上市町ではたらく

子どもとママに大人気のケーキとアイシングクッキー

オーダーケーキ・お菓子教室 chest of cakes(チェスト オブ ケイクス)加藤美起子さん

パティシエの経験を活かし、オーダーメイドのデコレーションケーキやドレスケーキ、アイシングクッキーなどを製造販売するお店を創業。自宅を改装して専用室を作り、ブログやインスタグラムといったSNSを活用して宣伝している。イベントに出店し、アイシングクッキーのワークショップを行うなど、小さい子どもを持つママから人気を集めている。自身も4歳と1歳の2人の子を育てているママ。

パティシエ 加藤美起子さん(34)

パティシエ 加藤美起子さん(34)

 
 

得意なケーキ作りで創業

加藤さんの作ったウエディングケーキ

加藤さんの作ったウエディングケーキ

――創業の経緯を教えてもらえますか?

 上市生まれの上市育ちです。上市高校卒業後は調理学校を出て県内の結婚式場に就職しました。そこでパティシエをすることになり、毎週末、ウエディングケーキを製作していたんです。元々細かいことが好きだったので、ほかの式場や紅茶店も含め、10年間パティシエとして働いていました。25歳で結婚してからも仕事を続けていましたが、パティシエは男性社会だったこともあり、家庭との両立が時間的に厳しく、1人目の子どもの妊娠中に退職しました。その頃、友達に頼まれてケーキを作ったのが今につながるきっかけですね。

コスメの形のアイシングクッキー

コスメの形のアイシングクッキー

――パティシエの経験を活かして、自分で販売を始められたんですね。

 はい。妊娠中から始め、子どもが1歳になってからは紅茶店に復帰し、働きながら個人注文のあったオーダーを受けるといった日々を1年半ぐらい過ごしました。2015年の8月、2人目の妊娠5カ月の時に再就職が難しいと考え、「それなら自分でやればいい」と、富山市藤木の教室へJSAアイシングクッキー協会の認定資格を取りに行ったんです。結婚後も住んでいる実家は部屋数が多く、余っていたため、改装してケーキ専用室を作りました。家族も賛成し、親も快く「使っていいよ」と言ってくれたので、保健所の許可を取ってオーダーケーキのお店を始めたんです。

自宅のケーキ専用室

自宅のケーキ専用室

――妊娠中に資格を取りに行って自宅で始められたなんて、アクティブですね。

 妊娠中は暇だったんです(笑)。資格取得も、「健康だし何かしたいな」と思っていたとき、ちょうどパティシエの友達から誘われて行きました。個人注文は妊娠9カ月まで受けていましたし、陣痛が来た日も、趣味のパン作りをしていたんです。さすがにその日は作るだけ作って自分は食べられず、家族に食べてもらいました(笑)。

――陣痛が来た日までですか! 作られるのが大好きなんですね。

子どもを持つママからの注文が100%

――宣伝はどうやってされているんですか?

 2016年12月から始めたインスタグラムが1番反響あってびっくりしています。それまでは、友達からや、友達の友達が注文してくれていました。ほかにも、アメブロやFacebookから注文があります。

マジパン細工のリボンの誕生日ケーキ

マジパン細工のリボンの誕生日ケーキ

――最初は口コミだったのが、SNSなどでお客さんが増えていったんですね。どんな方が注文されますか?

 100%、ママですね。未就学児から小学生の子のいる方。1番多いのは6歳の誕生日のケーキです。子どもの好みもはっきりしてきて、かわいいケーキに興味を持つ年頃なんだと思います。次に多いのは、100日祝い(お食い初め)や1歳の誕生日のケーキです。生後100日とか1歳の子どもは食べられませんが、写真映えするケーキなので、喜ばれます。今は上市町の方が多いですが、魚津市や砺波市から注文してくださる方もいます。

――どんなケーキが得意ですか?

 かわいいのが得意です。プリンセスのスカート部分はケーキ、その上にラミネート加工した紙製の上半身を飾るドレスケーキとか、人気がありますね。チョコプレートは女の子のキャラクターだと目が黒い丸で簡単なものがほとんどですが、男の子のキャラクターは線が多いので、描くのが難しいんです。

様々なアイシングクッキー

様々なアイシングクッキー

――インスタグラムの写真を見ると、どれもかわいいですね。注文したい場合は、どうすればいいですか?

