上市町ではたらく

移住した町で、子育て&フリーランス

ehe (えへ)

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ベビー向けアイテムや布マスクなどのハンドメイドブランド「ehe」を主宰し、イラストレーションの仕事も手がける村上江奈美さん。2012年関西から移住し、上市の地で子育てをしながらフリーランスのクリエイターとして働く村上さんの「働く」と「暮らす」のリアルを伺いました。

 
 

上市町へ移住

 

――どのような経緯で上市に移住されましたか?

 

私は出身が滋賀県で、京都の専門学校に通って大阪で就職しました。

しばらく大阪でアパレルの企画の仕事をしていたんですけど、滋賀に一旦帰って今の夫と出会って、で結婚を機に富山に引っ越してきました。

夫が立山町の出身だったこともあって、最初は立山町の借家に住んでたんですけど、子供が産まれて手狭になってきたということで、中古のお家を探していて、たまたま上市町にご縁があって引っ越すことになりました。

知り合いが上市にいたわけじゃないので上市住んでみてどうって話も聞けなかったんですけど、一軒家でそこそこ広いところで子ども達を走り回らせて遊ばせたいなっていう思いがあったので、物件だけ見ていいところだなってだけで決めたんですけど。

 

――実際移住されてどうですか?

 

本当に事足りるというか、近くに役場があるしアオキの大きいスーパーがあるし、マックスバリューもあるし、日常生活ならわざわざ富山市内に行かなくても全然生活できる。

遊ぶところも色々今発掘してるところなんですけど、新しくなったあさひの郷公園、あそこも家から近いし十分遊べるし、カミールの2階も子どもが小さい時は行ってました。

病院も近くにあって、保育園のお迎え行った後にすぐに診てもらうこともできるし、病院が助かったかな。

あと、住んでから思ったんですけど、交通の便が良かった! 富山市とか魚津市とかちょっと行くにも遠い距離じゃ無いというか。実家滋賀県なんで帰る時も高速の乗り口近くなったし、便利だなってすごく感じます!

 

――逆に移住されて大変だったことってありますか?

 

滋賀で住んでたところがすごい田舎だったんで、逆にこっち方が色々あって楽しいなって思ってました(笑)。

私の住んでたところは本当に田舎で一番近くのコンビニまで車で15分ぐらいかかるところで、田んぼばっかり。徒歩の距離で琵琶湖があるんですけど。

こっちに来る前、富山ってどんなところなのかイメージなくって、遊びに行くにも関西の方に行ってしまってたんで、京都、大阪、名古屋とか。北陸来ることってなくて、まさか自分が住むことになると思ってなくて、なんの下調べもなく、富山って何あるんだろうって、雪すごいんかなぐらいだったんですけど、確かに住んでみて雪はすごかったけど、実家が福井寄りで雪の多いところだったので、雪に関しても別にそんな困りませんでした。去年はすごくてさすがと思いましたけど、それでも不便だとは思わなかったんですよね。都会から来られた方ならまた何か思われたかもしれないけど、私の場合は「なんかいろんなところがたくさんあるな」っていうのが印象です(笑)!

だから富山楽しんでる方だと思います私(笑)

 

フリーランスになり、ブランドを立ち上げる

 

――仕事の方はどのような経緯でフリーランスになられたんですか?

 

前職はアパレルの企画として、商品を企画して作り出すって仕事をしていたで、結婚してからも何かその方面でできないかなとずっと探してて、アパレル関係のパートをしながら、ハンドメイドで自分のデザインしたものを作って売るという事をやってました。

ハンドメイドの手応えとかやりがいが大きくなってきた時、「思い切って一回こっちの方でやってみたい」って夫にも相談してパートを辞めてハンドメイド一本になったんですけど、それが2年前ぐらいで、そこからイベントに出店させてもらったり、商品の委託販売先が増えていって、今に至ります。それが「ehe(えへ)」というブランドです。

 

――ブランド「ehe(えへ)」はどんなブランドでどんなものを作ってどんなことをやっているか教えていただけますか?

 

ベビー用のスタイやマスクカバーなどを作っています。

自分の子供が小さかったっていうのもあるんですが、前職でやっていたような大人用のシャツやズボンなど大きいものよりも赤ちゃん用のスタイとかの方がハンドメイドで展開しやすいなと思って、ベビーのスタイを中心に作り始めたんです。

元々絵を描いたりイメージしたりするのが好きでイラストをやっていたっていうのもあって、そこで自分の色を出して「手刺繍入り」っていうのを始めました。

生産性を考えると機械刺繍っていう方法もあるんですけど、手を使った刺繍には温かみもありますし、自分のイメージを表現しやすいんですよ。

 

 

 

――マスクカバーというのはどんな商品ですか?

 

コロナが流行り出した時に布マスクっていうのみなさん作られていたので、そこで手刺繍入りの布マスクを作りはじめて、今は不織布マスクのマスクカバーを作っています。

不織布のマスクってお肌が荒れる女性の方も多いので、市販の不織布のマスクを通して二重になるマスクカバーはそういう方に喜ばれています。

 

――eheの商品はどこで買えますか?

 

BASE(ネットショップ)で売ってるのとイベント出店と委託販売っていう販売経路で今のところやっています。

 

――委託販売ってどこに委託されてるんですか?

