移住者の声

~温かく見守る富山の雰囲気が心の余裕に~東京から富山へ

富山健康科学専門学校 教諭 内山絵美さん

富山健康科学専門学校の姉妹校である東京健康科学専門学校から、平成28年の春に異動で富山へ赴任した内山絵美さん。栄養学の教諭で、1年生の担任もしている。学校内の教諭の中で学生との年齢が最も近いことを活かし、学生の理解とサポートを心がけている。「富山の温かく見守る雰囲気の影響で、学生を長い目で見守る心の余裕が生まれました」と話す。

内山 絵美さん(26)

内山 絵美さん(26)

 
 

学生の人生の転機を一緒に迎えられたら

栄養学の授業を行う内山さん

栄養学の授業を行う内山さん

――東京校から異動されたと伺いましたが、富山校へ来られた経緯を教えてもらえますか。

茨城県出身で、千葉県の順天堂大学でスポーツ科学を専攻して教員免許を取りました。その後、健康科学学園の東京校(東京健康科学専門学校)へ入学して2年間通い、栄養士の免許を取得してからそのまま東京校へ就職しました。3年目の平成28年4月から、富山校に来ています。

――富山健康科学専門学校の特長を教えてもらえますか。

学生の数が少ない分、学生と教員の距離が近いのがいいところだと思います。自分の大学の頃を思い返すと、担任制がないし先生方と顔を合わせる頻度も多くはありませんでした。けれどここは、一人ひとりと近いところにいられ、自立していく段階で学生の様子が普段と違う時に気付けるのはメリットです。先生方も熱心に教えていますし、非常勤の先生方も学生のことをよく見てくださっています。一緒になって学生を育ててくださっているのを感じます。非常勤の先生方は各分野の専門家なので、専門家同士の話ができるのもいいですね。

少人数制のため心の距離も近い

少人数制のため心の距離も近い

――内山さんのお仕事の内容は?

1年生の担任をしているほか、スポーツ栄養学、一般教養、基礎栄養学などを担当しています。学校の先生なので、やりがいはすごくあります。18歳や19歳の2年間は、人生の中で変化が大きい時期だと思います。高校時代までの言われたことをやる姿勢から、物事を自分で考えて行動する社会人に変わる過程に当たります。うまくできなかった不器用な学生が自信を持ってできるようになるなど、数か月で変化する様子を見ることができます。学生が自分の性格や人格を活かしてどういう風に羽ばたいていってくれるか、すごく楽しみです。

――もしかして、学校内で1番若い先生なのでは?

はい、そうなんです。ほかの先生より人生経験は少ないですが、歳が近い分、学生の悩みや想いを分かってあげられるかなと思います。

――学生さんもきっと相談しやすいですよね。いつもどんな風に接しておられますか。

自分にできることはそう多くありません。けれど、いろんな先生の声や言葉がけがあって学生は成長していきます。今までの26年間で経験してきたことを学生に伝えたり、困っているときにアドバイスしたりと、「この先生に会って良かったな」と思ってもらえるような、転機の一端に私がいられたらうれしいなと思っています。時には厳しいことも言わなければならず、学生は嫌かもしれません。でも、いつか「あの時言ってもらって良かったと思ってもらえたらいいな」と考えるようにしたら、心の余裕が生まれました。こういう考えは、富山に来てから強くなりました。

――それはなぜでしょう。

富山の「見守っているよ」という温かい雰囲気を感じたことで、自分自身の変化が表れているように思います。初対面の人でも話をすると優しく教えてくれるなど、皆さん本当に心が温かいんです。地域の特性が「みんなで見守って、その中で育っていく」ように感じられます。

――そんな風に言ってもらえると、富山県人としては嬉しいですね。

のんびり癒される上市町で暮らし、働く

エコ実習の様子

エコ実習の様子

――上市町には今年の4月に初めて来られたんですか?

いえ、同じ学園(東京校)の卒業生のため、共同で開催されているエコロジー・環境実習(エコ実習)で来たことがあります。エコ実習っていうからには自然豊かな場所なんだろうなと思っていましたが、想像通りでした。就職してからも、上市町で恒例の健康講座のお手伝いなどで、東京校から何回か来たことがありました。

――そうなんですね。エコ実習ではどんなことをされましたか?

私のときは「イタイイタイ病資料館」に行きました。富山校の職員から、「オロロっていう虫がいて、刺されるとすごく腫れるから気を付けるように」と注意を受けて、東京校の学生はみんな怯えていましたよ(笑)。エコ実習は、毎年新しいことを取り入れて体験の内容を変えています。カヌーや森林セラピーの体験、酒蔵見学など、東京ではなかなかできない体験が満載ですよ。

――楽しそうですね。実際に上市町に住んでみられてからの印象はいかがでしたか?

