過去3年間の採用実績 平成26年4人/平成27年6人/平成28年8人
福利厚生・情報 社会保険、従業員持株会、親睦会制度、退職年金制度、
子育て支援、社員旅行、クラブ活動、資格支援

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