-
はたらくらすコネクションin上市 > 企業・店舗ガイド > 07 医療・福祉 > 渡辺整形外科医院
患者さんの心に寄り添う地域に根差した診療所
医療法人 社団 双星会
渡辺整形外科医院
診療はもちろん、日帰り手術までできる整形外科専門医として、地域の患者さんの治療を行う医院。院長の渡邉省二さんは、大病院での勤務と地域診療の経験を活かし、患者さんの心に寄り添い、本人の希望やライフプランに添って治療を進めている。物腰が柔らかく、スタッフ全員に患者さんが相談しやすい雰囲気を大事にしている。最新式の検査機器やリハビリの装置などを導入し、骨粗しょう症の検査や禁煙外来なども行っている。
大病院での経験を活かして開業
――医院の成り立ちを教えてもらえますか?
昭和初期に、この場所で祖父が「荒尾医院」という内科の診療所を始めました。昔は結核など人にうつる病気も多く、大変だったと聞いています。昭和35年、父が「渡辺外科」として祖父の跡を継ぎました。外科という名前でしたが、風邪などの内科はもとより、胃がんや虫垂炎などの外科手術、骨折の手術も含めた整形外科、さらには皮膚科、耳鼻科の患者さんも診ていました。「舞鶴市での勤務医時代は、産科もした」と言っていました。
――産科まで! お父さんはそんなにいろいろされてたんですね。お医者さんて、専門の科が決まっているんだと思っていました。
実は、医師免許があれば、何科を専門にしてもいいんです。私の場合は、機械いじりなどが好きだったせいもあって、やはり父のように手術で患者さんを治す外科医を目指しました。そして最終的には、患者さんの多い整形外科を選んだわけです。
――そうなんですね。渡辺さんの経歴をお聴きしてもいいですか?
金沢大学附属病院や富山県立中央病院で整形外科専門医として、遠方から来院される重症の患者さんを手術で治すことで、医者としてのやりがいを感じていました。しかし平成9年夏、父が診療中に急死したんです。迷いはありましたが、近所から多くの患者さんが通院しておられたことと、開業するなら体力に自信のある若いうちにしようという思い、祖父の代から続いている診療所を守りたいという気持ちもあり、思い切って平成10年に「渡辺整形外科医院」として開業しました。今年で16年経ちます。当時は上市町を含め、中新川郡内に整形外科診療所がなかったので、自分の経験を活かし、生まれ育った上市町の住民のみなさんの健康のために役立てたいと考えたわけです。ただし、一方では専門医としての自分の腕はこれ以上伸びないのかなと思っていました。
ところが、実際に開業してみると大病院の勤務医時代には見えていなかった患者さんの気持ちをより身近に感じることができ、患者さんの気持ちに寄り添うことで、高度な手術でなくても役に立つことができるということもわかりました。また、患者さんが祖父や父の昔話をしてくださると嬉しく、継いで良かったと思います。
――どんな患者さんが来られますか?
ケガの急患が、日常的に来られます。あとは腰痛、ひざ痛、首の痛み、交通事故など…。インフルエンザの予防接種もやっています。入院設備はなくスタッフも限られていますが、手術室もあり、「ばね指(手の指におきる腱鞘炎の一種)」や「腫瘍切除」などの予約手術も行っています。
患者さんの気持ちに寄り添う
――どんな医院を作りたいと思われたんですか?
とかく医者と言うと、世間的には「威張っている」とか「患者さんに対して上から目線でものを言う」「説明してくれない」などのイメージがありがちです。ですから、当院ではそのようなイメージを持たれないよう、医師・看護師・リハビリ職員・受付事務員などの担当分野・職種に関わらず、スタッフ全員が患者さんの立場に立って、優しく思いやる気持ちで身の周りのことも含めていろいろな相談を受けるようにしています。患者さんの
気持ちを汲み、できる限り希望やライフプランに添った治療を提供し、きめ細やかに対応するようにしています。親しくなると言葉遣いが乱れがちになりますが、患者さんへの「ためぐち」はしないよう、ミーティングなどで常に話しています。
――患者さんの気持ちに寄り添われているんですね。
はい。病院や診療所には、一般のお店と違って体の具合の悪い方が来られます。そういう方が更に不愉快にならないよう、患者さんに満足して帰っていただけるような診療所を
心がけています。
――渡辺整形外科医院さんの強みは?
当院は個人の診療所ですので高度な先進医療はなかなか難しいですが、大病院よりも簡単な手続きで検査を受けていただけます。例えば骨密度測定装置があるので、骨粗しょう
症が心配な方は受付に申し出てくだされば、5分間で骨の強さを測定できます。レントゲン設備は、今年8月にリニューアルしました。日常生活において、ちょっとしたケガでももしかしたら骨折したのではと心配なこともあると思いますが、気軽に受診してレント
ゲン検査を受けることができます。心電図や動脈硬化測定装置、呼気一酸化炭素濃度測定装置もあります。
――呼気一酸化炭素濃度測定装置というのは?
数年前から行っている禁煙外来で使用しています。タバコを吸う人は口からより多くの一酸化炭素を出しているんですよ。
――そうなんですか、それを聞いただけでもタバコは体に悪そうですね。
そうなんですね。また、リハビリ室には超音波骨折治療器、水圧マッサージベッド2台、ホットパック、マイクロ波、低周波刺激装置、温水治療機などを備えています。さらに今年の9月に最新式の腰椎牽引器(ようついけんいんき)を2台導入しました。
――いろんな検査ができるんですね。
はい。また、大病院とは異なり、平日の午
後や土曜日も診療していることも、強みではないでしょうか。最近では県立中央病院や富山市民病院などは医師の紹介状がないと診察してもらえないというシステムになり、開業医の役割として「ここまでは自分のできること、ここからは大病院へ行ってほしい」とスクリーニング(選別)することも求められています。
――なるほど。あと、待合室から眺められる広い庭に癒されますね。
そうですね。リハビリ室からも眺められるので、いいのではと思っています。
患者さんの回復した姿にやりがい
●DATA●
――今、開業医としてやりがいを感じられるのはどんな時ですか?