 注文は、chest of cakes(チェストオブケイクス)のLINE@(ラインアット)で受け付けています。LINE@はプライベートのLINE(ライン)と分けられるので便利です。最初に電話で注文されても、イメージを画像で確認したいので、LINE@のご案内をします。受け取り時も、うちの場所が分かりにくいので道順をムービーで送っています。

――時代の最先端を行かれていますね。予約できるのはいつからいつまでですか?

デコレーションに使うアラザンとシュガーパーツ

デコレーションに使うアラザンとシュガーパーツ

 予約は受け取り日の1カ月前から受け付けています。ケーキは1日に作れる数に限りがあり、予約がいっぱいになれば受付終了となります。キャラクターケーキは「こんな感じで作って欲しい」というイメージ画像を送ってもらい、見積もりを出します。5号4,000円~5,000円で、細工の量が増えるほどお値段が上がります。アイシングクッキーは3週間前に連絡してもらえれば大丈夫です。こちらも難易度で一枚あたりの金額が変わってきます。イメージ画像を送ってもらい、合計金額2,000円~3,000円で注文をお受けしています。平日の10~19時に受け取りが可能です。

――大人気なので、すぐに注文しないといけないですね。

子どもから大人まで喜んでもらえるお菓子

――いつもどんな手順で作られるんですか?

 アイシングクッキーは生地作り、一晩寝かせて型抜きして焼成。そこからアイシングをして丸一日フードドライヤーで乾燥させ、1つ1つラッピングします。キャラクターケーキのケーキ本体にかかる時間は2日ですが、その上に載せるキャラクターやアイシングクッキーにその倍以上の時間がかかります。

――たくさんの手間がかかっているんですね。

 はい、製作のほかにも、在庫管理や経理、SNSでの発信などやることは色々あるので、月に30個以上の注文が入るといっぱいいっぱいになります。

――お1人でされていますもんね。そのほか、家事や育児もありますし。

 そうですね。子どもがまだ小さいので、育児との両立が1番大変です。ただ、自宅でやっているので、仕事の時間を決めるなどのメリハリをつけています。

――では、ほかにはどんなことに気を付けておられますか?

 やっぱり、食べ物を扱うので、衛生面には特に気を付けています。あとは、子どもに食べてほしいので、香料をはじめ、キルシュやブランデーなどのお酒は一切使わないことです。

――そうなんですね。どんなことがやりがいになりますか?

 お客さんの反応があると嬉しいですね。ケーキと一緒に撮った写真を送って来てもらえることも多く、そういうのを見ると時間がかかっても頑張ろうと思えます。FacebookにUPしてもらえるなど、SNSがあるのでお客さんとの距離はすごく近く感じます。

FMとやまでのイベントのワークショップの様子

FMとやまでのイベントのワークショップの様子

――素敵ですね。ワークショップなどもされているんですよね。

 6月に上市町の保健健康センターでもワークショップをさせてもらったのですが、定員20人中、大人が4人、子どもが16人でした。この後、8月27日には立山町上東地域活性化センターで開かれるイベントの中で、ワークショップを行う予定です。今後は自宅教室も開いていきたいと考えています。

――それは楽しみですね! 加藤さん、今日はどうもありがとうございました。

 こちらこそありがとうございました。


インスタグラムのアイコン

インスタグラムのアイコン

加藤さんの作るケーキやアイシングクッキーはどれもとてもかわいく、子どもにもママにも喜ばれているのがよくわかります。誕生日など特別な場面に花を添えてくれること、間違いなしですね。

SNSを活用してお客さんを増やしていくという、今の時代に合った宣伝方法が自然な形でできているのがすごいなぁと思いました。得意なことで起業し、無理のないペースで続けていくのは、特に女性に合った方法なのだと思います。

ワークショップでは、お子さんでも楽しくアイシングに挑戦できていたので、親子で参加するのも楽しそうですね。ケーキの予約は早い段階でいっぱいになることも多いそうなので、1カ月前にすぐオーダーするのがオススメですよ。

●DATA●

店名 オーダーケーキ・お菓子教室 chest of cakes(チェスト オブ ケイクス)
住所 上市町 陽南小学校地区(予約完了の方に限り詳細をお知らせします。)
ケーキの受け渡し時間 平日10:00~19:00
定休日 土・日曜、祝日
駐車場 あり
ブログ https://ameblo.jp/nofue/
インスタグラム https://www.instagram.com/chestofcakes/?hl=ja
パティシエ 代表 加藤美紀子
オープン 2015年
設備・情報 ケーキ専用室、お菓子教室専用室あり

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