上市町ではたらく

地域のお客様に寄り添い、気軽に訪れることができるお店

呉服・洋装こもり

明治40年の創業から109年の老舗。3代目の小森武次さん(70)と奥様のはる美さんは、お客様の要望にマッチした品揃えにより、支持される店づくりを心掛けている。結婚式やお茶会などに着物で出かける女性が多いため、月に1度、着付けの練習会を開催。 「新しい流れをつかむにはアンテナを張り、外に目を向けること」と話す武次さんは、西中町商店街の理事長も務めており、商店街全体の活性化も目指している。

代表 小森 武次さん(右)と奥様・はる美さん

代表 小森 武次さん(右)と奥様・はる美さん

 
 

自分の力の範囲で長く続けるお店

カミールのそばにあるお店

カミールのそばにあるお店

――創業の経緯を教えてもらえますか?
今から109年前の明治40年、上市町内の呉服店から嫁いできた私の祖母が、手についていた仕事を始めようと開いたお店です。私は店を継ぐつもりで3年間、県外の衣料品製造販売メーカーで学んできました。店の仕事を始めたのは昭和46年、26歳のときからです。その頃、この西中町商店街の通りには軒並み呉服店がありましたが、今では少なくなってしまいました。
――たくさんの呉服店がある中で、続けてこられた秘訣を教えてもらえますか?
「トップを狙うな」と両親が言っていたことです。うちは代々、”石橋を叩いて”も渡らないタイプで、「無理をするとどこかにひずみが来る。自分の力の範囲内でやることが大切」だと考えて今日までやってきました。無理なものに勝負をかけないでいたら、自然と残っていた。野球で言うポテンヒット(フライ球が内野手と外野手の中間に落ちるヒット)のようなものですね。商売って難しいもので、店を大きくしたい気持ちはあっても知恵・資金・人脈がないと広げられない。

小学校女児の制服

小学校女児の制服

私はのんびり育ったせいで、ハングリー精神があまりなかったんです。NHKの連続テレビ小説「あさが来た」の「新次郎さん」のようで、親が「あささん」のようにしっかりしていました。34歳の時に父が亡くなったことから、必要に迫られて目覚めていった感じです。「この店が必要」「来たくなる」と言ってくださるお客様に支えていただいています。
――小学校の制服なども扱っておられますね。
はい、上市中央小学校と上市中学校の指定制服を扱っていて、子どもたちや若い親御さんが来店されることが刺激になっています。制服や体操服は20~30年前とあまり変わっていないので、お父さんやお母さんが「小さい頃これと同じのを着ていたのよ」と話している様子を見るとジーンときます。制服上着は、2cmずつ2回袖が伸ばせる仕様になっています。

着物姿は好きな女優さんをイメージ

手前に洋服があり、入りやすい店内

手前に洋服があり、入りやすい店内

――店づくりで大切にされているのはどんなことですか?
お客様から、「こもりのお店があって助かる」「便利だわ」「残って頑張ってね」と言っていただき、支持される店づくりをしています。お客様は50~70代の女性が多いので、目に見えないサービスでお客様の心に響くよう、ご要望にマッチした品揃えと売り場づくりを心がけています。一緒にコーディネートを選ぶのも楽しく、一般的な価格帯でお客様に喜ばれるものをご提案しています。気軽に立ち寄ることのできる場所であり、ウィンドウショッピングのついでに「自分に合うものがあれば…」と見ていただければいいですね。お客様からの紹介でご友人が来られる場合もあり、ありがたいです。ご高齢のお客様には、ゆっくり、はっきりとジェスチャーを交えて話すよう心がけています。

