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家や家族のスタイルに則した要望を叶える
植木屋/たなべ
上市町内外の企業・個人宅の庭を手掛け、和風や洋風など、お客さんの要望に応じて仕上げていく。引き渡し後も、剪定作業などを通してお客さんと長くお付き合いしていく関係を築き、人間関係を大事にしている。代表の田辺 行雄(ゆきお)さんは、「人との関係は自分で築き上げていくもの。一度の出会いを一生のお付き合いにしていくような会社にしたい」と話す。
株式会社 常栄技巧さんからの紹介。
一度の出会いを一生のお付き合いに
――創業の経緯を教えてもらえますか?
18歳のとき、友人に誘われて造園業を始めました。そのときは、立山町や富山市で和風の庭を手掛けていました。28歳で一旦別の仕事に就き、海外にも行って戻ってから、デザイン会社に入りました。そこの外構工事施工部門でレンガやブロック積み、フェンスなど今風の施工を学び、門や塀、庭、植栽、アプローチ、車庫など、外構(庭周り)をできるようになったんです。32歳の時に独立し、個人事業を立ち上げて今年で7年目です。和風・洋風どんな形でもできます。
――庭造りの面白さはどんなところですか?
造ること自体も楽しいですし、お客さんに喜んでもらえるのも嬉しいですね。特に、お客さんが「こうしたい」と描いたものに対して、それ以上のものを提供したときに喜んでもらえます。心がけているのは、「当たり前のことを当たり前にする、+α(プラスアルファ)」。仕事が入ったら、その仕事をするだけでなく、家の前のごみも拾って帰るくらいの気持ちで行っています。
――素晴らしいですね。仕事でいつも心がけておられるのはどんなことですか。
お引き渡しのとき、自分の作品は完成品じゃないと思っています。庭は樹木が伸びて育つもので、5年後、10年後にやっと完成するんです。そのため、引き渡し後も、剪定作業などを通してお客さんと長くお付き合いしていく関係を築いています。上市町の企業の社長さんの自宅の庭を造らせてもらったときも、「自分が死ぬまで庭の手入れを続けてくれ」と言っていただきました。
――「死ぬまで」って深い言葉ですね。
はい。そういったことから、一度の出会いを一生のお付き合いにしていくような会社にしたいと決意しました。
――剪定は定期的に必要なんですね。
はい。庭木の剪定は、樹形を保つだけでなく、風通しを良くし、虫がつきにくくするという効果があります。木を元気にすると同時に、病害虫の発生を予防するんです。
――そうなんですね。ちなみに、クモもつきにくくなりますか?
クモは木には害を及ぼさないですよ。ただ見栄えが悪いだけ。他の虫を捕獲してくれる益虫ですが、クモの巣が嫌な方はこまめにクモの巣を取り除くといいですね。毛虫などには殺虫剤が有効です。虫は風に乗って木から木へと移動するので、薬をかけるならその木1本だけでなく、庭の木々に全体的にかけてあげないとダメですよ。
家庭円満の秘訣は庭造り
――仕事で大変なのはどんなことですか?
木に登っての高所作業が多いので、いろんな意味で危険は伴いますね。昔、落ちて景石(けいせき・日本庭園でところどころに置かれている石)に当たり、あばらの骨が折れたことがありますし、2カ月の間にアシナガバチに5回刺されたこともあります。
――5回も!
手や腕、まぶたをさされ、痛くてしびれてハサミを持てなかったです。でも、木の中に手を入れて作業するため、蜂にとってみれば自分のテリトリーに侵入した人間が悪いということになりますよね。木の上で、とぐろを巻いたヘビがいたこともありました。
暑い、寒い、汚れる。でもそれが仕事です。造園は趣味でやっている人達もたくさんいますが、素人と玄人の違いは知識と技術です。見た目を良くでき、そこに付加価値をどう比例させるかが大切です。「安ければいい」のではなく、「お金をかけてでもやってもらいたい」というお客さんに頼んでもらえるからこそ、そこに付加価値がつくんです。
――庭造りをされる上で、お客さんの要望をどう明確にしていかれますか?
