上市町でくらす

座りたくなるベンチ

上市町在住のデザイナー伊東です。

先日の剱親自然公園に続きまたしても公園ネタですが、私のお気に入りの公園のひとつが「あさひの郷公園」。

この公園は数年前に大型遊具が設置されてから完成度がググッと上がったように感じます。

この遊具ができたことで公園内に別の時間軸が生まれて、それまでもあった植栽などの空間的価値が高まったと言えます。

 

私はこの公園のベンチが好きです。

 

なんとも座りたくなるベンチです。

 

公園に限らず公共施設のベンチの置き方って、結構雑なところも多くて、誰にどんな状況で座って欲しいのかという想像を全くされていないであろう「座りたくならないベンチ」は多いです。

その点あさひの郷公園のベンチは、なんかちょっと座っちゃうんですよね。

いくつかあるのですが、僕が1番好きなのは木々に囲まれた小径の中のベンチ。

 

 

植栽が程よい目隠しと日差しになり、不意に誰かと視線が合うこともなく、かといって外の様子も適度に感じられる程度のプライバシーが確保されたベンチです。

芝生広場にあるこっちのベンチも好きです。

なんか、絵になる。

この公園、土日でもあまり混雑してなくて、貸切状態の時間もあるので、公園でありながら自分の家の庭のような感覚で過ごしている時もあります。

庭と思うと相当な贅沢空間ですよね。

 

ここで本を読んだりラフスケッチを描いたりすると捗りそう。

あまり混雑して欲しくはないけれど、

この魅力は伝えたいですね。

しかし、個人的にもったいないと思うところもあります。

東屋が公園の端の車道に面した場所にあって、私のような、駐車場に車を止めて遊具を目指す者の利用導線からはかなり遠いという点。

それと、園内に水が流れる様な水路があるのですが、長らく水が流れていない様子で、若干デッドスペース化している感じがある点です。

公園の利用者数が増えれば水も流れる様になるのかもしれませんが!

 

そういえば、

およそ5年前、この公園に遊具が設置される前のことですが「かみいち町民のネタ帳」という冊子の企画の中で上市町在住の外国人に町の好きなところを聞き、ランキング化したことがありました。

その時の結果は私としては意外で、大岩山日石寺を抑えて、丸山総合公園が1位だったんです。

観光地らしいところではなくて、公園。それも遊具が充実しているとは言い難い広大なスポーツ公園です。

当時の回答の中にはバーベキューができるとか、そりゲレンデがいいという声もありましたが、

最も多く上がった声が「自然に囲まれた大きな公園」というところなんですよね。

感覚が違いますよね。

私などは遊具や設備なんかを中心に考えますが、

外国人の皆さんは自然の中の自由な空間を楽しむことが上手なんですね。

私たち住民もそれを見習い、

公園を日常の中に上手に取り入れるようになっていくと、公園の利用者数も上がり、より充実した状態を保っていけるのかもしれません。

そのためにこの「あさひの郷公園」にも利用者が増えて欲しいなと思いつつ、私の庭であり続けて欲しいとも思ってしまう欲張りな私です。

 


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