-
はたらくらすコネクションin上市 > 企業・店舗ガイド > 19 小売 > ライブリード株式会社
リアルとネットを繋ぐ「ワクワク」ビジネスモデル
ライブリード株式会社
上市町正印に拠点を置くライブリード株式会社。ベビー用品やペット用品などを扱うネットショップを展開する同社は、町内の様々なイベントのほか県内の人気YouTubeチャンネルも賑わせているカモシカのゆるキャラ「三太くん」も所属?!幅広い年代がフラットに働く異色の企業にお邪魔してお話を伺いました。
カモシカのゆるキャラ「三太くん」
――以前から町のイベント等でカモシカのゆるキャラををよく見かけて気になっていたのですが、まず、あのキャラクターはいつどんなふうに生まれたのでしょうか?
彼の名前は「三太」といいます。2015 年に会社ができてネットショップが立ち上がり、2018年に私が社長に就任した際に、現在の上市のオフィスに移転し、その年の 12 月に誕生しました。数あるネットショップの中で差別化を図るため「ゆるキャラをお店の看板にしよう!」と社員と話し合い、生まれた日が 12 月 25 日なので「サンタ」と命名しました。
――ネットショップとゆるキャラ。どう関連するのか非常に興味深いです。あらためまして、事業内容を教えていただけますか?
「カモシカnet」というベビー用品・ペット用品を主としたネットショップを運営しています。三太はこのショップの店長をやっています。
――三太くんが店長なんですね!ゆるキャラが店長というのはとても珍しいと思うのですが、三太くんの店長としての役割は?
お店のシンボル・アイコンになってネットとリアルを繋いでくれています!
今、富山県や北陸の、三太がいと思ったもの、美味しいと思った食品の取り扱いを始めているのですが、三太が生産者さんのところに行って、生産者の方と一緒に写真撮ったり交流を持つことで、取引もスムーズに行くので三太店長はすごく優秀です!普通のおじさんがこれ売らせてくださいって行っても、警戒されるじゃないですか!(笑)
三太がきっかけを作って社員が全力で生産者さんを応援するというのが私たちの形です。
――ものすごく重要な役割ですね!
あと、普通のネットショップだけやってるとなかなかお客さんの顔って見えないんですが、三太がイベントに出ることでお客さんの顔が見えるんです。
結構奇抜なキャラなんで、三太がいろんなところに行くことによって、子供が笑ったりだとか、みなさん喜んでくれて。三太がいるおかげでリアルと接点を持てるっていうところが彼の存在価値かなと思っています。三太の存在のおかげで社員のみんなにも一体感が生まれて、モチベーションも上がったと感じています。
消費者の価値観がどんどん変わってきている中で、三太からものを買いたい、とかイベントで三太と一緒の時間を共有するっていうところで、これからも三太店長でいろいろアプローチかけていけたらいいなと思ってます。
ネットとリアルを繋ぐキー
――ただのマスコットじゃなくて、店長としてネットとリアルの接点を作るキーになっているんですね!
そうですね!
コロナ禍でも三太のおかげでたくさんの繋がりが生まれました。
元々はゆるキャライベントに出場したり県内だけでなく県外のイベントに参加させていただいていましたがコロナでそういう場がなくなってからは、SNSでの活動が中心になりました。
リアルな繋がりが作れない分、Twitter のコメントもひとつひとつちゃんと返信したりと SNS 上のコミュニケーションをすごく大事にするようになって、1年前は450 人だ ったフォロワーが約 6800人になりました。フォロワーが増えたことで一緒にものを作れそうな人が声をかけてきてくれたり、他県のキャラクターとコラボレーションでオリジナルグッズを作って、そのキャラクターのファンの方が三太のフォロワーになってくれたりと、ネットワークが広がっていきました。YouTube でも他のYouTube チャンネルから声がかかって出演させてもらうことも多くありました。
リアルの交流が無くなった分SNSでの交流でネットワークが広がったと感じています。
――それも「三太くん」というキャラクターの存在があったからこその広がりですね!
はい!
単純にネットショップだけやっていたらこのS N Sでのつながりも多分生まれていないと思います。
ワクワクから始まるチャレンジ
――今回オフィスに伺ってすごくオープンでフラットな空気を感じましたが、会社の企業理念・ポリシーはなんですか?
私たちの企業理念は「楽しく働き富山県からワクワクを」です。 自分たちが楽しくワクワクする気持ちを持って働いて、そのワクワクを自分たちの周り、上市町、そして富山県から全国へというふうに広げていきたいなと思っています。
――ここまでお話伺って私が感じたこと、そのまま企業理念ですね!実際オフィスに伺って、みなさん仕事を楽しんでいるというか仕事の時間を楽しい時間にしようとしているっていうのはすごく感じました!
