上市町ではたらく

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安心と元気をすべての人に!

松井エネルギーモータース株式会社

上市町消防本部のそば(稗田)と森尻に店舗のあるガソリンスタンド。明るく元気な挨拶で、お客さんはもちろん、前の道を通る人の心までをポッと明るくする。フルサービスで接客には定評があり、特に見送りが印象的だ。人の役に立つことで地域に貢献し、社会を良くすることで、社員の人間的成長も見据えている。お食事処 さ和美の池田さんからの紹介。
(※インタビューは2014年4月4日に行いました。)

 

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松井健彰さん(46)

代表取締役 松井健彰さん(46)

 

生かされた命で人の役に立てることを

深々とした「大きい挨拶」で見送り

深々とした「大きい挨拶」で見送り

――会社の創業時のお話を聞かせていただけますか。
 うちの祖父が創業で初代会長、いまの会長である父が2代目、私が3代目なんですね。祖父は戦争に行きまして、…ここにきていきなり何で戦争の話かと思われるかもしれないですが(笑)。
――(笑)。
 戦争で日本は負け、祖父は最後に特攻隊のように玉砕を覚悟で草むらに隠れて爆弾を抱え、相手の戦車に走って行って自爆するという「沖縄決戦切り込み隊」というのに任命されました。それで爆弾を持って走って行ったときに銃弾を7発ぐらい受けて、倒れてしまったんです。戦車まで行っていれば爆発して亡くなっていたんですが、銃弾を受けたおかげで倒れて、命も助かって終戦を迎えて帰ってきました。目も撃たれていたため、その後は片目になりました。戦後、敗戦の状態なのであまり仕事もなく、上市のアルプス農協で働かせてもらってたそうなんです。でも自分のやりたい仕事に就けず、目も片方見えない状態で都合が悪かったので、17年間倉庫番をしていたんですよ。その時の話は僕も小さい頃からよく聞かされたんですけど、冬の寒い中もストーブ1つで、納品に来られるいろんな業者さんの品物を見てハンコを押す作業をしていました。本当はもっといろんな仕事をしたかったんですができなくて、そういう風に働いてたんです。だけど自分は戦争で命を助けられたから、もっと何か人の役に立ちたいなという思いがあって…。稗田の近所の人のためにお役に立てる日用雑貨店、「これ無いけ?」って言われるものを町まで買いに行かなくても済むように、祖父の名前で松井金一商店っていうのを玄関先で始めたんです。軍手や長靴、鎌、乾電池、靴など、地域の方が求めるものを「大丈夫だよ。ありますよ」と言えるような商売を始めた。本人は商売って思ってたかどうかはわかりませんが。普通、そういう商売ってなかなかできないんです。ただ、祖父にはそれができた。何でかと言うと、祖父は17年間ずっと倉庫番をしていて、業者さんとのパイプという強みがあった。農協さんは今でもですが、お米や農産物だけでなく、スーツ、仏壇、車、ガソリンとかいろんなものを売ってるんです。祖父はそういう仕入れ業者さんとのパイプを生かして、地域の方のお役に立てることをやってた。

作業風景

作業風景

――すごい。17年間の経験を活かされたんですね。
 はい。その中で燃料屋さんとも取り引きがあったから「コタツの豆炭もあるけ」と言われて「あるよ、あるよ」と言えた。そうしている間に、台所はかまどからガスコンロに変わっていって、プロパンガスも扱い始めたんです。1965年を過ぎた頃からは各家庭にお風呂が付き始め…、僕は1967年生まれなんですけど、生まれたころお風呂はなく、幼稚園ぐらいの時にできました。そしたら「松井さんとこ、灯油の配達ちゃしてもらえるがけ」って言われて「できますよ」と灯油も始めた。豆炭、LPガス、灯油と扱ってきて、今度は車社会になってきたんです。その頃うちの父がトヨタで車の整備士をやってたんで、村にも車が急激に増えたから1970年にガソリンスタンドをやり始めたと。で、そのうち「松井さんとこ、修理もしてもらえんけ」ということになって1978年に整備工場も始め、いまに至っています。とにかく地域の人に求められたことに関しては「何でもできますよ、お役に立ちますよ」とやってきたという創業精神があって、それを今も受け継いでます。

