上市町ではたらく

IT技術で地域に貢献

株式会社アルティネット

代表取締役の宮原さん(左)と常務の永井さん(右)

2020年11月26日に上市町西中町商店街内にサテライトオフィス(自治体主導としては県内初の事例)を開設した株式会社アルティネット。

東京都文京区湯島に本社を置き、インターネットを利用したシステム開発やコンテンツ制作を行うIT企業である同社は、どんなヴィジョンを持って上市町にサテライトオフィスを構え、ここを拠点にどんな事業を展開していくのか。

代表取締役社長の宮原哲也さんと常務取締役の永井浩和さん(上市町田島野出身)にお話を伺いました。

 
 

インターネット黎明期に起業

――普段はどんなお仕事をされていますか?

宮原 インターネットを活用したEC(ネット販売)やコンテンツ配信などの、WEB系のシステム開発をしています。主に企業向けよりは一般向けに、前の時代でいうとケータイ、今でいうとスマートフォンで利用するようなサービスを支えるシステムの開発を行っています。

どちらかと言うとウェブサイトの外側のデザインと言うよりは中身の仕組みの方ですね。

 

――具体的にはどんなことですか?

 

宮原 今でいうと例えばスマホアプリですね。アプリと連携するWEB側のシステムも合わせて作ります。例えばお店や施設などでこれまで紙で発行していたメンバーズカードをアプリ化して、ポイントを貯めて関連施設で使えるとかそういう会員サービスだったり、申込みのエントリーや決済をスマホで行う仕組みとかそういうものですね。ITに変換する、デジタル化して運用やメンテナンスも行うというイメージです。

永井 専用に一から作るフルオーダーのようなパターンもあれば既存のシステムをうまく組み合わせてセミオーダー的に作る場合もあります。

宮原 予算とやりたいことに合わせてご提案ご提供できます。

 

――会社を興された経緯は

 

宮原 1999年に会社を設立しましたが、その前は、親がやっていた土木建築関係の会社の跡取りでした。そこで営業や経営全般のことを学んだという感じですかね。90年代後半って、パソコンが普及し始めて、電話回線でパソコンを繋ぐ「パソコン通信」っていうのが始まって、そこからインターネットが普及していくんですが、その頃に「これからはインターネットの時代だ」って夢と希望が膨らんで、親の会社をやめてこの業界に飛び込みました。

 

――全く畑違いの分野からIT業界への新規参入、怖さはありませんでしたか?

 

宮原 ワクワクしましたね!だってあの頃のコミュニケーション手段って、電話と手紙とハガキしかなかったところに「パソコン通信」でメールとか、文字だけのグループチャットみたいなものが始まって、「インターネットだったらこれのもっとすごいやつだ」って、それこそ「画像や映像も共有できたりするらしい」って、今で言うと当たり前すぎるんですけど、あの頃は、「うわすげえぞ」って。
自分も初めてだけど、業界自体ができつつあるみたいな時代で先駆者がいないというのもあって、勝ち目あるんじゃないかって思ったんですよね。

 

――設立時は何人で?

 

宮原 2人ですね。もうひとりは5年ほど前に会社を分けるような形になって今はいないんですけど、彼はパソコンをいち早く使っていて彼のほうがエンジニアとして「プログラミングとかをやっていきたい」という感じで、僕は割とユーザー目線で「お客さん連れてくるからそれ作ってよ」みたいな。
企画と営業みたいな立ち位置でした。

 

――最初はどんなものを手掛けておられたんですか?

 

宮原 最初はお店のホームページづくりから始めたのですが、設立した年にDoCoMoがiモードというものを始めて、ケータイでインターネットができるようになったまさにスタートの年だったんですね。なので、早いうちからケータイ向けのECサイトを開発・構築したり着メロ・着うた・ゲーム・占いなどのコンテンツの配信をやるようになりました。

 

――時代はケータイからあっという間にスマホの時代に変わりましたが業界的にも大きな変化がありましたか?

 

宮原 ケータイって世界の中で日本が得意分野として発展して、まさにガラパゴス島のように独特の進化を遂げたんですけど、それを一変させたのがAppleのiPhoneですね!
もうまたたく間に変わっていきましたね。ケータイ時代にやっていたことは活かせるんですけど、アプリを作るために新たに技術習得しなければいけなかったり開発コストもかかりますし、事業モデルを変える必要も出てきます。
時代が変わる時、それに乗るか乗らないかってすごく大事で、乗らないと波が去っていくので、乗っていくっていうのは楽しさでもあり、時には苦しさにもなりますね。ケータイからスマホへというのと、サーバーからクラウドに転換するっていう波もありました。

 

求められるものの変化を感じ、サテライトオフィス開設へ

――そういった流れの中で、サテライトオフィス開設という風に地方に目が向いたきっかけというのは何がありましたか?