環境も人もすごくのんびりしていて、時間の流れがゆっくりだと感じます。そういったところから、「みんなで見守る温かい雰囲気」を感じました。小鳥のさえずりなんて東京23区内ではなかなか聞けないものですが、富山はいろんなところに野生の鳥がいます。上市町はちょっと行けばお寺があり、森林や滝からマイナスイオンを感じられます。これまで来たのは夏の時期が多かったので、紅葉の時期に回りたいところがいっぱいあります。冬の運転は恐怖ですが…。車通勤で日頃から運動不足を感じているため、あえて歩いて買い物に行くこともあります。道中は様々な植物が見られるのがいいですね。花が好きなので、地元の茨城と同じ花を見かけると嬉しいです。

堤谷の交差点付近からの立山連峰(内山さん撮影)

堤谷の交差点付近からの立山連峰(内山さん撮影)

――上市町で好きなスポットはどこですか?

通勤途中で、堤谷の交差点付近から見る立山連峰がすごく好きです。人工的に作った景色でなく、自然な美しさがあります。電線なども少なく、開けているのでよく見えます。富山は白い曇り空の日が多いので、青空になるとその美しさが際立ちます。青空と山のコントラストがとても綺麗です。

――青空に山の稜線が映えますよね。

はい。どこまでも続く山は、方角の目印にもなります。方向音痴なので結構道に迷うんですが、山に向かっていけば家に戻れるので、助かります(笑)。まだまだいろいろ回って、上市のお気に入りスポットを見つけたいですね。

――生活面で変わったのはどんなことですか?

物価、特に食べ物が安いと思います。スーパーの魚の鮮度がめちゃめちゃ良く、すごく綺麗です。丸ごと売られているのにびっくりしました。また、富山に来てすぐ、お惣菜が18時頃に半額になっているのがすごいなと思いました。店にもよると思いますが、東京では20~21時くらいにならないと半額にはなりませんでした。

黒部の水だんご

黒部の水だんご

――そうなんですね。閉店時間が早いからでしょうか。県外のご友人が遊びに来られることもありますか?

はい、東京から友達が遊びに来ることが多いです。みんな「ここに住みたい」と言います。土日でもそんなに人がごった返すこともなく、自分たちだけでのんびりゆったり過ごせるのがいいですね。海へ行っても、自分たちのほかは釣り人が1人しかいないとか、穴場がたくさんあります。茨城では小さい山もあったけど、海とこれだけ高い山がこんなに近くにある風景は珍しいと思います。初めて魚津市に行ったとき、海にいても山に追いかけられているような、山が襲ってくるような気分になりました。魚津市の「しんきろう」や高岡市の「雨晴海岸から海越しに見る立山連峰」、立山町の「雪の大谷」など、富山県ってその時期しか、条件がそろった時しか見られないっていう貴重なものが多いと思います。ホタルイカは、観光船には乗っていないので光る海は見られませんでしたが、ほたるいかミュージアムで発光ショーを見て感激しました! 観光ではなく、富山に住んでいるから見られるものや食べられるものがいっぱいあります。黒部市の「水だんご」、すごく美味しかったです。

――困ったことはなかったですか?

虫が多いのには困りますね。家の中に入る時は真剣勝負です(笑)。アパートの通路に、モスラのような虫がいっぱいいてびっくりしました。ゴールデンウィークに帰省する前、車の中に1匹のクモがいたのに気付いていたんですが、そのまま帰省して戻ってきたら、ダッシュボードの下に大きな巣を作っていたのにも驚きました。あと、「カトンボ」もいっぱいいますね。

――「カトンボ」は大きいから怖いと思いますが、刺すことはないので大丈夫ですよ(笑)。最後に、今後どんな風に過ごしたいですか?

せっかく富山に住んでいるので、スポットはいっぱい回りたいです。「のんびりしているだけで癒される」、そういう富山の魅力を、体いっぱいに感じながら生活したいと思います。

――わかりました。内山さん、今日はどうもありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

オロロ

オロロ

東京から富山へ職場が変わり、上市町暮らしを満喫している内山さん。学生を「温かく見守り、時には厳しいことも言います」と話す「先生」の顔が印象的でした。

内山さんはパン好きで、パン屋さんの話題で盛り上がりました。上市町にある3つのパン屋さん「サンタ・エンジェル」「ぱんや ととかか」「すみれ」は既に制覇しているそうです。

虫についての話で出てきた「オロロ」、調べてみると和名は「イヨシロオビアブ」と言い、富山県と新潟県にいる吸血昆虫だそうです(新潟の呼び名は「ウルル」。ちょっとかわいいイメージですね)。「カトンボ」は「ガガンボ」や「カゲロウ」とも呼ばれ、人を刺す・吸血することはないものの、土の中で植物の根を食べる害虫のよう。周囲に田んぼや林があるとどうしても虫は多くなりますが、気を付けていればそんなに刺されることもありません。

これからも内山さんが上市ライフを楽しまれる中で、上市好きなお友達が少しずつ増えていくと嬉しいです。


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