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未来へのシャッターが開いた
上市町のデザイナー伊東です。
私の事務所は上市町の西中町商店街の一角にあるカミールという商業施設の2階にあるのですが、
この一帯は上市町の商業の中心地だった場所です。
今は商業施設や役場、文化施設などが郊外に分散していますが、かつてはこのエリアにたくさんの商店や問屋、飲食店、役場などの公共施設、小学校、劇場、軽便鉄道の駅などが集まっていて、歓楽街もあったそうです。
民家も多く下町情緒溢れる非常に活気のある街だったそうです。
過去の記事にも書いたことがありますが、昭和30年代ごろに別の街から嫁入りされた方のお話によると、
他の地域とは違った独特の雰囲気というか、家族でも親戚でもない人でも「飯食わせてくれ」と頼まれると一緒に食卓を囲んだり、
味噌醤油の貸し借りは当たり前のとにかく人と人との距離の近い人情味のある街だったそうです。
そういえば私の父も街中にある本家に親戚3家族(4家族だったかな)で肩寄せ合って暮らしてたそうな。
たしか祖母も軽便鉄道に乗って街中の服屋で縫い子をしていたとか。
歓楽街の料亭では芸妓さんの三味線の音が鳴り、血気盛んな労働者が馴染みの店に通い、
毎晩どこかで喧嘩騒ぎが起こったりと、まあとにかく賑やかな街だったそうです。
タイムマシンがあったらその頃の街を一度歩いてみたいものです。
そんな商店街も時代の流れとともに、閉店が相次ぎ、シャッターが下りたままになったり住宅化したりと当時を想像することも難しいほど風景が変わりました。
街中の家や商店が空き家になり解体されて空き地になったり、駐車場になっていくと、小学校の帰り道に探検気分で歩いていた迷路のような路地も路地でなくなっていっています。
そもそも時代の流れ、人の流れで市が立って栄えた街ですから、
冷蔵庫の普及、テレビの普及、自動車の普及などなど、時代の流れで現在の形に変化していることはむしろ自然なことなのかもしれません。
それでもやっぱりあったものがなくなって風景が変わっていくというのはなんともいえない喪失感がありますよね。
時代が変わって、必要とされるものが変わってきている今、これからの時代の活かし方というのも間違いなくあるのではないかとも思います。
その第一歩として以前こちらのブログ記事で紹介しておりましたサテライトオフィス誘致事業。
東京湯島に本社を構え、システム開発やアプリ開発などの事業を行なっているIT企業「株式会社アルティネット」さんが、
2020年11月26日、ついにサテライトオフィスをオープンされました。
旧山本布団店さんの建物を一部リフォームして、地域の課題解決の一助となりたいとの思いでサテライトオフィスを開設。
自治体が主導するものでは富山県第一号とのことで多くの方がお祝いに駆けつけておられました。
私自身、誘致のサポートという形で開所前から関わらせて頂いておりますが、
「IT技術を用いた地域の課題解決に取り組んだり、地域の方と一緒になって付加価値を作っていきたい」
とのサテライトオフィス開設への思いにとても可能性を感じました。
ITを使って何ができるの?といまいちイメージしにくいかもしれませんが、
サテライトオフィスに常駐しておられるアルティネットの永井さんから教えて頂いた動画、
これ見るとわかりやすいです。
これは国が提唱するsociety5.0の動画。
このような未来への取り組みも実際の上市町の課題を踏まえた形でこの場所から実現できるかもしれません。
日本の地方が世界の最前線となって進行している少子高齢化や空き家問題、農業人口の減少その他芸術文化や教育などなど様々な分野で化学反応が起こり、
未来につながる上市モデルが作られていくのかと思うとワクワクします。
形になっていくのは少し先の話かもしれませんが、
アルティネットさんではサテライトオフィス開所以来、随時VR体験なども行なっておられます。
誰でも気軽にITの可能性に触れられて、地域事業者にとってものIT化の相談ができる場所ができました。
興味のある方はぜひお立ち寄りください。
また、アルティネットさんでは現在パートタイムのスタッフの募集も行っておられるそうです。
東京と上市とがひとつのサテライトオフィスで繋がり、様々なプロジェクトが進行していくことで、上市町での働き方の新たなモデルケースが生まれていくかもしれません。
パートタイムスタッフでの仕事に興味のある方も、ぜひサテライトオフィスへ!