上市町ではたらく

ユーザーのネット環境を守る技術者集団

株式会社TAM(ティエイエム)

「TAM(タム)」という愛称で知られる、上市町で唯一のインターネットプロバイダ。ケーブルテレビNet3(ネットスリー)のインターネット部門を担い、「まいぷれ滑川・上市・立山」の運営も行う。代表取締役 荒木敦さん(55)を中心に質の高い技術を提供し、ユーザーにとって安定したサービスの維持に努める、信頼される会社。(※インタビューは2014年6月5日に行いました。年齢は当時のものです。)

自社サイト「タムネット」の画面

自社サイト「タムネット」の画面

 

県内インターネット黎明期から創業のTAM

「Net3インターネット」の画面

「Net3インターネット」の画面

――会社ができた経緯を教えてもらえますか?
 元々、有限会社ティ・エイ・エムという会社を、25年前に30歳を機に創業したんです。1人で、立ち上げからすべて他に頼むことなく自力でやってきました。パナソニックやソニーなど大手さんの下請けの下請けで、工場の組み込み型マイコン(電気製品のプログラムを動かすための半導体チップ)やファームウェア(電子機器に組み込まれたコンピュータシステム・ハードウェアを制御するためのソフトウェア)を作っていて、リモコンやカーオーディオ、ソニーのウォークマンの一部などに使われとったんです。当時は寝る間もないくらい忙しく、1週間工場の床で寝る日が続くほどでした。
――そうなんですね。そこでなぜインターネット事業を始められたんですか?

高いアンテナが目印の、広野にある社屋

高いアンテナが目印の、広野にある社屋

 インターネットが世の中に出たときに、すごいと思ったんですよ。地方と都会との格差が無くせると思った。幸いなことに、当時デジタルツーカー(現ソフトバンク)の1号電波塔基地が裏山にあって、光ファイバーがたまたま我が社の敷地内を通っていました。聞いたら使わせてもらえることになって、優秀な技術者もいたので、平成8年に県内で自主独立系の企業として初めてインターネットを始めたんです。
――たまたまですか? すごいですね。
 株式会社ティエイエムインターネットサービスとして設立したのは平成11年。有限会社ティ・エイ・エムは今でも親会社としてあり、株式会社ティエイエムインターネットサービスのソフト部門を8割担っています。しかし最初の頃は厳しくて、必死にこれまでやってきた事業で食いつないで、インターネット事業を続けました。いまではケーブルテレビインターネットやフレッツ光やWiMax(ワイマックス:高速・大容量のモバイルブロードバンドで、携帯電話やスマートフォンのようにどこでもインターネットが利用できるサービス)を合わせると、15,000~16,000ユーザーいます。

高品質を安定提供する技術屋のプライド

平成24年に北日本新聞広告賞受賞

平成24年に北日本新聞広告賞受賞

――現在ではどのくらいの規模になられたんですか?
 トナミ運輸株式会社のCoralNet(コーラルネット)、北電情報システムサービス株式会社のFITWeb(フィットウェブ)に次いで県内3位だけど、その内、我が社だけが専業です。
――では専業ではトップということですね。TVCMでよく見るので、知名度もありますよね。そういえば、北日本新聞で広告賞も取られてましたよね。
 受賞したことを知っている人はそれ以前からTAMを知っている人が多いです。インターネットプロバイダを誤解している人もいますね。NTTがインターネットプロバイダをやっていると思ってる人が結構います。NTTはフレッツ光という商品を売っていて、フレッツ光を引いても、プロバイダはどこかに入らないといけない。あまりそういったところに気付いていただけることは少ない。ユーザー側にエラーが起きた時が一番TAMの存在に気付いてくれる時ですかね。エラーは、なかなか簡単には解決しないですよね。我が社なら「来て」と言われたらすぐに行ける距離にいるのが強みです。
――ユーザーにとってとても環境のいいサービスを提供されているんですね。そういえば、以前困ったことがあってTAMさんに電話したんですが、親切に教えてもらったことがあります。
 エラー要因はパソコンがちゃんと教えてくれる。正確に伝えていただけると電話で解決できる場合もあります。ウィルス感染なんかの場合にはそうもいかず、有料で駆除作業をしています。
――パソコンに詳しくないと分からないことっていっぱいありますが、近くにTAMさんがいてくれると心強いですね。しかも契約料金がほかと比べて断然安いですよね。
 純粋に社長としてならもっと儲かる商売をするかもしれないけど、好きでやってることだから。「回線料」と「プロバイダー料」、「モデムレンタル料」をまとめての料金で、「エコノミー1(月額2,052円)」と「ベーシック10(月額3,456円)」、「プレミアム100(月額4,860円)」の3プランがあります。
――良心的な金額ですよね。うちは「ベーシック10」ですが、インターネットのスピードに十分満足しています。
 ありがとうございます。いまは、世界中と取引ができる状態にしていかなければならないんです。だから私たちはインターネットの品質を第一に考え、スピードの確保と共に安定した接続を24時間365日維持しようと頑張ってる。 皆さんが平等に情報を得られる機会を提供するため、目に見えないところで働いているんです。技術屋としてプライドを持ってやっています。
――だからインターネット関連を安心して任せられるんですね。