ありきたりですが、病気が治った時の患者さんの笑顔と感謝の一言です。「おかげさまで、治りました」と言われるとやはりやりがいを感じますね。例えばぎっくり腰で動けない患者さんや急性の関節炎、腱鞘炎の患者さんへの注射がよく効き、劇的に痛みが取れた時。また、小さな子どもさんが腕を全く動かさなくなったとのことで、ご家族が非常に心配して来院される「肘内障(ちゅうないしょう)」というケガがあります。これを治した時の親御さんの嬉しそうな顔を見た時。さらに、重症の患者さんを見つけて大病院に紹介し、元気に回復して来られた姿を見た時などにもやりがいを感じますね。
――患者さんを治された時なんですね。あの、「肘内障」ってどんなケガですか?
ひじの脱臼のことで、腕を引っ張ったときになる場合があります。これは小学校に上がる前の幼児に結構多く、親御さんが心配されるので、当院オリジナルの説明文を作っています。
――あ~! 私も保育園児の時に友達と遊んでいてひじを脱臼したことがありました。
予防は、腕を強く引っ張らないようにすることです。もし、幼児が腕を痛がって動かさなくなったり上に上げることができなくなった場合は、整形外科を受診されるのが良いと思います。
新しい薬でリウマチの治療拡大
――今後、挑戦したいのはどんなことですか?
既に行っているんですが、上市町は交通が不便な場所も多く、高齢化も進んでいることから、往診や在宅リハビリテーションに一層取り組んでいきたいです。最近では「生物学的製剤」と言って新しいリウマチの注射薬(免疫抑制剤)で自分自身での注射が可能なものも出てきたため、それを用いたリウマチ治療を拡大していきたいと考えています。病診連携を通じて、重症のリウマチ患者さんがある程度落ち着いたら、当院でその治療を継続するというものです。
――そういうのもあるんですね。糖尿病の人が自分で打つ注射のようなイメージですか?
そうです、糖尿病のインシュリン注射や骨粗しょう症の注射のような感じです。安全性が高くなっていることもあり、遠くの大病院まで行かなくても近くの開業医でも治療が可能になりつつあります。あとは、ホームページ内のブログなど、Webを使った情報提供にも力を入れていきたいですね。
――分かりました。渡辺さん、今日はどうもありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
10年以上働ける居心地の良い職場
渡辺整形外科医院のスタッフによると、みんな仲が良く、働きやすい職場だそう。居心地のいい職場なので人の出入りも少なく、10年以上働いているスタッフが多数だということです。
医院の顔として患者さんに細やかな気配りを行う、受付担当の10年目の咲田優美(さくたゆみ)さんも、その1人。「まずは受付が医院の第一印象だということで、常に笑顔で患者さんに接するように心がけています」と話してくれました。
同じく受付の水野麻衣子さんは、12年目。「高齢の方が多いので、ゆっくり大きな声で話すように心がけています」とのことです。
開院半年後から務め、15年目になる看護師の森田美幸さんは、「診療時に先生の介助をしています。先生は患者さんの声に耳を傾け、納得いくまできちんと説明されるので喜ばれています。専門用語で難しい場合は、私が分かりやすく補足することもあります」と話してくれました。
「水圧マッサージベッド」というものが気になって聞いてみたところ、なんと試しに寝かせてもらえました。ウォーターベッドのような感覚で、マッサージや指圧のような手技治療を行えるものだそうです。ふわっとした不思議な浮遊感と、流れてくる音楽に癒されました。まさか整形外科に癒されるものがあるなんて、びっくりです! ほかの最新式の機械もすごいですね。私の中での「整形外科」のイメージが大きく変わりました。
待合室やリハビリ室から見える庭は800坪あるそうです。医院の中も明るく広々としているし、スタッフはみなさん仲が良い。こんな渡辺整形外科医院さんなら、ケガなどを治すだけでなく、患者さんの心もいきいきとしてくれるのではないでしょうか。
●DATA●
医院名 | 医療法人 社団 双星会 渡辺整形外科医院 |
住所 | 上市町上法音寺12 |
電話番号 | 076-472-0103 |
FAX番号 | 076-472-0703 |
開業 | 創業 昭和初期 開業 平成10年 |
院長 | 渡邉 省二 |
診療科目 | リウマチ科、整形外科、リハビリテーション科 |
主な実績 | 整形外科専門医として、腰痛、膝や肩などの関節痛、リウマチ、スポーツによるケガはもちろんのこと、健診や予防接種、その他の症状の相談などにも対応。簡単な手術もできる。メタボや骨粗鬆症に関して、動脈硬化測定装置や骨密度測定装置による検査が可能。禁煙外来も行っている。 |
診療時間 | 9:00~12:00、14:00~18:00 |
休診日 | 木曜・土曜の午後、日曜、祝日 |
駐車場 | 22台 |
ホームページ | http://www.ddmap.jp/0764720103 |
Facebookページ | なし |
福利厚生 / 従業員特典 | 保険(健康、雇用、労災)、厚生年金 |