移住者の声
[`evernote` not found]

~地域性を出したアイデアで起業のチャンス~ 千葉から結婚で富山へ

戸村直史さん

千葉県富津市(ふっつし)出身の戸村直史さん(41)。関東の大学に在学中、上市町出身の奥様と出会い、遠距離恋愛の末、29歳で結婚、富山へ。奥様の実家の家業である「有限会社おかもと」に就職し、上市町商工会青年部にも所属。交友関係を広げ、平成26年度は青年部部長も務めた。平成27年6月、犬用グッズやネットワークカメラ、自然素材の日用品雑貨を販売するお店「プラスワン」をカミールの1階にオープン(平成28年9月に移転、平成28年12月現在休業中)。「有限会社おかもと」と「プラスワン」の両方で活躍している。

戸村さん

 
 

河原で投げた石が運んだ人脈

――富山に来られたきっかけを教えてください。
横浜の大学に通っていた頃、上市町出身の嫁と知り合いました。嫁は東京で就職しましたが、家業を手伝うためにUターン。僕が26歳の時、勤務していた会社の経営が傾き、東京の企業への転職を決意して「着かず離れず」で遠距離恋愛を続けていました。やがて結婚の話も進み、嫁の実家の近くに移り住むことを見据えて石川県金沢市の北陸支社に配属希望を出しましたが願い叶わず、義父の勧めもあって会社を辞職。結婚して「有限会社おかもと」に入ることになりました。遠距離恋愛も含めて9年の交際期間を経て、上市町に来たんです。
――奥様とご結婚するために上市町へ! 情熱的ですね。
半分意地です。実家とはほぼ勘当状態。義父の会社に入ったもののスキルは無いし、いまでの「デスクワーク」から変わって「現場」。最初は会社の同僚ともそんなに付き合いが無かったです。当時はスキルを上げることが上市で生き残れる道だと思っていました。
――今は違うんですか?
今はほかの人達と同じことをやっててもダメだと思っています。誰も追いつけんところまで突っ走ってしまおうと。そのきっかけとなったのは、移住当時、現場の休憩時間中に近くの河原で何気なく石を投げたことでした。僕は高校まで野球を続けていたのですが、たまたまその現場で一緒になった取引先の方より、自身の所属している野球チームに入らないかと誘われたんです。そこで「有限会社 たかはし新聞店」の高橋晋介さんや「栄伸工業」の土井昌志さんたちと出会うことになり、彼らと交際を深めていくことで、上市の居心地の良さを感じるようになったのです。

小さいコミュニティだからできること

――上市町商工会青年部に入られたのはその後ですか?
そうですね。こっちに来て2年くらい経った32歳の頃です。今では青年部で勉強させてもらい、青年部長も経験させてもらったことを活かしていきたいと思っています。上市の良さは、コンパクトなこと。「やってみようぜ」って言うと何かできる町。小さいコミュニティだからこそいろんな人と気軽に接することができる。人付き合いが深くなり、ネットワークが密になるという反面、外から来た人間は最初はとても警戒されます。僕も「旅のもん」と言われました。今でもそうだけど(笑)。上市の人達はいい意味でも悪い意味でも真面目なので、突拍子もないことよりもむしろみんなで足並みそろえていこうというところが大きいですね。青年部長をやっていた時もそういうのはありましたが、僕は「自分がどう言われても我を通してやりたいことをやる」と思いたいし、そう思えるようにもなりました。
――東京の企業から富山の企業に転職されたことでの変化は?
東京では当時それなりの給料はもらっていましたが、裕福だと思ったことはありません。今は、小さくても一軒家を建てられて車も持っている。嫁のおかげもあってある程度の貯蓄もできています。裕福ではないけれど、心のゆとり、余裕ができています。格差はあまり感じていません。都会にいたら同じ生活はできなかったのでそれは良かったかなと思います。お店を出すのに貯金だいぶ使っちゃいましたけど。
――地方で働くことについてどう思われますか?
地方で働く方が可能性があると思います。都会で飽和しているものと同じでも、その地域性を活かすことで、大きなビジネスチャンスにつながるんです。今、上市に訪れるお客様は企業の商談や打ち合わせなどのビジネス利用がメインであると思います。北陸新幹線の開業効果もあって、今まで空港からレンタカーを利用していた方も、富山から地方鉄道に乗ってくるといったように、宿泊から日帰りへ、アクセスの流れ、アプローチの仕方も変化してきています。平成27年は、月9のドラマ「恋仲」の撮影が上市町で行われましたが、今後は映画の撮影等にも需要はあると思います。ロケ地に人は集まりますから。

