上市町でくらす

職業を知る会が高校時代にあったなら

上市町のデザイナー伊東です。
はたらくらすコネクションでは度々取り上げさせていただいていますが、上市高校では2018年から地域の企業と行政とが連携して「職業を知る会」「職場見学会」「インターンシップ」の3つの事業が行われています。

これって本当に良い取り組みだなと思っています。

私は今デザインを生業にしていますが、私自身中学から高校、高校から専門学校へと進んできた過程で、グラフィックデザインやアートディレクターなんていう仕事があるということを知ったのは専門学校に入ってからで、リアリティを持ってその職業を意識したのは2年目ぐらいからでした。

デザインという仕事がああることをもっと早く知っていたらなと思うことも後々ありました。

当時は考えてみれば最終的に就職や起業をするまでの学生年代の過程に出会う職業が少なすぎるのです。

そうすると中学校から高校、高校から専門学校や大学、その後大学院など進学のための勉強に時間を費やして勉強のための勉強をしているうちに、進むだけ進んだところで

「はい、就職活動頑張ってください」と割と唐突に「職業と自分」という課題に向き合うことになるのですが、これにはとても矛盾を感じていました。

(ひょっとしたら今はそうではないのかもしれませんが。)
中学や高校時代に多くの職業に出会って「職業と自分」という課題に向き合ってこれたなら、もっと最短距離での進路選択や判断ができたかもしれません。

私の時代、「14歳の挑戦」はまだありませんでしたが高校時代にインターンシップというものがありました。
私は当時できたばかりの大型スーパーに行きましたが、品出しや倉庫の整理などをさせら、、体験させていただき、何日目かに冷凍室の整理をやった時には「ああ、社会に出て働くということはなんと辛いものだろうか」と実感したものです。

ですので、職業に出会う機会が少ないというよりは、職業に憧れる機会が少なかったと言った方が的確かもしれません。

私の時代はです。

なので、上市高校で2018年から行われている職業との接点を作る連携事業は非常に価値があるように感じています。

いろんな業種の職業の世の中における役割や面白さ、やりがいなどを知ることができる機会があるなんて、ものすごく有益な時間です。

私も2021年から「職業を知る会」に出させていただき、「デザインという仕事があることをもっと早く知りたかった」という自分がそこにいると思ってお話しさせていただいています。

今年で4回目。

1年目の時はA3用紙1枚に1文ずつ書いたものをファイルに入れて、

それをめくりながら額に汗しメガネを熱気で曇らせながら発表していたので、なかなかの「気持ち悪いおじさん」ぶりだったろうと思います。

そのころは概念的な話ばかりだったので、あまり良い反応を引き出せませんでしたが、

今は実際の案件をベースに、

こんな依頼が来て、こんな風に情報整理をして、こういうラフを描いて、こんな風に提案して、こんな流れで進めていきます。

という風に仕事の過程などを紹介し、どのようにして形になっていくのかを伝えるようになり、

生徒さんたちの興味関心の肌で感じられるようになりました。

 

この機会は、自分自身が仕事の面白さややりがいを再認識できる機会となり出ている側としてもとても有意義なものになってきています。

いつかこの中の誰かがデザインの道を目指してくれたり、一緒に仕事をする機会が生まれたりすると良いなと感じています。

いろんな業種でそんな流れが生まれれば、地域はどんどん楽しく明るいものになっていくんだろうなと思いを馳せています。

 


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