福祉車両の導入

車いすを乗せられる福祉車両

車いすを乗せられる福祉車両

――福祉の車両もあるんですよね。
 はい。例えばいまは福祉の方、上市は何年後かには3人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上という高齢者の比率が高くなる中で、車屋として松井エネルギーモータースはどういう風に関わっていけるか考えています。福祉施設とのお取り引きもあるんですけど、車いすを乗せる福祉車両の車検のときって代車がないとすごい困られます。うちはその修理もしとんがですけど、毎日朝おじいちゃんおばあちゃんを迎えに行って10時ごろ戻られ、15時ごろ送りに行かれる、その間の時間で修理せんといかんがです。だから施設の方に「早く迎えに行かんならん」とか「車がもし帰ってこんかったら大変だ」とかご心配をおかけするより、「これ代車がありゃいいがにね」という話になって。代車用の福祉車両を用意して、車検の時や急に壊れたときに対応してます。車の数も多くないですからちゃんと稼働するかどうか不安はあるけど、やっぱり創業の精神に戻って「松井さんとこ何かないがけ」と言われる声に応えてきたことで50年近く商売をさせていただいとんがで、それは絶対にやらんならんと。そのほか、福祉車両のタイヤ交換時に無料で車いすの点検もします。グリップは緩んでいないか、タイヤの空気は入っているかなど、大事なことですからね。
――なるほど。それは福祉施設の方もありがたいですね。
 たまに、本業とは違うようなことも言われます。例えば「利用しとられるおばあちゃんが米寿を迎えるから、施設でお祝いして紅白の幕の前で写真を撮ってあげたら喜ばれるがだけど、松井さんとこに紅白の幕ちゃ無いけ」と。一般的に車屋に、あまり紅白幕は無いんですが…。でも「わかりました」と言います。相談していただけることがありがたいから、絶対に「ありません」とは言いません。困った時に一番最初に浮かぶ顔であるということですね。そういう風にしてうちの祖父はみなさんに支えられてやってきたので。知り合いで力を貸していただける方はいないかと考えて、思い浮かんだのが、立山町にある大道芸の会社のオープンテックさん。社長の田辺さんも地域の方を元気にしたい、笑顔にしたいという強い思いがあるんで。知り合いなので、お願いして貸してもらい、施設で写真撮って喜んでもらえた。基本的には企業活動ですから当然利益のことは考えなきゃならないんですけど、お金っていうのは手段であって最終目的ではない。それで何をするかというのが目的で、地域をどんどん良くしていきたい、どういうことが求められているのかを考える、そういうことを通して成長していきたいっていう思いがあります。

目指せあいさつ日本一!

社員と一緒に考えて作られた、以前の企業理念

社員と一緒に考えて作られた、以前の企業理念

――先ほどのお話ともつながると思うんですが、経営理念を教えていただけますか。
 3つあって、1つは「私たちは、地域のカーライフとエネルギーライフの未来を創造し、使命感をもって、安心を元気とともに提供します。」使命感っていうのは、ガソリン車が地域で最後の1台になってもやりましょうということです。仕事というのは人の役に立つこと。役に立つことで利益が出る、その仕組みをしっかり作ることが大切です。ガソリンスタンドは普通の会社と違って、仕事姿を見てもらえる仕事です。働くさまや生き様が見えるんです。だから元気に楽しく働くことで、地域の人の心を明るくする。「おはようございます!」と明るく笑顔で挨拶された人が、今度はその人の職場で元気に挨拶すれば職場も明るくなる。家へ帰った時にいい気分で家事などができる。そういう人が1人でも2人でも増えていけば、きっと明るく楽しい素敵な地域になると思っています。それが、僕たちにこそ求められる社会貢献であると信じています。

現在の経営理念

2017年12月現在の経営理念

――明るい挨拶が連鎖するんですね。
 僕たちは社内で、挨拶に「小さい挨拶」と「大きい挨拶」という名前を付けています。「小さい挨拶」は、笑顔で「こんにちは」と言うことで、心の中がポッとあったまります。挨拶は相手の心の扉を開くものと考えています。挨拶を通して、相手の方の心の扉を開き、心の中をあたためてあげたいと願っています。お客さんだけじゃなくて、ある時からお店の前を毎日自転車で通る人にも挨拶してみたら、笑顔で返してもらえるようになりました。一歩踏み出す勇気が、お互いの気持ちを近づけてるんです。「大きい挨拶」は、高校の野球部のように深々とお辞儀をしています。これは、お客様に感謝を表すと同時に、礼儀正しく生きる、規律を守るという、世界からも称賛される日本人が本来持っている良さを地域に発信したいと思い、かれこれ18年間続けています。私たちは、誰しもの心の扉を開くことができる「あいさつ日本一」を目指しています。

