上市町ではたらく

「雪ちゃん」で知られるこうじ味噌のトップメーカー

日本海味噌醤油株式会社

「雪ちゃん」のCMでおなじみの味噌製造会社。大正13年に設立し、現在、こうじ味噌のトップメーカーとして親しまれている。主力商品の淡色系の粒タイプの「雪ちゃんのこうじ味噌」はお味噌汁にしたときに米こうじが浮き、こうじの旨味がお椀いっぱいに広がる「浮きこうじ」が特徴。米こうじがつぶれないよう、やさしく丁寧に取り扱う製造過程の工夫に美味しさの秘密がある。取締役工場長の嶋川淳さんは「現代の名工」と「とやま食の匠」に認定された淡色系の浮きこうじ味噌の第一人者。

工場長 嶋川 淳さん(68)

工場長 嶋川 淳さん(68)

 
 

なじみ深い「雪ちゃん」のCMが人気

上市駅そばにある味噌工場の前の看板

上市駅そばにある味噌工場の前の看板

――昔から、「雪ちゃん」のCMソングで有名ですね。
 おかげさまで。「雪ちゃんの唄」は浪花のモーツァルトと言われるキダ・タローさんに作曲していただきました。現在も放送させていただいているCMは昭和40年代前半に制作した作品で、雪ちゃんの唄とのイメージから「なじみ深くてほのぼのしていいですね」とお客さんからご連絡いただくことも多く好評で、富山県では帰省される時期、また県外でも東京などでCMを流させていただいております。

パッケージの「雪ちゃん」も商品で色が違う

パッケージの「雪ちゃん」も商品で色が違う

また大阪ではラジオで流れており、ラジオの放送に出演した際「雪ちゃんの唄」について語ったこともありました。
――バージョンがいくつかあるんですか?
 それぞれ春夏秋冬のバージョンの歌詞があります。CMの長さは15秒の物を使用しておりますが、もっと長いCMの物で流してほしいと東京など県外の視聴者さんからもお伝えいただくこともありますね。カラオケにもあるんですよ。
――そうなんですか!ちなみに歌われたことは?
 ありません(笑)。

恐るべし、こうじ味噌のパワー

日本海みそ商品の一部

日本海みそ商品の一部

――味噌の特徴を教えてもらえますか?
 メイン商品は淡色系の「雪ちゃんのこうじ味噌」の粒タイプですが、米こうじ味噌の粒を漉したこしタイプ、赤色系のタイプの3種類があります。味噌の容器については、ピロー袋詰めタイプ、ガゼット(マチ付き)袋詰めタイプとカップ詰めタイプがあり、内容量は1kg、750g、500gがありますね。また「雪ちゃんのこうじ味噌」シリーズ以外にも、富山県産コシヒカリ米の中でもJAで「天恵米(グレードの高い米)」の格付けを受けた特別栽培米を主原料とした米こうじ味噌や、調味料のベースや地域によってはお雑煮などにご使用いただいている白味噌などもあります。

カップタイプ(左)と袋タイプ(北陸仕様)。どちらも1kg

カップタイプ(左)と袋タイプ(北陸仕様)。どちらも1kg

――よくスーパーなどで目にするのは「雪ちゃんのこうじ味噌」の袋詰めタイプですが、ほかにもいろいろ種類があるんですね。どんな違いがあるんですか?
 主な違いとしては、原料(米、大豆、塩)配合割合の違いや原材料の産地、また熟成期間などがありますね。例えば、北陸でよく親しんでいただいている「雪ちゃんのこうじ味噌」の袋詰めタイプと全国的に販売させていただいている「雪ちゃんのこうじ味噌」とは原料の米、大豆、塩の配合割合などが違いますね。
――富山県で売られているのは北陸向けの商品だったんですね。初めて知りました!
 原料は国産米と白目大豆、立山連峰の伏流水を使用して製造しております。富山県の自然環境も味噌の味を決める重要な要因です。
――なるほど。中でも特に人気なのはどれですか?

「日本海みそ」で作られた具だくさんの豚汁

「日本海みそ」で作られた具だくさんの豚汁

 富山県や石川県では前述した「雪ちゃんのこうじ味噌」の淡色系の粒味噌タイプの袋詰め商品が人気ですね。北陸でも福井県ではこし味噌タイプも親しまれておりますね。
――私も粒タイプの「雪ちゃんのこうじ味噌」が大好きなんですが、あの美味しさの秘密は何ですか?
 全国的にも珍しい「浮きこうじ味噌」であることも日本海みその美味しさの秘密であると思います。お味噌汁を作った時、米こうじの粒が花を咲かせたように浮いてきて、こうじの旨味がお椀いっぱいに広がります。米こうじの粒をつぶさないように、いくつもの工程を工夫してやさしく丁寧に取り扱うようにしておりますね。

全自動製麹装置により麹が作られる

全自動製麹装置により麹が作られる

――言われてみると、いつもこうじが浮いていました! 米こうじの粒がつぶれないように、大事に大事に守られていたんですね。
 お味噌汁などにご利用いただいた際、その米こうじの粒の中に凝縮された旨味が溶け出し、米こうじの粒が浮きあがり風味が広がるのですが、製造はなかなか難しいですよ。
――そうだったんですね。
 少し前から「塩こうじ」が流行っていますよね。当社の味噌は米こうじをたくさん使っていますので、塩こうじに加えて味噌の大豆たんぱくが入っているので栄養豊富です。
――あっ、確かに~!

