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消えないで町のカルチャー
上市町のデザイナー伊東です。
先日たまたま入った富山市内のラーメン店にこんな張り紙がされていました。
閉店する日を何年も前から決めていて、後継者を募集。全てのメニュー、全てのノウハウを教えます!って。
なるほどこういう継承の形もありですよね!
家族が継がなければ終わりっていうのが地方の個人経営店ではほとんど。
地方でも大きな街の繁華街なら開いた物件に新しいお店が出来てということは起こり得ますが、
そうではない地域の方が多いのではないでしょうか。
上市でも例に漏れず、閉店する店は後を絶ちません。
私がよく行っていたところだと、
数年前にはお好み焼きの「おばこ」、昨年は居酒屋の「陣矢」が閉店。
慣れ親しんだ身近なお店がなくなっていくのはさみしいです。
さみしいだけならまだいいですが、文化的な喪失がとても大きい。
そして今年はこのコロナ渦で、よくお世話になった劔茶屋も閉店。
ジビエ鍋とかマコモダケの素揚げとか、いろいろここでしか食べられなかったものが食べられなくなってしまったのと、
お店に行った時にねじり鉢巻のマスターとの言葉のやり取りも好きで、それがなくなるのも喪失感が大きい。
マスターは70代半ばにして、いつも新メニューとか未来の話をしていて、バイタリティーがあって、いくたびに刺激をもらっていました。
また形を変えてやりたいとマスターが言ってくれているみたいなので心から期待!
上市町のような小さな田舎町にとっては飲み屋一軒、料理店一軒が街のカルチャーの一部であり中核ですから、
これがひとつ消えてしまうというだけで、文化的な損失がとても大きいのです。
ここ数年で新しいお店も出来てはきましたが、今後なくなっていく勢いもなかなかのものであろうと予測される中で、
この貼り紙のように気持ちや技量をもった人に継承して、店を地域に残していくような新たな形が求められますよね。
店がひとつなくなるというのは、町のカルチャーがひとつなくなるということ。
なんとかこういう地域のカルチャーを消さないアクションってできないものだろうか。