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「カミイチ旅メイキングBOOK2020」に載らなかった気付き
上市町在住のデザイナー伊東です。
先月のブログでも紹介しましたが、「カミイチ旅メイキングBOOK2020」が1月15日発行となりました。
この冊子の中で最もページを割いているのが「外国人の視点」という名の旅のレポート。
今回の旅は上市在住のレイラニさんとホタデさん夫妻そしてアメリカから遊びに来たレイラニさんの友人サンドラさんとエリックさんの4人。
旅程を立てるためのヒアリング、友人を招く調整など、レイラニさんとホタデさんの協力によりこの企画は実現しました。
こういう企画を立てておきながら英語のできない私。
この外国人旅コーナーは実施にこぎつけるまでが本当に長かった。
資料を作成して、英訳して(もらって)、(通訳してもらいながら)ヒアリングして、また資料を作成して英訳して(もらって)、(通訳してもらいながら)行きたいところを選んでもらって…。
という具合にこのあともずっと英語のできる方にサポートしてもらいながら準備は続いていきます。
今回ほど英語が話せたらと思うことはありませんでした。
しかし勉強になりました。
資料でも会話でも、日本語の段階で簡単な単語でシンプルなものでないと、英語にしても伝わりにくいのですね。
まず、日本語は丁寧になればなるほど形式的な言葉が付け足されていってわかりにくく遠回しになるということに気づきました。
これを英語に訳すとかなりわかりにくいはず。
あとで聞いて驚きましたが、
お疲れ様です、ご苦労様です、よろしくお願いします
といった普段当たり前に使ってる言葉が英語には存在しないんですね!
日本語を訳しさえすれば伝わるということではないのですね!
語学力というよりは、早く伝わるコミュニケーション力。これがあれば英語力がなくても伝わるんだろうなと思いました。
日本人からも「回りくどい」とか「間が変」とか言われる私など、外国人にとってはとりわけ伝わりにくかったでしょうし、通訳さんも訳しにくかったことでしょう。
そんな外国人旅ですが、
・自然の中の寺社での体験は特別
・みなさん意外と箸が上手
・床に座るのが思った以上に苦手
・富山湾の魚はかなり美味しい
・ガイドツアーの満足度がかなり高い
・日本の文化や地域の文化を知ってもらうオリエンテーションがあるともっとよかった
などなど、印象的なことは
冊子の振り返りインタビューまで読んでいただくとわかると思うのですが、
今回ページ数の都合と、旅というテーマから少し外れることで掲載していない印象的なエピソードがありました。
それは1日目の夕食後に行ったBar Nagiさんでの、
カラオケでのひとコマ。
今回のメンバーは上市在住のレイラニさんとホタデさん夫妻、アメリカから初来日のサンドラさんとエリックさんの4人。
レイラニさんとサンドラさんは大学時代の友達でエリックさんは2人の2年先輩ということで、
大学時代に戻ったかのような雰囲気で当時流行ったと思しきアメリカのヒットソングを歌い合ってとても盛り上がっていたのですが、
何曲かう~んと首を傾げてなにかつぶやきながら演奏停止をした曲があって、通訳をしてくれた方に聞くとどうやら「人種差別的な言葉が入っているから」とか「このあとは汚い言葉が続くから」と言って消していたというのです。
そのような言葉がカラオケの画面に出て歌ったところで、これに気づく人が周りにいない日本の片田舎のスナックバーで、これはいけないと消すのです。
誰かに聞かれるとまずいというわけじゃなくて言葉に出すこと自体がイヤなのでしょうから、これは彼らの道徳心なのですね、きっと。
これがアメリカの教育によるものなのか社会人になってから養われた感覚なのかはわかりませんが、驚きました。
日本人で同じようなことをやっている人など見たことがありませんので。
意外な形で「アメリカ」が見えた、とても印象的な出来事でした。
そうそう、カラオケと言えば、最後に歌った曲をムービーで撮ったレイラニさんがすごく喜んでいたのが「YMCA」を私が西城秀樹バージョンで、彼女らが本家ヴィレッジ・ピープルの英語バージョンで歌ったもの。現地の人と英語と日本語とで一緒に歌う。
これもまたかけがえのない旅の思い出となるのですね。
私たちが旅を作っていく上で、観光に携わっていく上で大切にすべきことがたくさん見えた、本当に貴重な学びとなりました。