-
はたらくらすコネクションin上市 > 企業・店舗ガイド > 10 居酒屋・スナック・バー > コーヒー&スナック もぐら
リバーサイドのお店で今宵もワイン色の夢を
コーヒー&スナック もぐら
築100年の古民家で、地下に入るようだから「もぐら」と名付けられたお店。地酒やワイン、季節の煮物が楽しめ、カラオケもできる。上市町商工会女性部の部長も務めるママ・細川和子さんは、話題が豊富でお客さんを楽しく盛り上げる。女性や若い人も応援し、悩みややりたいこと、起業などの相談にも乗ってくれるので、細川さんを頼りにおしゃべりをしに行く人も多い。お店は白竜橋のすぐそばにあり、冬は綺麗なイルミネーションが目印。
代表 細川 和子さん
地下に入るようだから「もぐら」
――オープンの経緯を教えてもらえますか?
私は、それまではOLでした。上市で生まれて上市に嫁ぎ、外へ出たことのない人。嫁いだ家が商売屋(細川写真館)だったのも、元々商売が好きだったのかもしれません。今なら起業家ってカッコ良く言うけど、みなさん知っている人ばかりだし、楽しくおしゃべりできる場所を作りたいという単純な考えで。何も分からないまま、昭和56年にオープンしましたね。最初は喫茶店にしたかったんです。でも、1人目のお客さんから注文されたのがビールだった。自分でもびっくりですよ。その晩のうちにスナックに変わりました(笑)。
――そうなんですか。お酒も置いてあったんですか?
当時はすぐ向かいに酒屋さんがあったので、ハイボールの作り方なんかを教えてもらいました。富山はハイボール発祥の地だと言われていますよね。
――営業時間も夜に変わったんですか?
そうそう、どんどん夜に変わっていったんです。でも第3日曜は「家庭の日」なのでお休みです。
――この場所に開かれたのはなぜですか?
ここは元々、私の実家だったんです。「松月」っていう料理旅館で、築100年の町屋の古民家です。小さい頃、白竜橋の改修の時に道路の高さが上がって、その時にお家も上げて、元々1階だったところが地下のようになった。そこが今の店舗なんです。地下に入るようだから「もぐら」と名付けました。
――ご実家だったんですね。地下に入るようだから「もぐら」、なるほど~。
若い人の相談にも乗る頼もしい存在
――おすすめメニューは何ですか?
飲み物がメインで、好みの飲み物は450円から。上市町の地酒・白萩や我酔楽(がすら)もありますよ。力を入れているのは、ワイン。ワイン好きのお客さんが多いんですよ。コーヒーのお客さんも来られるので、挽きたてのコーヒーは随時出せます。
――だから店名も「コーヒー&スナック」なんですね。お料理の方はどうですか?
スナックだから、お食事処と違ってそんなたくさんのメニューは出せないけど…。季節の煮物とかその日によって日替わり、お楽しみかな。上市町の姉妹都市・千葉県九十九里(くじゅうくり)町から、特産のイワシや貝を仕入れて提供することもあるんですよ。
――お客さんに対して、大切にされているサービス方針は?
サービスと言うよりも、いつもお客さんの心に寄り添っていたいなと思っています。お客さんからは元気をもらうことも多いです。女性のお客さんが多いから、特に若い女性の方には、時には自分がお姉さんになったりお母さんになったり…。
――相談とかされることも多いんじゃないですか?
あるある! 相談されると、自分も一緒になって迷いながら出口を探しますね。何か新しいことに挑戦しようとしている人の話を聴くと、「私も加わりたい」「応援したい」といつも思います。今こうして自分があるのも、家族はもとより、1番近くにいてくれた人たちのおかげだと感謝しています。いろんな人に助けられて今まで来た、長年の生き様の中で自分自身も育まれてきたことかなと思っています。
――今度私も相談したいです(笑)。お店には、細川さんともう1人いらっしゃるんですよね。
今のスタッフは22年間もいる良き相棒です。カラオケは彼女が担当で、上手。私は下戸でお酒を全然飲めないし、カラオケもそこそこです(笑)。
――カラオケもできるんですね! 料金はおいくらですか?