――お見送りのときにされてるのが「大きい挨拶」ですね。では、2つ目の理念は?
 2つ目は、「私たちは、ともに働く仲間を応援し、子ども達が参加したくなる職場、社会を築きます。」子どもたちが「仕事って楽しいんだな」と思えるよう、まず自分たちが楽しみます。社員が「ここで働いて良かった、子どもも働かせたい」と思ってもらえるようにしたい。自分の仕事に誇りを持つことでいい仕事もでき、子どもから尊敬されるんです。3つ目は、「私たちは、出会いに感謝、ふれあいを大切にし、すべての人を思いやれる人となります。」この3つの理念は私が社長になった時に社員みんなで作ったものなんです。みんなで「幸せのために人間的成長をしよう」と考えました。

社員の成長が1番の喜び

社員旅行での一枚

社員旅行での一枚

――経営されていて、大変なのはどんなことですか?
 社員さんを活かすことですね。社員さんが自分で考えて行動し、楽しめるようにしたいです。僕がやるのではなく、僕の存在を消し、現場から引くことで社員に任せる。それによってもし完成度が低くなったとしても、本人が自分で気付いて次回に生かすようにしたいです。多少の失敗は成長につながります。三歩進んで二歩下がるという感じですね。ただ、会社としての品質・サービス低下にならないよう、社員を成長させるための関わりは続けていきますよ。2013年の富山県自動車整備技能競技大会で準優勝するなど、頑張ってくれています。
――自分がやった方が簡単だし早いけど、あえて社員さんに任せるということですね。経営者の方ってそういう風に考えておられるんですね!
 そうですね。やっぱり、社員が育って成長が見られた時が1番嬉しいです。2014年、18歳の新卒を2人採用しました。一進一退を繰り返し、翌年また2人後輩が入ったことで、彼らは一段とたくましくなりました。人を教えることで人が育つのです。そのうち、必ずや会社を背負って立つようなリーダーになってくれると信じています。

平成25年の富山県自動車整備技能競技大会で準優勝

2013年の富山県自動車整備技能競技大会で準優勝

――いまは新卒を採用されてるんですね。どんな人を求めておられるんですか?
 ここに来て、自分を出せる人になってもらいたい。いろんなタイプの人がいていいんです。うちの理念を読んで賛同してもらえる人であれば。どんな人でも、人を思いやれるようになりたいという気持ちが大切ですね。
――ところで半年に一度、お客様感謝デーがあるんですよね。夏には釣り好きな社員さんが釣ってきたイカを焼いて振る舞われたとか。
 そうなんです。エコカーやメッセージカー、福祉車両の展示のほか、エコカーグランプリやイケメン社員が作る焼きそば、クイズコーナーなどもありました。コンセプトは、「僕らを知ってもらおう」です。
――「僕らを知ってもらおう」! なるほど、だからHPにもブログやスタッフ紹介のページがあるんですね。

今後の展望

――今後、挑戦されたいのはどんなことですか?
 福祉介護の方に携わり、協力者になりたいです。関わり、お話を聞いていく中で、福祉車両の代車プラスできることを見つけていきたい。いろんな方とコラボすることも増えてきました。そういったことを体験する中で、社員が人の役に立っていることを実感し、成長していってくれると思っています。
――わかりました。松井さん、貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございました。
 こちらこそ、ありがとうございました。

若手社員からの声

毛利友也さん(18)

毛利友也さん(18)

本社である稗田の上市東ガソリンスタンドには、やる気と元気のあふれた若手社員がいます。
2014年4月に入社した毛利友也さん(18)は、「早く仕事に慣れるのが目標です。先輩の山本さんのように、しっかりと接客もできるようになりたい」と話します。

とにかく熱い情熱が感じられる松井さんのインタビューでした。戦争のお話から始まったのにはびっくりしましたが(笑)、おじいさんが自分のやりたい仕事じゃないからと言って投げ出さず、経験を活かして地域の人のために創業されたというのが素晴らしいことだと思います。その思いを、松井さんが今も大切に受け継がれていることがよく分かりました。お店の前を通ったことがある人なら誰でも目にしたことがあると思いますが、社員さんは、本当に長く丁寧なお辞儀で車を見送られます。そういったおもてなしを受けた人の心に温かい光を灯し、円満な人間関係を築くお手伝いをすることで社会をよくするために貢献する、という流れが見えてきて、なんだか私まで嬉しくなりました。「人を育てることで自分も成長する」若手社員の方は、早くも松井社長の視点が身についてきているようで、すごいな~と思いました。ちなみに、松井社長と仲の良い株式会社 内山精工の内山社長が、「松井さんとこは『社員はみんなミュージカルスター。お客様に笑顔と元気を届けるんだ』って言って頑張ってるからね」と話してくれましたよ。

