移住者の声

~ワークライフバランスで満足度アップ~
Jターンで富山へ

坂本龍生さん

愛媛県松山市で育った坂本龍生(りゅうせい)さん(38)。高校時代に父の仕事の都合で山形県へ移住し、東京大学への進学で上京。化学を専攻した。そのまま東京で就職、ネットワーク事業の開発などに携わった。その後、舞台制作の会社へ転職、全国各地を巡る生活を送る。平成26年7月に富山県滑川市の会社に転職し、上市町に移住。アロマセレクトの事業担当として、樹木からエッセンシャルオイルの抽出を行っている。本籍は父の実家のある富山県氷見市にある。

坂本さん

 
 

異業種からの転職

――富山県にはご両親の実家があるんですか?
はい。父が氷見市、母が滑川市の出身なので、生まれた病院は富山県です。でも0歳のときから父親の職場のある愛媛で育ったので、故郷は愛媛県と言えます。高校時代に父親の転勤で山形県山形市へ引越し、大学進学で東京へ行きました。卒業後は日立系の会社に就職し、ネットワーク事業の開発などに携わりました。その後、学生時代から好きだった舞台の仕事に関わりたいと思い、29歳で舞台制作兼俳優事務所の会社へ転職したんです。テレビにも出ている俳優さんのマネージャーとして、全国各地を巡る生活を送っていました。
――富山県に来られたのはなぜですか?
33歳の時に結婚してからも全国を飛び回る忙しい毎日を送っていたのですが、次第に「もっと家庭を大事にしたい」と思うようになったんです。歳をとってから田舎に行くのではなく、40代半ばくらいで田舎に行こうと思っていました。ところがちょうど舞台の仕事を辞めた時、富山県で起業した従兄弟に仕事を紹介され、平成26年の7月に上市町へ移住することになったんです。学生時代の化学の知識を活かし、アロマ事業の中で精油を樹木から抽出する仕事を始めました。4月にできたばかりの白萩西部町営住宅を役場の方から紹介してもらい、入居しました。東京にもいましたが、育ちが田舎なので富山に来ることに不安はなかったですね。

満足度の高さはワークライフバランス

――上市町の印象はどうですか?
優しい人が多い。子どもを連れているとすぐに話しかけてくれます。マックスバリュでは、私が家の鍵を落として探していた時に駐車場でたむろしていた若者5~6人が一緒に探してくれました。家の周辺には広い駐車場や竹やぶなど遊べる場所が多く、いつの間にか子どもが近所の子と仲良く遊んでいました。大人が車などに気を付ければいいので、子どもにはのびのびと遊んでほしいです。スーパーには地元産の食材がいっぱいで、刺身も安くて美味しいです。よく野菜やタケノコなどの山菜をもらうこともあり、それがとても美味しい。本当に美味しいものは市場には出回らないんじゃないかとさえ思います。カミールにはスーパーに地元の食材が多く、全国の食材も色々置いてあります。2階には子どもが遊べる広場もあります。「上市町こどもの城」は子ども同士も遊べていいところですね。都会だと夜も明るいですが、上市町は夜にちゃんと早く暗くなるのもいいですね。自然に則している生活を送れます。明け方の剱岳や夕焼けが綺麗ですね。鳥がよく飛んでいて、田んぼにたたずんでいる様子もいいですね。私は人混みが嫌いなので、来たばかりの頃は道路も電車内も空いているのがいいと思いました。慣れると車が4台信号待ちしているだけで混んでいると思うようになりました。

白萩西部町営住宅

白萩西部町営住宅

――町営住宅の住み心地はいかがですか?
夏は涼しくて冬が温かいので、光熱費が安いです。雪国ですが、我が家では石油ストーブも不要なくらいです。オール電化なのでかかるのは電気代だけ。それが多くても1万円強くらい、1番安い時で5千円くらいですね。家賃は給料に応じて変わりますが、メゾネットタイプが29,500円からです。東京ではワンルームでも6~7万円かかるので、固定費が下がり、車のガソリン代を含めても余裕が出てきています。地元のケーブルテレビNet3(ネットスリー)も最初から見られるよう設定してあるので、「地域のことがわかって結構いいな」と思っています。

――それは快適ですね。しかも安い!

そうなんですよ。アルプスの湯など温泉が近くにあるのもいいですね。妻がよく行っています。ゆのみこ温泉には東京時代に旅行で行ったことがあり、すごく良かったです。電車の趣もいいですね。3歳の息子が電車好きなんですが、東京の東急線から払い下げられた車両があるので親近感があり、夜によく見に行っています。子どもが気に入っているのは新相ノ木駅の踏切です。20~30分に1本しか来ないので待つのは大変ですが(笑)。本数が少なくても、ちゃんと時間に間に合うように行動するようになるのでいいんじゃないですか。東京は2~3分に1本来るから時間感覚がマヒしてました。富山に住んでからは、より満足度の高い生活が送れています。保育園や子育て支援センターも充実しているし、暮らしやすい県のランキングでは常に上位にありますよね。
――満足度が高い理由は何ですか?
ワークライフバランスが確実にとれていることです。子どもと触れ合う時間も増えました。以前は子どもが寝てから帰る日が続くこともありましたが、今は保育園に迎えに行き、園庭で30分以上遊んでから帰っています。働いている中身はそれほど変わらないのですが、通勤時間がかなり減りました。東京だと1時間はかかるのが標準で労働時間も長かったのが、今は通勤時間が15分くらいですね。

ビジネスの種と生活力

――地方で働くことについてどう思われますか?

給料は地域間格差と言うより、東京に大企業が多いことによる業種間格差があると思います。主観ですが、中小企業で見れば変わらないんじゃないですかね。北陸新幹線で東京とも近くなりましたし、地元の資源でビジネスにつながっていないものがたくさんあるので、起業やビジネスのチャンスは多いと思います。ビジネスに結び付けることがいいとは限りませんが。ただ、駅前に東京のような建物ができるのは違うと思います。どこか無理しているように感じるんです。富山には富山のいい面があり、そこを伸ばせば自然と結果がついてくると思います。人間関係上の付き合いがそのまま仕事につながる傾向は田舎の方が強いですね。いい面は裏返すとデメリットにもなりうるわけで、自分たち指標だけでは県外から来る人には通用しない部分もあるのですが、その分、お客さんには寛容でいてほしいと思います。

――これから上市町での移住を考えている方へ、一言お願いします。

多分、車はなくても生活はできるんです。でも便利に暮らしたいなら必要で、車を持つなら冬用のスタッドレスタイヤも必要です。お刺身は確実に美味しいので食べた方がいいですね。3歳児検診の様子を親子ともども撮影していただいたように、結構マメにケーブルテレビに映れます。私は都会で暮らしている時は頭でっかちになっていて、考えたことを行動できなかったですが、富山へ来て生活力がついたように思います。仕事柄、山に木を伐りに行く経験もしました。電気が止まっても生活できそうです。都会では「自然に接しよう」とわざわざプランを組んでやっていることが、ここでは生活に溶け込んでいることも魅力の1つだと思います。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!

「ワークライフバランス」、確かに富山県では仕事以上に自分の家庭を大事にし、心豊かな生活を送っている人が多いように思います。しかも、保育園の送り迎えもしている坂本さんは確実に「イクメン」ですね。

坂本さんの上市町のもう1つの印象は、「美人が多い」。舞台の仕事で全国を回った中で、福井県、長野県、山形県に美人が多いという印象だったそう。そこに、上市町も仲間入りしたそうですよ(笑)。気になる方は、ぜひ上市町に来て確認してみてくださいね。


Comments

comments