「いいが(いい感じ)にして」とふわっとした言葉で言われることはよくありますよ。そういうときは、「こういうのはどうですか」と1つずつ提案していってプランニングします。もちろん、金額をかければいいものが出来上がるのですが、そこから予算に応じて減らしていくんです。面積のそう広くない庭でも、ちょっとした部分に施工したり、子どもが生まれたばかりの家に記念樹を植えるのと一緒にコンクリートへ手型・足型をつけ、レンガ積みにして埋め込んだりと、家や家族のスタイルによってどういう形にもできます。
「家の隣に庭があるから家庭がうまくいく」。お客さんの家庭円満のために、こういう気持ちで庭造りに取り組んでいます。
――「家の隣に庭で家庭」ですか、なるほど!
尊敬できる人との出会いが人生の喜び
――庭造りのポイントを教えてもらえますか。
その家の中から見る景色を基本にします。例えば立山連峰を背景にした庭の中に、山があり川があり、という流れを作ります。石や樹木などで高低差を作り、自然な雰囲気を作り出すのです。その家に住む人が見て、落ち着く形にするのがいいですね。庭の向こうの視界が気になる方の場合は、壁などを作って遮ります。
――背景が大事なんですね。
そうです。例えば大きな公園がある場合は、その緑も考慮して庭造りに活かします。
――造園作業は通常、どれくらいの日数がかかるものなんですか?
規模により異なり、1日で終わるものもあれば2週間ほどかかる場合もあります。大きい施工は、仲の良い業者仲間が何人もいるので、彼らに頼んで人員を増やして行います。
――造園業の方同士の仲間がいらっしゃるんですね。
修業時代に知り合い、「こいつ、やるな~」と思った人はみんな独立していきました。そういった仲間が大勢います。自分は20歳のときに職場で同僚とトラブルになり、辞めました。そんな時、親方から「『師』がつくのは人に尊ばれる仕事。庭師も教師や医師と同じ、『師』がついているその道のプロ。だからお前にはこのまま辞めずに続けてほしい」と言われた経験があります。 次の会社の親方には仕事と人間性を学びました。そういう風に言ってくれる人達と出会えたことが、人生の喜びだと思います。
――そうですね。どんな人と出会えるか、そこで何を気付くかで変わってきますよね。
人生の節々に、「この人と出会って自分が変わった」という「人との絡み」がありました。お客さんとの出会いも同じです。人との関係は自分で築き上げていくもの。その間に言葉があって初めて伝わります。…何だか真面目な話になりましたね。こんなキャラじゃないんですけど(笑)。
――(笑)。とてもいいお話を聴かせていただきました。田辺さん、どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
田辺さんが今まで手掛けられた庭や外構工事の写真を見ると、独特の温かさが感じられ、そこに住む人の要望が見事に叶えられているのだと思いました。お子さん誕生の記念に、記念樹と家族の手型・足型をセットにして造るなんてとても素敵ですね。「家の隣に庭があるから家庭がうまくいく」というのも興味深いです。 仕事に対する姿勢も、勉強になりました。
●DATA●
企業名 | 植木屋/たなべ |
住所 | 上市町久金新142 |
電話番号 | 076-473-8066 |
FAX番号 | 076-473-8065 |
設立年月日 | 平成21年 |
代表 | 田辺 行雄 |
事業内容 | 企業・個人宅の樹木の剪定及び管理、雪吊り、造園工事、外構工事、メンテナンス等 |
主な実績 | 富山市内外の個人宅作庭管理、県内スーパーマーケットの緑地帯・植樹帯管理 |
ホームページ | なし |
Facebookページ | なし |
勤務時間 | 8:00~17:00 |
休日 | 週休二日制、土曜・日曜(不定) |
従業員数 | 1人 |
過去3年間の売上高 | 右肩上がり |
過去3年間の採用実績 | 平成26年1人、平成27年2人、平成28年0人 |
福利厚生・情報 | 保険(健康、雇用) |