はる美さんが「あささん」をイメージして飾った着物

はる美さんが「あささん」をイメージして飾った着物

――店内には、洋服と着物のどちらもありますね。着物の楽しみ方を教えてもらえますか?
着物は成人式や結婚式、お茶会などで着られるお客様も多いですよ。家内が着物の着付けの資格を持っているので、毎月1回、着付けの練習会を開いています。冠婚葬祭や女子会の時に自分で着たいという方が、気の合った仲間同士で参加されています。展示会へ招待もしていますよ。
――自分で着付けできたらいいですよね。
着物を着ている人もその周りの人も、目にする機会が増えれば興味を持たれます。着物を着られる際は自分の好きな女優さんをイメージしてなりきることが楽しむ秘訣です。今店内に飾っている着物は、朝ドラの「あささん」をイメージした、元気でかわいらしいイメージのものです。
――朝ドラと言えば、襟の部分が黒い着物を着ている人がいましたが、あれはどうして黒いんでしょう。
汚れ防止の襟だと思います。汚れやすい襟元だけ付け替えれば目立たないんです。日常的に着物を着用していた頃の生活の知恵でしょうか。40年くらい前は、店でも”取り換え用の衿布(えりふ、掛け衿とも呼ぶ)”を販売していましたよ。また、現在の”綺麗な”重ね襟はデコレーションと言えます。
――そうなんですね!

アンテナを張ってチャンスをつかむ

見やすく配置された洋服

見やすく配置された洋服

――今頑張っておられるのはどんなことですか?
今の時代、インターネットでの買い物も増え、以前からの個人商店は商売が難しくなっています。それでもへこまず、諦めないでやり続けることで光が見えてきます。個人の力では難しくても、商店街の結束が力になるんです。
――小森さんは西中町商店街の理事長も務めておられるんですよね。
はい。もう13~14年になります。西中町商店街では、バブルがはじけた直後の平成4~6年にアーケードを作りました。カミール前の駐車場の運営も行っています。”自分のお店だけ”が前年比○%アップするより、「ここで商売できて良かったよね」という気持ちがそれぞれ湧いてくるように、全体が前向きに楽しく頑張ることが精神衛生上良いと思っています。辛いことがあっても商店街の仲間と笑って話せると、何とかなるさという気持ちになれます。

イメージキャラクターのたまちゃん

イメージキャラクターのたまちゃん

――最後に、今後の展望を教えてください。
日々新しいことに関心を持って始めようと思っています。そうすれば物の考え方が柔軟になるし、体調も健康になり、頭もはっきりします。新しい流れをつかむにはアンテナを張り、外に目を向けることです。売り上げのことばかり考えていると見えてこないんです。頭も体も硬直しないよう柔軟にし、自分の希望やしたいことを思い続けていると、チャンスが来た時にパッとつかめる。チャンスをつかむ時もチャレンジする時もリスクはありますが、資金・心・体力面で少しの余裕があれば失敗を恐れずにできます。でも、失敗もダメなところを自覚するチャンス。周りから指摘してもらえることで、スタンスを変えることができるんです。これまで”目立たないこと”を守ってきたけど、お店や自分を知ってもらう機会も大切にして、ファンになってくださる方を増やしたいです。また、商店街の若い人が読んでカチッとはまるものがあればいいなと思い、一昨年からブログも始めました。自分史の代わりの記録として、楽しんでいます。東京オリンピックまでには”英語”に挑戦し、”水泳”に通うことでも、体調をキープしたいですね。
――そういった思いで取材を受けてくださったんですね。小森さん、どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!
明治40年の富山日報の記事コピー

明治40年の富山日報の記事コピー

お孫さんが作ったPRイラスト

お孫さんが作ったPRイラスト

明治時代に創業し、小森さんで3代目の老舗。明治時代に発行された富山日報(北日本新聞の前身)の記事のコピーも残っていて、歴史を感じました。
小森さんは、自分のお店だけでなく商店街全体のことを常に頭に置き、周りの人達と一緒に手を携えておられる様子が伝わってきました。ブログをされていることや、今後もアンテナを張ってチャンスをつかみたいという言葉から、元気をいただきました。
お店の奥には、幼い女の子が描いたと思われるかわいいイラストが! お孫さんが小さい頃にお店をPRしようと描いたそうです。「いい服は小森に行って手に入れる」「いい服さがしに小森にゴー!」など、キャッチコピーも書かれていて、印象にバッチリ残りました。

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●DATA●

店名 呉服・洋装こもり
住所 上市町西中町43
電話番号 076-472-0216
FAX番号 076-472-0719
E-mail info@yoso-komori.jp
営業時間 9:00~19:00
定休日 不定休
駐車場 西中町商店街共同駐車場(カミール前)30台
ホームページ

http://www.yoso-komori.jp/

Facebookページ なし
従業員数 2人
設備・情報 ベビーカー入店可
代表 小森武次
オープン年月日 創業1907年(明治40年) 改装1991年(平成3年)3月
主力商品 呉服・婦人洋品

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