 

宮原 僕ら20年間、目の前のお客さんのニーズに応えるということをやってきたのですが、世の中が変化していて、これまでの経済至上主義から、人が幸せになるとか、自然環境を守るとか、社会が良くなることに企業も個人も価値を見出すようになってきたという変化を感じていました。設立20年を迎え、次のステージとして、我々の会社が存在することによって社会に価値を提供する。社会に必要とされるものに取り組んでいこうと考えました。そこで、何ができるかということを考えた時に、今まで東京だけで商売をしてきましたが、東京だけを見ていると、実は見過ごしていることもあるんじゃないかと。東京は、まだまだ全国各地から若い世代が集まるので活気もあるし経済もよく回っているんですよね。
一方で少子高齢化や空き家問題・限界集落といった問題は地方から先に進んでいっているということを見聞きするようになって、これ僕らになんとかできないだろうかと思ったんです。
そういう事を考えているタイミングで、以前から業界内で交流のあった永井と意気投合しまして。

 

永井 ちょうど私が前の会社を退社するタイミングだったんです。私自身も50歳を過ぎて、社会に貢献したいという思いが強くなっていたので、すごく話が合ったんですね。

 

宮原 行くとこ決まってないんだったらうちに来てくださいって。他にも声はかかっていたみたいなんですけど、うちに来てくれることになって。

 

――その時点でお2人ともサテライトオフィスの必要性って感じておられたんですか?

 

宮原 2011年の大震災で東京オフィスにも多少被害にあったんですね。その時から災害による事業継続対策として、拠点を複数にする考えも持っていました。北陸は東京に比べて災害が少ないですよね。今は千葉に住んでいて地震や台風の災害が多いので、北陸なおかつ富山はいいなと思っいて。

 

――永井さんは上市町出身ということですが、宮原さんはそれまで富山や上市との接点ってありましたか?

 

宮原 私は埼玉生まれ東京育ちなんですけど、母方の祖父母が富山の呉羽出身で、おにぎりはとろろ昆布でしたし、かまぼこはうずまきで。あれが普通だと思っていたんです(笑)。富山の味で育ったっていうのもあって、勝手にふるさとは富山っていう感覚もありました。
そんな中で上市町のサテライトオフィス誘致をするという話を聞いて。永井はこっちに同級生がいて、上市町出身者の首都圏同窓会に入っいて上市町とのつながりが強くて、そこから話がどんどん進んでいったんですね。その後にコロナが始まったんですけど。

 

――コロナがきっかけということではなく、その前から動いておられたんですね。

 

宮原 コロナの影響が後押ししたところはありますね。緊急事態宣言が出る前からテレワークに切り替えて、それで仕事が回せるような準備も整ってきたので9月からはテレワークを基本の働き方にしました。そうなると仕事の上ではどこに住んでいてもいいし、社員の採用もどこで採用してもいいという状況になってきたので、サテライトオフィスの開設という点では追い風になりました。

 

――上市町に実際に来られていかがですか?

 

宮原 去年の11月に初めて上市町に来てお話させていただいたんですけど、上市町は役所の方々のフットワークも軽くて、地元愛の強い人が多いっていうのはすごく感じました。東京だと自分の住んでいる地域を良くしようって動いている人はそこまで多くないので、そういう方々が身近に多くいるっていうのは上市町へのサテライトオフィス開設の決め手のひとつになっています。

 

上市町を拠点に未来へ向けたトライアルを

――これからサテライトオフィスを拠点にどんな展開を考えておられますか?

