上市町でくらす

獅子舞の思い出 〜フォトロゲ前夜祭に寄せて〜

上市町のデザイナー伊東です。

私は子どもの頃、当時住んでいた北島の獅子舞に参加したことがあります。

その日々があまりにも色鮮やかに強く印象に残っているので、何年もやっていたような感覚でしたが、

今、あらためて思い起こしてみると、たった一度きりの参加でした。

私の両親は当時から飲食店を営んでおりましたので学校が終わったら店に帰り、夕方は別の校区にある祖母の家に行き、夜9時ごろに北島の家に戻るという生活をしていたため、確か小学校5年生ぐらいまでは獅子舞に参加していませんでした。

毎年祭りの日には獅子舞に出る近所の同級生達は学校を早退することが許されていて、羨ましさ半分、寂しさ半分で見送っていたのを思い出します。

それがどういう経緯かは覚えていませんが、6年生の時は私も参加できることになりました。

 

夕方学校から帰ってスーパーで好きなお惣菜を買い、一人で夕飯を食べて夜道を歩いて練習会場の公民館へ向かうという日々が始まりました。

小学生の私にとってはそのささやかな一人暮らし感も新鮮で、ちょっと大人になった気分でした。

 

夜の公民館、見慣れた顔、近所にいるのに全く見かけない人、大人も子どももたくさん集まって笛や太鼓、踊りの練習をします。

私は小学校の吹奏楽クラブで大太鼓と小太鼓(スネア)を叩いでいたので太鼓の担当でした。
練習は熱を帯びその熱気で部屋中がポカポカしていたのを覚えています。

 

迎えたお祭り当日

 

地区内を練り歩き、家々やちょっとした広場での演舞は練習とは全く違う空気で緊張感がありました。

 

村の祭りって面白いなと思ったのは、

高校生ぐらいか、もしかしたら20歳を超えていたのか、当時の記憶なのでわかりませんが、無口でおとなしいお兄さんが、天狗の面を被ると豹変して「ヒェーーー! フォーーー!」と奇声をあげて飛び跳ねるんです。

練習ではほとんど見かけなかったこの人、身のこなしも軽やかでカッコいいんですよね。

「なるほどこれは昔からやってたな」と小学生ながらに思いましたね。

 

その豹変ぶりを見て、ふと気になって周りを見渡してみると、いつもヘラヘラとおちゃらけてるおっちゃん達も

 

普段とちょっと顔つきが違って見えたんですよ。

同じ人なんだけど、別の顔。

 

別の空気が流れてる。

それが当時の私には不思議な感覚でした。

 

その時の感覚を今言葉にするなら、

「祭りって大きな生き物!」

体温があって、脈動があって、神気を帯びてる!!
祭りという大きな生き物の大きなうねりの中に獅子舞や天狗やお囃子があるんですね。

 

小学生の僕はその時、祭りという大きな生き物の存在を感じたのかもしれません。

 

何を言いたいかと言いますと、
10月5日、フォトロゲの前夜祭には北島、東種、広野の3地区から獅子舞がやってきます。この3つの地区から集まった大きなうねりを感じてみませんか?

 

10月5日(土)17:00 カミール前駐車場にて開催です!
飲食ブースや上市産黒毛和牛が当たる抽選会もあります!


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