 

今ありがたいことにいろんなところから声をかけてもらって主に富山市で7軒ぐらい委託先があって、韓国子供服の取扱いのあるお店にスタイを置いてもらったりとか、マスクカバーだけのお店もあったりとかお店によって様々です。

 

 

――あとイラストのお仕事もされてるんですよね。

 

商品のデザインとかでずっと絵を描いていたっていうのもあるんですけど、本当にご縁があって「02」の表紙を描かせてもらったり、女性就労支援センターのLINEのアイコンのデザインや上市町の移住サイトのバナーも描かせていただきました。

 

――イラストの依頼はどういう繋がりで?

 

魚津市に、働くママを応援する団体「ココママ」を主宰している「ココマカロン」さんというお店があるんですけど、そこにマスクカバーを委託で置かせてもらっていて、そこに一緒に置いてある名刺に「ハンドメイドとイラストもやってます」って書いてあって、ココマカロンさんの取材に来られた02の企画の方がたまたま名刺を見てくれて、「この人イラストもしてるんだね紹介してください」って、ココマカロンさん経由で紹介してもらいました。

それで直接連絡を頂いて、「イラストされてるって聞いたんで描いてもらえませんか」っていう依頼をもらったっていう、本当にご縁で頂いたお話なんです。

イメージして描くことが好きなのでイラストは今後増やしていけたらいいなと思ってます。

 

フリーランスと子育ての1日

 

――現在2人のお子さんの子育てをしながらフリーランスでの仕事をされておられますが、1日のスケジュールってどんな感じなんですか?

 

例えば製作だけの日だったら、私は夜中にやるよりも朝方の方が集中できるので、3時に起きて、子供たちが起きてくる6時半から7時までの間にずっと刺繍作業をしたりだとか、カットしたり裁断したり縫ったりっていう作業をします。
子供たちが起きてきたら、準備させて保育園に送って帰ってきたら大体8時半ぐらい。

そこからとりあえず小一時間は家事をするんですけど、掃除機かけて、洗い物して洗濯をして、遅くても10時からは作業時間。

自分のタイミングでお昼食べたり食べなかったり、買い物行ったりする日もあるんですけど、でお迎えの時間の16時半までは作業の時間に当てるっていう感じです。

お迎えに行ってご飯の支度して遊ばせてお風呂入れて、21時ぐらいには寝かせて自分もそのまま寝るんです。そして次の日また3時に起きて。

 

――・・・ハードスケジュールですね!

 

そうですね、トータルでみたら(笑)。 家にいて全部作業時間に使えるならそれぐらい時間を使えるんですけど、例えば生地を買いに行ったりとか打ち合わせに行ったりとかになると午後全部潰れたりとかします。

月末になると委託先で締めをしてくれて、月初めくらいには無くなった商品を納品するんですけど、委託先が7軒あって、発送ではなく全部自分で持って行ってるので、なるべく納品もまとめて1日2軒とか行ったら、納品だけでも午前中いっぱいかかったりします。

なので1日作業できる日を確保っていうのがなかなか難しくって、それが課題でもあります。

 

――全て1人で行うとなると時間の使い方が大変ですね。お休みは取れていますか?

 

1日自分の本当のお休みを作るっていうのは難しいですね。家にいたら絶対作業をしてしまうので、それを夫に怒られたりします、ちゃんと休む日を作ってくれと言われたりするんですけど。自己管理が難しいですね!

 

――今後の展望は?

 

フリーランスの仕事に関しては今の状態を維持しつつ、収益面・認知の面でもうちょっとやりたいなっていうのがあるので、どう広げていくのかっていうのを今考えていて、ベビーだけじゃなくて違うアイテムのものを増やすのかとか、ただ単に商品数を増やすんじゃなくてリンクさせたようなものづくりができたらいいなって思ってて、今思っているのがチャーム、キーホルダーのおしゃれバージョンみたいなもので、それを作るにあたってイラストを織り交ぜたような何か作れたらなって思ってはいるんですね。ベビーだけじゃない商品だけど他にはないような私らしさで特化した何か作れたらなっていうのは思っていて、そこからどう広がっていくかは私もやってみないと分からないなと思ってるんですけど。イラストの方はご縁あって今年から色々お仕事させて頂いたので、こういうことも出来ますよっていうのをアナウンスして広げていけたらいいなと思っています。自分らしさや自分のできることを掛け合わせてそこでちゃんと収入に繋げていく形を模索しています!

●取材者ITO’s VOICE●

私自身デザイン事務所勤務からフリーランスになり、さまざまなご縁で革製品のものづくりで委託販売や卸へと広がり、今デザイン全般とライター業と自分のできることを形にしながら今自分にできることを常に模索してやってきているというところで、非常に似た境遇で共感できることが多いと感じました。勝手に同志のような感覚になってお話を伺っておりましたが、今後村上さんがどのように独自の形を作っていかれるのか想像するとワクワクします!

●DATA●

企業名 ehe えへ
Instagram @_ehe_2017
ホームページ https://ehe2017.thebase.in
代表取締役 村上 江奈美
事業内容 ハンドメイド小物制作販売、 イラスト、デザイン

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