●DATA●

企業名 松井エネルギーモータース株式会社
住所

本社ガソリンスタンド 上市町稗田2-5
森尻ガソリンスタンド 上市町森尻79-3

電話番号 076-472-2751
FAX番号 076-472-0976
ホームページ http://www.mem.co.jp/
Facebookページ なし
E-mail mem1101@arrow.ocn.ne.jp
営業時間
・定休日
本社ガソリンスタンド 
  営業時間 月~土曜日 8:00~11:00、15:00~19:00
     (11:00~15:00は配達対応み。自動車給油不可)
  定休日  毎週日曜日&祝日
森尻ガソリンスタンド
  営業時間 月・火・木・金・土曜日 8:00~19:00
       毎週日曜日&祝日 8:00~12:00(午前のみ)
  定休日  毎週水曜日
メンテナンスファクトリー(自動車整備工場)
  営業時間(整備受付) 月~土曜日 9:00~17:30
  定休日  毎週日曜日&祝日
設立年月日 1962年(昭和37年) 松井金一商店として創業
1996年(平成8年) 松井エネルギーモータース株式会社設立
代表取締役 松井 健彰(まついけんしょう)
事業内容 ガソリンスタンド(上市東店・森尻店)
  自動車燃料(ガソリン・軽油)販売、配達
  灯油販売、配達
  その他石油製品(機械作業油・グリスなど)
  自動車部品・用品販売
  各種洗車、室内清掃、ワックスコーティング
  プロパンガス取次店
自動車整備民間車検工場
  自動車整備(車検・定期点検・故障診断・修理・板金塗装)
  リース車輌メンテナンスサポート
  自動車損害保険代理店
  コンバートEV事業
車両販売店ジョイカル(滑川店、立山インター店)
福祉車両の販売・整備・レンタカー
主力製品・商品 ガソリン、軽油、灯油、その他石油製品、自動車部品・用品、新車・中古車
主な実績 国家資格 自動車検査員 2名
国家資格 2級自動車整備士 4名
国家資格 3級自動車整備士 2名
日整振  スーパーアドバイザー 3名
損保商品専門資格(自動車) 4名
第4類危険物取扱者(乙種) 8名
第4類危険物取扱者(丙種) 3名
YTCタイヤマスター 4名
YTCタイヤコンサルタント 4名   (※延べ人数)
会社・製品の強み 社員の思いやりのある人柄、チームワーク、楽しむことを大切にする社風。
上市町との関わり・創業の決め手 戦争を生き延びた初代が日用雑貨店を創業。地域、人に必要とされることに応えることで成長してきました。
学生へのメッセージ・アピール 最高の笑顔を創造することが私たちの価値であり仕事です。ともに働きませんか?
資本金 1,000万円
勤務時間 7:00~20:00(の中の8時間)
休日 不定、その他有給休暇など
従業員数 22人(男性15人、女性7人)
過去3年間の売上高 2011年 3億9千万円/2012年 4億2千万円/2013年 4億4千万円
採用実績 2012年度 1人
2013年度 2人
2014年度 新卒2人
2015年度 新卒1人 中途採用1人
2016年度 新卒1人 中途採用1人
2017年度 新卒0人 中途採用3人
福利厚生 / 従業員特典 保険(健康、雇用)、厚生年金、資格取得支援(全額補助)、
子育て支援(行事ごとに休暇あり)、社員旅行(新年会は1泊2日)、
クラブ活動(友達クラブ)

●インターンシップ情報●

概要 元気に楽しく働くことで、地域の人の心を明るくします。インターンシップを通して、この仕事が世の中にある意味、仕事の持つ意義、自動車整備の人がどんな気持ちで働いているかを知ってもらいたいです。最終的には1人で1つの作業に挑戦。自発的に自分の適性に気付くことができます。
対象 高校生・大学生(学年問わず)
時期 夏休み(毎年)
日数 5日間(2~3日も可能)
実習内容 自動車整備の業務体験(ブレーキ・タイヤ交換、オイル交換等)
実習場所 上市町稗田2-5
同時受入人数 2人
情報・申し込み方法 直接電話でお申し込みください。
松井エネルギーモータース株式会社 代表取締役 松井健彰さん

松井エネルギーモータース株式会社
代表取締役 松井健彰さん

 

 

 

 

社員にとっても、良い刺激になります。自動車整備や松井エネルギーモータースに興味のある方、ぜひお申し込みください。

 

 

 

 

 

 


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