 

宮原 いろんなことがネットワークで繋がることによって、単に情報を受け取るとかそういうことじゃなくてアクションも起こせる時代になってきているので、農業とか林業、例えばイノシシの対策というようなところの課題解決にITを使うということも僕らが上市町でやりたいことのひとつです。

 

永井 国が提唱する未来社会の形としてSociety5.0っていうのがあるんですけど、遠隔医療であったりとか、無人トラクターを使ったスマート農業であったりとか、例えば買い物に行くのも大変な地域に自動運転のコンビニが順番に家を回ってくれるみたいなこととか実現可能になったりするのですが、それを実現しようとした場合、都会の方でやろうとすると特区を作らなくては実現できなくて規制が厳しいのですが、先に必要になるのは地方からなので、地方からトライアルしていくっていう形が理想的なのかなって思います。

 

宮原 地域の皆さんの声を聞きながら、僕ら1社だけではなくて、色んな分野に長けたメンバーを集めて作っていくっていうこともできると思うので、我々の拠点がここにあることによって実践できることも多いのではないかと思っています。

 

永井 実際にやっていくときには、多分足りないものとかも出てくると思うので、それを地元の企業さんとかとコラボすることで解決できるというのもあると思います。そういう部分が他の地域と差別化したモデルになると思いますので。

 

宮原 外からばかり集めてやるのではなく、地元の人たちと一緒に取り組んでいくような形ができればと思っています。

 

永井 ITはそれこそ電卓とかと同じであくまでツールであり手段なんですよね。何をするかが重要で、それは何を使ったらできるのかっていうところですね。この場所では地域の方や小中高生の皆さんがIT技術に触れてもらえる機会・接点を作りながら、一緒に新しい付加価値を作っていけたらいいなというのもサテライトオフィス開設の目的ですね。ITの部分では私達の分野としてお話できますし、例えばモノを作らなければいけないというようなところでは地元の製造業の企業さんに相談させていただいくという形で、みんなで作り上げて盛り上げていくということもできるのではないかと思っています。

 

――サテライトオフィスからどんどん可能性が広がっていくことを願っています!最後に、これから就職を考えていく方々へのメッセージをお願いします。

 

宮原 若い方は好奇心もあると思うので、都会に出たい、東京に出たいという気持ちもわいてくると思いますし、それは良いことだと思うのですが、今僕らがやっているようなサテライトオフィスとかってこれからもっと当たり前になってきて、業種にもよりますけど、どこにいても働ける環境もできてくると思います。
もし、上市町もやっぱり好きだし、でもITの仕事をやりたいって思う方は是非、一緒にやりましょう!
一緒に未来を作りましょう!
東京に出るまでもなく、例えばうちに所属してしばらく東京で働くっていうのもアリかなと思います。
1つの働き方の形として。町にいようが町から出ようが、僕らのような仕事であれば出来るので、そういう働き方もあるということを伝えたいですね。

 

――ありがとうございました。

 

●取材者ITO’s VOICE●

上市町にサテライトオフィスを構えられたアルティネットさん。 創業20年を超えるITのスペシャリストと言っていい企業ではありますが、 ここで掲げられているのは大きく一点、地方における課題解決。
自社の利益だけを求めるのではなく、上市町とのつながりを持ち、地域や事業、個人の課題解決のために、 「どうぞ私達を利用してください」という姿勢に心打たれました。 思えば世の中にあるあらゆる仕事はすべて何かしらの課題解決が基本。
どんな業種でも技術やノウハウは課題解決のための手段なんだということにあらためて気付かされました。 上市町に起こっている問題は日本全体にも起こっていて、今後日本と同じ社会問題を抱えていく国も多いであろう現実を踏まえると、 世界の先頭に立っているという見方もできます。 ここでの挑戦は世界の未来を明るくするための挑戦。みんなで未来を作っていく作業。これはとても夢のあることです。

●DATA●

企業名 株式会社アルティネット
住所

【本社】東京都文京区湯島3-34-6 湯島スクウェアビル

【上市町サテライトオフィス】上市町西中町24

電話番号 050-3629-1602(サテライトオフィス)
ホームページ https://www.ultinet.co.jp
E-mail info@ultinet.co.jp
創業 1999年 1月11日
代表取締役 宮原 哲也
事業内容 システム開発事業、データセンター事業
会社・製品の強み 経営理念である「インターネットとインターネットを支える技術で、一人でも多くの人を幸せにする」ことを実現するために、創業以来、目の前の顧客の要望に向き合って一心に取り組むことが、最も大切にしている私達の強みでしたが、そこからさらに展開して、社会の抱える多くの課題解決のために、私達の事業ドメインであるインターネット・ITに軸足を置いて、他分野の志を同じくする個人や、企業、団体の人達と力を合わせて、日々地道に取り組んでいくことを、私達の強みにしたいと思います。
上市町との関わり・創業の決め手 (インタビュー記事をご覧ください)
求職者へのメッセージ・アピール (インタビュー記事をご覧ください)
従業員数 20人(男性 15人、女性 5人)
過去3年間の採用実績

2018:4人 2019:7人 2020:0人


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