小冊子「みそ健康づくり委員会」より

小冊子「みそ健康づくり委員会」より

 最近では医学部の先生方などによって、味噌は生活習慣病やがんのリスクを下げるという論文がたくさん発表されており、女性の方が1日に2回以上味噌汁を飲んだ方が乳がんになる確率が低くなるという研究発表もあります。東京大学の医学部教授の研究では、老化を促進する物質の活性化を抑制する作用があるとも聞いておりますね。いろんな研究結果から、毎日味噌汁を飲むことは体にいいんですよね。特にいろんな具の入ったお味噌汁を食されることをおすすめします。
――味噌のパワー、ものすごいですね! すぐに味噌汁が飲みたくなりました(笑)。

お客様にご満足いただける商品づくり

上市駅そばにある若杉工場(味噌工場)

上市駅そばにある若杉工場(味噌工場)

――会社の歴史を教えてもらえますか?
 大正13年に会社が設立しましたので、90年となりますね。
――味噌づくりで大変なのはどんなことですか?
 一年を通じて、お客様に日本海みそとして納得いただける品質の商品をつくり続けることにも細心の注意をしております。味噌は醗酵・熟成食品ですので、季節や原料のとれる時期によって味に変動が生じますが、熟練の作業で品質向上に努めております。

食堂の壁に貼られた社訓

食堂の壁に貼られた社訓

――現代の名工・嶋川工場長の熟練の技なんですね! やりがいを感じられるのはどんな時ですか?
 「日本海みそは美味しいね」と喜んでもらえると嬉しいですね。
――社員さんへの教育について心がけておられることは?
 お客様に味や品質についてご満足いただける商品づくりを心掛けるようにしておりますね。社訓は「真心こめて良品生産」をモットーとしております。それには、社員の安全意識や衛生面・体調管理の維持も食品を製造するうえで重要であると考えております。

仲の良い従業員のみなさん

仲の良い従業員のみなさん

――ちなみに、一般の方の工場見学などは…?
 一般の方の工場見学は受け入れておりません。ですが、地元の小学生や中学生の方に給食で自分たちの食べている味噌について知っていただけるように食育を兼ねて講習していますよ。みんな興味津々で熱心に質問とかもしてきて、日頃慣れ親しんでいる食材だったからかもしれないですね。
――地元で作られた味噌を食べて見学できるなんて、いいですね。嶋川さん、今日はどうもありがとうございました。
 こちらこそ、ありがとうございました。


スーパーでよく見る商品

スーパーでよく見る商品

幼い頃から慣れ親しんできた「雪ちゃんのこうじ味噌」。その会社に入るなんてドキドキでした。
インタビューでは、ずっと食べていた味噌の美味しさの秘密を聞くことができて嬉しかったです。美味しい味噌を作るために、こうじをつぶさない工夫や努力をされているのがよく分かり、それから浮きこうじの味噌汁を食べるのが楽しみになりました。
ちなみに私は油揚げと菜っ葉の入った味噌汁が好きです。
味噌は、血圧やコレステロールを下げる、胃がんや乳がんのリスクを下げるなど、いいこと尽くめ。取材以降は、以前よりも積極的に味噌汁を作るようにしています。できれば、1日に2食食べるようにしたいです。
ところで、あのCMの「雪ちゃんの唄」は日本海味噌醤油株式会社さんのホームページに、四季バージョンの全文と楽譜が掲載されています。歌いたくなった方はカラオケで歌ってみてくださいね。
tef design factory(テフデザインファクトリー)の伊東さんからの紹介でした。

●DATA●

企業名 日本海味噌醤油株式会社
住所 上市町西中町22
電話番号 076-472-2121
FAX番号 076-472-4897
E-mail honsya@nihonkaimiso.co.jp
設立年月日 創業 大正13年5月
代表者氏名 荒木 甚一郎
事業内容 味噌製造業
主な実績 麹味噌のトップメーカー
資本金 2,178万円
勤務時間 8:10~17:00、土曜は8:10~15:00
休日 原則第2・第3土曜、日曜、祝日、年末年始、お盆休暇、年間100日、その他有給休暇
ホームページ http://www.nihonkaimiso.co.jp/
福利厚生 保険(健康、雇用)、厚生年金、子育て支援(産休、育児休暇)

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