「上市まちづくりトークvol.3 観光で町全体にワクワクを」イベントレポート2

上市まちづくりトークvol.3

上市まちづくりトークvol.3

「はたらくらすコネクションin上市」をご覧のみなさま、こんにちは。

 

前回は、8月31日(木)にカミール4階ホールで開催された「上市まちづくりトークvol.3」のレポート1をお届けしました。

 

講師は、長野県下高井郡山ノ内町(やまのうちまち)の活性化に取り組む株式会社WAKUWAKUやまのうち 代表取締役社長 岡 嘉紀(よしのり)さん。

 

レポート1を簡単に振り返ると、

・温泉に入るニホンザル(スノーモンキー)を見に外国人観光客が増加

  ↓

・日帰りでなく、宿泊してもらうための仕組みづくりを考える

  ↓

・イベント実施を通して地域の人との人間関係を築く

   ↓

・現在ある店舗等を補完する店舗や施設を、既存建物をリノベーションしてオープン

という流れでした。

 

実はそこには、かなり戦略的な展開があったのです。

以下、箇条書きで紹介していきますね。

 

ハードとソフトのスパイラル

ハードとソフトのスパイラル

ハードとソフトのスパイラル

・地域の状況を踏まえてハードとソフトの展開を構成し、戦略的に実行していくことで自律的な観光活性化を目指す。

 

・2016年度はインバウンドを対象としたハード整備を一気に行うとともに、スノーモンキーをアイコン(象徴)とした情報発信を「宿泊と周遊の促進」を目的として行っていた。

 

 2015年12月 イベントを開催し、きっかけづくり(ソフト)

 2016年4~10月 インバウンド観光客向けの施設整備(ハード)

 2017年10月 インバウンドを中心に冬期の滞在コンテンツを整備(ソフト)

 2017年4月 国内女性客向けの施設(ハード)

       国内女性客向けのツアー・インバウンド向けのツアー(ソフト)

 

山ノ内町のPR

山ノ内町のPR

・ツアー企画のPR

 →付加価値の高いものだけにフォーカスして写真を大きく取り上げ、ボリュームを多く見せる。そうすることで盛り上がっている感じを作り出す

 →イラストにしても、全てを描くのではなく、注目してもらいたいものを取りあげる

 

・企業との連携を促進…農業体験、農産物直売(会員向けサービスとして)

 

取り組みが山ノ内町にもたらした変化

・まちづくり会社は1つでなく、2~3つあって競い合うことで活性化する

・インバウンド(外国人観光客)は増加している

・40代未満の男女、個人手配の滞在型を大正とする観点で、訪日外国人を想定した街並み整備や情報発信を、国内の同様のターゲットに対しても訴求し得る絶対的付加価値を構築するという打ち手(仮説)で進めた

 

町に「なりわい」が生まれる観光を作るポイント

・資金繰りも含めてサポートする

 →WAKUWAKUやまのうちは、将来の地域の担い手を育てるため、起業のプロセスの初期段階を内部の事業として行い、事業の成長フェーズでの独立も支援する

・UターンやIターンの人が創業し、仕事が生まれる仕組みが必要

 →山ノ内町では、Uターンの若者(AIBIYAの高橋さん)が加わったことで、取り組みが進んだ

 →友達の友達を呼んでくる流れができた

・地方銀行との連携

・受け皿を作って告知

・ファンドと融資、新規融資が生まれ、それを継続的にサポートすることで事業が成長する

 

住民・企業・行政の協働のポイント

・行政はバランスをとるのが仕事。初めから行政には頼らない

 

上市町のポテンシャル

・大岩、剱岳といったコンテンツは既にある

・農業を含めた観光のポテンシャルもある

・受け皿を作って推進すればいい

・古民家を活用する新しい取り組みがいいのではないか。長野県の山翠舎(さんすいしゃ)さんは古民家再生や移築が得意

 

今回のトークセッションを聴き、上市町でも取り入れられることがたくさんあると思いました。

特に、ツアー面。「美と健康ツアー」「食べ歩きツアー」といったコースを作れば参加したい人も多いのではないでしょうか。

過去に、ゆるりんぐの「上市まちあるき_市姫あんばやしツアー」に参加したことがあります。

「食べる」「健康」「美しい」というキーワードは、どうしても心をくすぐられます。(私だけ?)

 

また、Yamanouchi Lantern(ヤマノウチ ランタン)のようなイベントも素敵ですね。

宿泊施設も選択肢が少ないので、山ノ内町が羨ましいです。

AIBIYA(あいびや)さんは朝食付きで3,800円~なので、かなり安価ですよね。)

 

ただ、県外のいろんな事例を見ても、重要なのは「誰がやるか」なのではないかと思いました。

行政が主体でやるのではなく、WAKUWAKUやまのうちさんのような民間のまちづくり会社なり人なり、主体的に動く人が必要だと思います。

さて、上市町ではそれは誰が担うのでしょうか…?

 

加形’sボイス

上市町の観光にはものすごいポテンシャルがあると思っていたので、 町のサイズ的にはそう変わらない湯田中の成功例に勇気をいただきました。

 

特にポイントだと思ったのは「ハードとソフトのスパイラル」。

飲食やお土産など、観光を産業としてとらえたときに長く滞在していただくためには 宿泊や交通などの充実が欠かせませんが、この実現には多様な方が長期的に 取り組むことが大事になってきそうです。

 

また、今回の講演会は、専門性が高いテーマに関わらず、50名を超える方にご参加いただいたのも画期的でしたね。

ぜひこれから町に観光をみんなで盛り上げていけるよう、私もお手伝いしたいと思います。


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