TAMを支えている技術者たち

高い技術を持った社員のみなさん

高い技術を持った社員のみなさん

――TAMさんの社員の方は何人いらっしゃるんですか?

 25人です。
――優秀な技術者の方たちの集まりだと聞いたんですが、どうやって集められたんですか?
 そうだね…、それは技術者たちに聞いてくださいよ(笑)。
――(笑)。
 自分も技術者なんですよ。「オタク」とひとくくりにされがちだけど(笑)、技術者のプロフェッショナルな集団。だからもし1人が分からなくても他の誰かが分かる、互いに声を上げていってるんです。

――いま求人はされているんですか?
 今はないですよ。でも求めるとしたら、スキルはものすごく大切。それとやる気。消極的よりも積極的で、前向きな人。我が社は完全にOJT(日々の仕事を通じて必要なノウハウやスキルを習得させる指導方法)です。失敗しても、同じ失敗を繰り返さないようにするにはどうしたらいいかを考えてもらう。能力ある人の意見はどんどん取り入れる。
――じゃあ、技術者の方にとって楽園ですね。
 そうかもしれないですね。やりがいもあります。営業専業は少なく、どちらかというと技術営業です。ウェブは英語しかなくて怪しまれる時代から始め、ユーザーの獲得は口コミが多かったんです。我が社はプロバイダとしての役割だけでなく、インターネットに関係するすべてをまかなえる能力があると自負していて、それを分かってもらえてるお客さんからは信頼されていますよ。
――営業と言えば、Net3インターネットで、お客さん向けに月に1度メールマガジンを配信されていますよね。技術設備や県内のイベント情報なども載っていて、参考になります。

情報の価値と可能性

「まいぷれ滑川・上市・立山」の画面

「まいぷれ滑川・上市・立山」の画面

――TAMさんが運営されているサービスには「まいぷれ」もありますね。
 はい。富山県で「まいぷれ」を提供している地域は富山市と高岡市、魚津市、黒部・入善・朝日、滑川・上市・立山です。TAMはそのうち滑川・上市・立山の地区を運営しています。これも何でやっているかと言うと、地域活性化の一助として地元の店舗に行ってもらおうと。顧客を地元の人に求めていない店舗って結構あります。また面白いもんで、首都圏で話題になれば、その情報を得て地域住民が店舗に行くんです。富山の人には地元に良いものがあるということをもっと知ってもらいたい。デジタルデバイド(パソコンやインターネットなどのIT技術を使いこなせる人と使いこなせない人の間に生じる、待遇や雇用、貧富、機会などの社会的格差)という言葉があるように、昔はインターネットが広がることで都会との格差がなくなると思ったけど、今や逆に田舎と中央の格差は広がっているんです。パソコンにスマホ、タブレット、PSP、TVもネットに繋がる時代。でも携帯やスマホで十分という人と、パソコンを数台持っている人とではやれることが違う。