1曲200円です。
生演奏を聴きながらワインを楽しんでほしい
――細川さんは、上市町商工会女性部の部長もされているんですよね。
そうです。商工会にはオープンと同時に入って、昭和60年から女性部の部員になりました。3年前、伊東町長が上市町の「観光元年キックオフ宣言」をしたことで、町が観光に力を入れるようになりました。私自身、あまり自分の商売とは関係なくても、お客様とみんなで一緒に関わりたいと思っています。女性部の部長は6年目となりますが、「自分が」というおこがましい気持ちではなく、地域のみなさんと「みんなで」町を盛り上げたいという思いです。それでお店も頑張れているかな。だって「上市」大好き人間なんです。
――いいですね~。女性部の特産品開発として、「上市でしょうが!(生姜シロップ)」なども開発されたんですよね。
そうです。店頭に並ばない「種」である生姜で作りました。上市の生姜は、美味しい水と中山間部の空気で育ったので香りが良く水分を多く含みます。ベルギー国際味覚審査機構で88点、2つ星を得ました。90点以上なら3つ星だったんだけど…(涙)。
――惜しかったんですね。それでも十分すごいと思います。私も飲んだことがありますが、美味しいですよね。もちろん、もぐらさんでも飲めるんですよね。
はい。冬はホットで、夏は冷たくしてアイスで。焼酎で割ると美味しいですよ。炭酸で割るとジンジャーエールになるし。ほかに、「かりんとうでしょうが」というお菓子も開発しました。
――それも生姜が入ってるんですね。今後は、お店でどんなことに挑戦したいと思われていますか?
毎日毎日お客さんが来てくださるので、その中で、もぐらから何かを発信したいという思いがあります。「発信すること」が大事。私って夢ばかり見ていて、音楽が好きだから生演奏のライブとか、もっとワインパーティーを楽しみたい。今でも、ジャズシンガーを招いてワインパーティーとかやってるんですよ。次回は計画中です。
――楽しそうですね。
はい。「上市」大好き人間なんです。あと、街中を少しでも明るくしたいので、毎年暮れからイルミネーションをやっています。白竜橋は綺麗に整備され、剱岳も一望できるおすすめスポット。写真家の内山康弘さんもよく撮影されてて、内山さんが撮られた、もぐらの窓ガラスに夕日が映った写真がすごく綺麗でした。自慢です。
――綺麗ですね~! 細川さん、今日はどうもありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
初めてのスナック取材! スナック自体、あまり入ったことがない私は内心ちょっとビクビクしていたんですが、細川さんの明るく親しみやすい雰囲気に安心してお話を聴くことができました。
私は以前から、お店の前を通るたびに「『もぐら』ってすごく覚えやすいけど、どうしてこの名前なんだろう」と不思議に思っていたので、今回謎が解けて嬉しかったです。
お酒を飲む人はもちろん、飲まない人でも、細川さんとの会話を楽しみに行く人は多いのではないでしょうか。店舗経営の経験で得られたことを出し惜しみなく教えてくださるので、お店をやっている人もいない人も、ためになることが多いですし、細川さんの「やってみられよ」という言葉は、最初の一歩がなかなか踏み出せない人にとって、力強く後押ししてくれる応援になると思います。
EmiRiの廣瀬アリョーナさんからの紹介でした。
●DATA●
店舗名 | コーヒー&スナック もぐら |
住所 | 上市町石浦町31 |
電話番号 | 076-473-0085 |
営業時間 | 18:00~24:00(LO24:00 |
定休日 |
日曜(予約があれば営業)、12月31日~1月3日 |
駐車場 | 2台 |
ホームページ | なし |
Facebookページ | なし |
メニュー | ワイン、焼酎、水割り、季節の煮物 |
設備・情報 | 予約可、カラオケ(1曲200円) |
代表 | 細川和子 |
オープン年月日 | 昭和56年 |