何気ないところにある素晴らしさ

――好きな上市グルメは何ですか?
特に好きとかいうグルメは思いつきませんか、上市は水が美味い。まだ結婚する前に、水道水が氷水かと思うくらい冷たく、とても美味いと思いました。お気に入りのお店は何軒かあります。料理はもちろんですが、マスターやお母さんなど、人に会いに行く感じです。
――好きなスポットはどこですか?
上市のいいところは、何気ないところに本当に素晴らしいものがあること。いろんな人が、白竜橋から見る剱岳とか眼目(さっか)の寺の栂並木とかを素晴らしいと言いますが、名所そのものよりもそれを引き立てている花の1つとかそういうものが素晴らしいと僕は思います。登山も好きです。中山には周りに綺麗なお花畑があったり、沢で丸太の橋を渡れたり、トータルのシチュエーションがいいですね。また、ぜひオススメしたいのは、ハゲ山の山頂です。片道30~40分で手軽に登れるハイキングコースで、富山平野を一望できる素晴らしいスポットです。馬場島も好きです。ですがどこも遠く、車じゃなければ無理。車がない生活は上市には考えられないですね。

プラスワンの店内

プラスワンの店内

――平成27年6月に、ご自分のお店をオープンされましたよね。
はい。犬好きが高じて、カミールの1階に「プラスワン」をオープンしました。犬用アイテムや安心安全な自然派洗剤などを販売し、ペット同伴でお買い物ができるよう店内に安全柵も設けています。外出中、お留守番のワンちゃんのモニタリングをしたいという人向けに、スマホで確認できるネットワークカメラも取り扱っており、企業や保育所などの施設や、高齢者の一人暮らしとかにも活用できないか思案中です。

ワンちゃんの冬服も販売

ワンちゃんの冬服も販売

――今後、やりたいことは何ですか?
今後は県外から来られる犬連れのお客さんのための、ワンちゃんに優しい観光マップを作りたいと思っています。上市町の地域性を活かしたイベントなども企画したいと考えています。
――いいですね! では、望むことは何ですか?
若者たちの上市離れを心配しています。また「出る杭は打たれる」といった言葉もありますが、それによって若者の意欲も下がり、町外、県外へとチャンスを求めて離れていってしまう。そういった風習は無くしていくべきだし、私たちもそうですが、20~30代の若者からもっと積極的になってくれたらいいなと思います。
――そうですね。戸村さん、今日はどうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!

上市町商工会青年部の部長も務めた戸村さん。冊子「はたらく企業コネクションin上市」vol.2では巻頭コメントもいただいています。「ほかの人達と同じことをやっててもダメ。誰も追いつけんところまで突っ走ってしまおう」「都会で飽和しているものと同じでも、その地域性を活かすことで、大きなビジネスチャンスにつながる」という言葉に、力強さを感じました。
「地域づくりは人づくり」と言われるように、戸村さんのように地域のことを考え、自分で動きながら後輩に期待し育てるということが大切なのだと思います。それによって様々な視点を持つ人たちのネットワークができ、みんなで協力して地域を活性化していくという流れができる…。上市町で活躍する方々の話を聴くと、実現がすぐそばに近付いてくるようでワクワクします!

 

[`evernote` not found]

Comments

comments