気軽に相談できる「TAMハウス」

気軽に相談できる「TAMハウス」

パソコンとスマホでは一度に見渡せる情報量や質の違いがあるのに、その価値を感じていないことに危機感を持っています。情報の価値が分からず、目に見えるものにしか価値を求めない人と情報を使いこなす人との格差。東京の人は情報の取得に貪欲です。だから都会にモノ・人のほかに情報も集まるようになってるんです。
――なるほど…。逆に言えば、情報を使いこなすことができれば、やれることが広がるということですね。
 そうですね。

中では実際に速度体験もできる

中では実際に速度体験もできる

――上市中央小学校の向かいに、「TAMハウス」がオープンしましたよね。
 はい。会社は土日が休みなので、何か困ったことがあったらサポートできるようにと作ったお客様窓口です。土日もオープンしていて、速度体験もできるので気軽に来てもらいたいです。
――わかりました。荒木さん、今日はどうもありがとうございました。
 こちらこそありがとうございました。

若手社員からの声

折南紘悠さん(25)

折南紘悠さん(25)

新卒で入社し、3年目の折南紘悠(おりみなみ ひろちか)さん(25)は、難しいことでも一生懸命にできる方法を考える前向きな社員。「ウェブ関連で、観光協会などのホームページ制作を頑張っています。ホームページを訪れた人が自分の知りたい情報がすぐわかるようにプログラミングしていきたいです。できないことがあると嫌なので、本やネットで調べたり、周りの人に聞いたりしながら覚えていきました。毎日のように新しい技術が出てくる業界で、TAMは1人1人の能力がすごいですよ。機材も、興味あるものを用意してもらえるのがありがたいです。今後はモーションキャプチャに挑戦したいです」と話してくれました。


新幹線の模型が走るTAMハウス

新幹線の模型が走るTAMハウス

「デジタルデバイド」という言葉、なるほど~と勉強になりました。情報がたくさんあるこの時代ですが、ありすぎて、本当に知りたいことや必要な情報を探すのに時間がかかることが多々あります。検索するのにも適切なキーワードをいくつか組み合わせるなどのコツが大切で、自分で必要な情報を上手く選択して有効に活かしていけるようになりたいです。
ところで私はTAMさんをずっと「タム」さんかと思っていましたが、それは愛称だったというのが衝撃的でした。今回取材で初めて行った「TAMハウス」の中には新幹線のレールがあり、子どもが喜びそうだなと思いました。チラシによく塗り絵も入っているので、お子さん連れの方にもいいですね。
うちの回線は「Net3インターネット」なので、「フレンドリーclub」の抽選(2017年3月末で終了)を楽しんだり「まいぷれ」を見てお店を知る参考にしたりしています。先日「手打ち蕎麦 八笑」さんに取材に行ったとき、「フレンドリーclub」で当選した人がたまに1,000円引きの券を持って来られると言っておられたので、やはり楽しみにしている方が多いのだと思います。これからも、いろいろな情報を楽しみにしています。

●DATA●

企業名 株式会社TAM(ティエイエム)
住所 上市町広野3146-1
電話番号 076-473-1213
FAX番号 076-473-0302
E-mail info@tam.ne.jp
設立・沿革 創業 平成元年(有限会社ティ・エイ・エム)
設立 平成11年6月
平成13年 株式会社ティエイエムインターネットサービスに改組
平成29年5月  株式会社TAMに改称
代表取締役 荒木敦
事業内容 インターネットプロバイダ、インターネットサービス関連業務
(ドメイン取得、Webサーバー管理など)
主な実績 Net3インターネットの運営、まいぷれ(滑川・上市・立山)の運営
資本金 1,000万円
勤務時間 9:00~17:30
休日 週休二日制、土日・祝日、年間130日、その他有給休暇
ホームページ ・株式会社TAM https://tam.co.jp/
・タムネット http://www.tam.ne.jp/index.shtml
・Net3インターネット http://www.net3-tv.net/
・宗七音響(そうしちおんきょう) http://so7.jp/
Facebookページ https://www.facebook.com/TAMNET1996/
過去3年間の売上高 右肩上がり
過去3年間の採用実績 平成23年2人/平成24年2人/平成25年0人
福利厚生 / 従業員特典 保険(健康、雇用)、厚生年金、資格支援

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