そうですね。例えばオフィス内の人工芝も自分たちが楽しく働ける空間、来たくたくなるような場所にしていきたいなっていうことで環境づくりをしました。 それから、たまに「あれ?疲れたな」って思うと、「ワクワクしてなくないかな?」って立ち返ったり、あと何かを判断する時とか「これ本当にワクワクするのかな?」ってみんなでもう一回企業理念を思い出して判断するようにしています。
――社員の皆さんの年齢は様々なんですか?
年齢は 20 代の女性、30 代の男性、40 代の男性、50 代の私、60 代の男性、と 20 代か ら 60 代まで1人ずついますが、みんなそんなに年齢に意識はしてないですね。 思ったことはすぐ言うし、私も社⻑という役職についてますけど、怒られる時は怒られるしっていう(笑)本当にみんな変な上下関係、年齢、性別に縛られることなくやってくれてると思います。
――怒られることもあるんですね!
例えば私が「LINEスタンプ作るのが夢なんだよねぇ」って言ったことがあったんですけど、
「そんなのすぐできますよ!そんな小さい夢持つのやめてください」って返ってきて、実際数日で形になりました!
――アイディアが形になるのも早いんですね!
そうですね。三太が生まれた時もそうですが、 とにかくチャレンジしてみるというのがこの会社のスタンスです。 考えてるんだったらまず一回チャレンジしようっていう。早く取り掛かった分だけ、失敗しても取り返す時間がありますからね!
キャラクターを軸に繋ぐ、地域の魅力発信
――今後の展開は?
2〜3 年後ぐらいには全国から富山にゆるキャラを呼んでイベントを開催したいと思っています。 そのために、これからはいろんな人を繋ぐことをやっていきたいと思っていて、まずは富山県の中でコミュニティを作りたいと思っているところです。それから今はちょっと動きにくいですけど、全国を回って、キャラクターを通して県外の色んな地域・魅力も自分たちで発信しながら、キャラクターの軸で日本を繋いでいきたいなと思っています。 富山のコミュニティの人たちで、イベントに集まった全国の人たちに富山の良さを知ってもらって利用してもらって富山が盛り上がればいいなっていうのが今描いている近い未来の目標です。
そこに向けて、今YouTubeチャンネルなどでも富山の楽しめる観光スポットだとかを少しずつ紹介しています。
――若い世代へのメッセージをお願いします
人生楽しんでもらいたいなって思いますよね。嫌なことやって無駄に人生使うのはもったいないよって。自分の心に聞けば多分答えはあるはずなんだけど、みんな多分妥協していくんですよね。働かなきゃダメだとか、結婚しなきゃダメだとか、年齢とかそういうので。 けど一回きりの人生で、そんなに⻑くもないので妥協せずに、自分の心に素直に生きてほしいなって。 多分それがワクワクなんじゃないかなって思ってて、そうすると後で振り返ると後悔がないっていうか、失敗しててもあの時は自分が判断して楽しんだわけだから、しゃあないなって納得のいく人生になってるんじゃないかなって思ってます。 今まで世間体とか気にして窮屈に生きてきて、最近ようやく人生の楽しみ方を知って、どうしてもっと若いうちにって思いますね。だから若い人たちには自分の思ったことを後悔せずにやってほしいなと思います。本気で取り組めば仲間が集まり、願いはきっと叶いますから!
●取材者ITO’s VOICE●
今回取材させて頂いて、私の中にあった謎が全て腑に落ちました。
まず、なぜあのマスコットキャラクターが存在しているのか。生まれた理由は単なるノリではなく、「どうしたらワクワクするか」という一貫された問いから導き出され、その存在の価値はどんどん高まっているように感じます。そしてどんな事業を行なっているのか。お話を伺うと、とても先進的な取り組みであるように感じてなりません。ネットショップのブランディング手法として、新たなビジネスモデルと言ってもいいかもしれません。そしてこんな理屈っぽい理由づけなど必要ないくらいにシンプルに意思統一された「楽しく働き富山県からワクワクを」という理念。働く社員の皆さんは本当に自由に考え、話し、あっという間に形になる。これからの時代に必要と感じるものが、ごく当たり前に、空気のように存在していました。
●DATA●
企業名 | ライブリード株式会社 |
住所 |
上市町正印515 |
電話番号 | 076-461-4312 |
ホームページ | https://livelead.biz/ |
代表取締役 | 杉谷 光雄 |
事業内容 | ネットショップの運営 |
従業員数 | 6人(男性5人、女性1人) |
福利厚生 |
健康保険、雇用保険、 厚生年金等 |