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祖母が暮らした町で「寝たきり予防」に取り組む鍼灸師
訪問鍼灸 SHINSAKA
高齢者向けの訪問鍼灸を行う鍼灸師の新酒遼さん。祖母が暮らした上市町に移り、「寝たきり予防」のためのサポートを鍼灸の施術と合わせて行いながら、南加積公民館で「寝たきり予防講座」を定期的に開き、高齢者の健康維持のためのコミュニティ作りにも取り組んでいる。
– 事業内容を教えてください。
高齢者に向けて健康保険適用の訪問鍼灸を行っています。
概ね70歳以上で足腰が弱い方が主な患者さんで、私が問診させていただいた上で、お医者さんに同意書を書いていただくことで、健康保険適用の施術を受けていただいています。
ひとりでも多くの方の寝たきり予防につながればという思いでやっています。
– 高齢者向けの訪問鍼灸なんですね。開業されたきっかけは?
3年前に祖母が亡くなったことがきっかけなんです。
その時私はすでに鍼灸師をしていたのですが、祖母に対して自分は何もできなかったという罪悪感があって。
当時は埼玉県の鍼灸院に勤めていたのですが、それがきっかけで富山に戻りました。
それで、祖母が暮らしていた上市町で高齢者向けの訪問鍼灸を始めました。
祖母は両足の股関節を骨折したこともあって最後は寝たきりだったんですよ。
– それで「寝たきり予防」に強い思いをお持ちなんですね。
そうですね。寝たきりになると、本人も辛いですが、家族の負担も大きいというのを見てきていたので、自分が訪問の施術をすることで寝たきり予防に貢献したいという思いと、ご家族の負担を減らすことに貢献したいという思いがありました。
– 鍼灸の診療もそうですが「訪問」というのも高齢の方やご家族にとっても助かるポイントですよね。
そうですね。施術以外の部分で、エアコンの操作がわからなくて困っておられる患者さんがおられて、操作の仕方をお伝えしたことがあって、エアコンも正しく操作できない夏場だと熱中症になってしまったり、冬場だと風邪をひいて体調を崩されるということもあるので、家族以外でそういうことをフォローできる存在って患者さんにもご家族にとっても意味があるのかなと感じました。
– そういうコミュニケーションが取れる存在って大切ですよね。
家族以外の人の方が言いやすいこともあると思いますので。
– そもそも鍼灸師を目指されたのは何かきっかけがあったのですか?
高校を卒業してすぐ別の業種の会社に就職したんですが、高校2年の時、部活での怪我で膝を手術をした影響もあって肉体労働が辛くてその会社をやめてしまったんです。
その時に、自分が怪我をして手術やリハビリをした時のことを思い返して、医療系の道に進みたいという思いが芽生えたんです。
そこからお金を貯めて20歳の時に新潟県のスポーツトレーナーの専門学校に入学しました。その後姉妹校に鍼灸の学校があるのを知って、より医療的ですし国家資格を取りたいという思いもあったので、鍼灸の学校に移りそこで資格を取って、埼玉県の接骨院や鍼灸院で勤務しました。そこで働いているときに祖母が亡くなって富山に戻り、2019年の7月に開業というところに繋がります。
– 今回新酒さんが「寝たきり予防講座」を公民館で開かれているとお聞きして見学させていただいたのですが、これは公民館のプログラムとして開催されているものですか?
これは私の方からお願いして公式のプログラムの隙間で開催させていただいているのですが、来年度から正式に公民館事業に組み込んでいただける予定です。
– 持ち込み企画なんですね!
そうなんです。私の施術の中でも鍼灸と合わせて運動の指導というのも治療の一環でさせていただいていることもあって、それを講座という形で開催することで地域の方に貢献できればという思いがあり、私の祖母が広野で暮らしていたということもあって南加積公民館さんに相談させていただきました。
– 運動の指導も専門的なことをとてもわかりやすい言葉で説明しておられましたが、元々治療の一環でやっておられたんですね!
そうですね。むしろこっちが大切だと思っています。
鍼とかお灸は痛みを取るという意味ではもちろん効果がありますが、症状の改善という点では必要な筋肉をつけていっていただくのがとても大事なので。
– 鍼灸師の方は皆さんそういうリハビリ的な運動指導をできるものなんですか?
鍼灸の世界は結構多様で、いろんなスタイルの方がおられます。その中で私は自分の経験や学んだことをベースに運動を取り入れたスタイルでやっています。というより「寝たきり予防」には運動を取り入れることがとても大事なのでそのようなスタイルになっているという感じです。
– 実際講座を開催されるようになって感じられたことはありますか?
第一回から毎回参加されている男性の方がいらっしゃるのですが、その方はすごく努力されていて、「歩き方」の講座を受けられてから積極的に歩かれるようになって、最近杖がいらなくなったそうなんですよ。
なかなかこういうことを地道に続けるのって難しいと思うんですが、講座では日頃やっておられることを他の参加者の方や公民館の方にも聞いてもらえたりするので、それが励みになって続けられるというのもあるかもしれないですね。
– 健康のためのコミュニティとして大切な場になっているんですね。
こういう地域のコミュニティは高齢の方にとって大事なものなんだなと実際やってみて感じました。高齢の方が孤独にならないように「話す場所があるので、歩いて来れる方はどんどん来てください」ってお伝えしています。来るのが難しい方というのも中にはいらっしゃるのでそういう方には私が訪問で行ければ。
– 上市で働く・暮らす上で魅力に感じられることはありますか?
人と人との距離感が近いというのは感じます。施術のために訪問してエアコンやスマホの操作の相談を受けたりっていうのもそうですし、暮らしている中でもお店とお客さんの距離感が近いのは感じますね。
あと立山連峰が綺麗ですよね。自分が住んでいた富山市や黒部市とはまた見え方が違って、運転中に心洗われます。
– 今後の展望を教えてください。
自分に関わってくれる方の健康寿命が伸びて、高齢者とご家族の笑顔に繋がってくれればいいなということを目標に引き続きやっていきたいなと思っています。
– ありがとうございました。
●DATA●
企業名 |
訪問鍼灸SHINSAKA |
電話番号 |
050-3716-6033 |
ホームページ | https://houmonharikyuushinsaka.com |
snskryo1014@gmail.com | |
https://www.instagram.com/shinsakaryo/ | |
代表 | 新酒 遼 |
事業内容 | 訪問鍼灸 |
営業時間 | 9:00〜18:00 |
定休日 | 土日 |
訪問対象地域 | 上市町、立山町、舟橋村、滑川市全域 |