上市町でくらす

自由な研究

 

上市町のデザイナー伊東です。

夏休みの宿題。

私は今でもこの言葉にワクワクと憂うつを感じてしまいます。

何冊も出されるドリルはホントにイヤでしたね。

 

私はお絵かき少年でしたが、絵日記も実は苦手。毎日コツコツと積み重ねていくのが得意じゃなくて、いつも1ヶ月分の出来事を思い出して書いてたような・・・

 

というか、ドリルも日記も夏休み中に終わらなかったことは一度や二度や三度や四度ではありません。

 

読書感想文も苦手。

 

小学校一年生の時、「パトカーに乗ったうみねこ」という本を読んで、

 

原稿用紙に「うみねこは、ねこかとおもったら鳥でした。」

 

という1行で提出して親だか友達に驚かれましたが、先生が私に何を求めているのかが当時は分からなかった!

 

書き直しを命じられたのは言うまでもありません。

 

 

そんな私が何よりワクワクしたのは、自由研究!

 

宿題という、先生の思惑に閉じ込められた◯と×の世界にあって、問題も答えもないこの自由な研究に
ひたすらにときめいてしまう小学生の私。

 

何しよう! 何でもいいなんて困っちゃうな!

 

 

という具合で、とにかくワクワクソワソワしてました!

 

 

と言いながら、何の研究をしたかはほとんど覚えてません。

 

一つだけはっきり覚えているのは、化石採集!!

 

あれはどこだったんだろう、たまたま親の運転する車に乗ってる時に地層がむき出しになってる山肌を見かけて、

 

「っおおおお~!」と、

私の胸は高鳴りました。

 

 

小学生時代の私は図鑑と野球を愛する少年でしたので、

 

大好きな恐竜図鑑に載ってる地層の写真と似た風景が飛び込んできたら興奮しますよね!!

 

しかも自分が住む上市町内で!

 

よし、掘ってみようと。

 

これを自由研究にすることにその時決めまして、

後日、家にあったスコップやカナヅチなど使えそうなものをカゴに入れ、自転車を駆ってその場所へ出かけ、興奮で鼻息を荒げながら、好奇心と勘に任せて地層になってるところを掘り進めていったんですが、

 

出てきたんですよ、貝殻の化石!!

 

帆立貝のような貝殻がいくつも!

 

この時のワクワク感は忘れられませんね。

 

その夏は化石の標本を作って提出しましたが、今思えば法的に大丈夫だったんだろうか(汗)

 

上市町では結構いろんなものが出土していて、歴史的観点でみても理科的観点でみてもミステリアスで面白いですね。

 

その辺りの出土品の多くは弓の里歴史文化館に収蔵されていますので、興味のある方は是非一度ご覧ください。

 

しかし、最近は自由研究のキットのようなものが山のように売っていて、

 

「それってアリなの?!」なんて思ってしまいますねー。

 

 

問題も答えもないはずの自由研究の、答えがお金で買えてしまうという…。

 

今この歳になって思うのは、

 

自由研究って、自分自身に対するクイズみたいなもので、「問題」を作るところに非常に意味があると思うんですよね。

 

子ども自身がワクワクできる「問い」や「謎」を見つけられるかどうか。

 

これってものづくりをするには結構大事な感覚だと思うのですが、

 

意外とこの感性を小・中学生で育める機会って少なくて、

 

そう考えると、創造性を育てる貴重な宿題なんですよね。

 

 

ああ、自由研究ってやっぱり好きだな。

 

 

さて、夏も終わりましたね。

 

 

P.S.

今、私が小学生の頃化石を掘った場所を探してみたりするのですが、どこだかわかんなくなっちゃったんですね。

 

どこだったんだろう。

 

これもまたミステリアス。

 


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