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「上市まちづくりトークvol.3 観光で町全体にワクワクを」イベントレポート1
こんにちは、古野です。
今日は、8月31日(木)にカミール4階ホールで開催された「上市まちづくりトークvol.3」のレポートをお送りします。
「上市まちづくりトーク」は、平成28年度から上市町の移住促進・産業振興などに携わっている企画課参与の加形拓也さん(電通)の企画。
全国でまちづくりに関わる方へ声をかけ、現地の事例紹介と上市町に活かせることはないかを探ります。
毎回、上市町の観光や移住・定住、政策に関わる各方面の方々が参加し、多面的な視点で聴いています。
私もこれまでのvol.1、vol.2に参加し、トークセッションを聴かせていただきました。(vol.1の様子はこちら。)
取り組みのきっかけ
3回目となった今回のテーマは、「観光で町全体にワクワクを ~温泉に入るサル(スノーモンキー)をフックにしたまちづくり・ひとづくり・情報発信~」。
講師は、株式会社WAKUWAKUやまのうち 代表取締役社長 岡 嘉紀(よしのり)さんです。
岡 嘉紀さんのプロフィールは加形さんの「いったりきたり日記」より。
1977年兵庫県三原郡西淡町(現・南あわじ市)生まれ。2000年関西学院大学経済学部を卒業。繊維メーカー勤務ののち、投資会社やコンサルティング会社において観光・流通・環境・災害復興支援など幅広い分野で事業プロデュース・事業戦略コンサルティングに携わる。2015年から現職。地域での起業支援や地域活性化のモデル創出に取り組んでいる。
スノーモンキーとは、長野県下高井郡山ノ内町(やまのうちまち)にある「地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)」の温泉に入るニホンザルのこと。
地獄谷野猿公苑のホームページには、このように書いてありました。
1970年、米「LIFE」誌の表紙に掲載され海外にも報道されました。1998年の長野冬季オリンピックの際は選手、大会関係者、報道関係者等、世界中からの人々が大勢訪れ、話題となり、広く世界中に知られるところとなりました。
海外で報道されたことで外国人観光客が増えたものの、当初はサルを見て帰るだけ。
彼らを町に滞在させるための取り組みを仕掛けたのが、岡 嘉紀さんの立ち上げた株式会社WAKUWAKUやまのうちでした。
株式会社WAKUWAKUやまのうちは、長野県の地方銀行である八十二銀行がリードし、県内の全金融機関と地域経済活性化支援機構(REVIC)によって設立された「ALL信州観光活性化ファンド」の第一号出資案件です。
地域に入り、個から面の支援となるよう2013年4月に検討を開始。事前調査・ヒアリングを行い、10月にはまちづくり会社設立準備検討会を始め、以降は月1回の開催。
2014年にまちづくり推進組織が設立されたあと、REVICの支援も入り、2015年8月に株式会社としてWAKUWAKUやまのうちがスタート。事業を本格化させました。
では、ここからは講演の内容を箇条書きで紹介していきますね。
きっかけは外国人観光客
・山ノ内町は外国人宿泊客が多い。
→外国人をきっかけに、日本人もいずれ増加させたい。データの裏付けをもって仮説を立て、ターゲットを絞った。
・宿泊と日帰りでは、地域に落ちるお金が全然違う。
・宿泊できるところがないと訴求力が落ちる。
→インバウンド(外国人観光客)誘致に成功しているA旅館では、外国人客を3割に保ち、インバウンドをきっかけとしてターゲットとコンテンツを連動させて訴求力を高め、集客を強化。
・山ノ内町にはいくつか温泉郷があるが、その玄関口である湯田中(ゆだなか)温泉のかえで通りにフォーカスし、インバウンドの滞在環境を整備することにした。
まちづくり
・湯田中駅前の通りに、インバウンド観光客の滞在環境を整備した。
→必要な機能は、案内所、カフェ、ビアバー、レストラン、ゲストハウス、B&B(bed and breakfast、比較的低価格で利用できる朝食付きの宿泊施設)、情報発信。
→既に営業している店舗等を補完する機能。既存旅館とは競合しないよう、異なる客層をターゲットとするもの。
→使われていない店舗や旅館など遊休物件をリノベーションし、足りない機能を補完する取り組みを行った。
→それぞれ、外観を残しながら元々の通りのイメージに合わせるようなリノベーション。
・HAKKO(はっこー)…旧青果店→ビアバー&レストラン、地元食材×信州発酵文化
・CHAMISE(ちゃみせ)…旧洋品店→カフェ&スペース、お茶のメニュー
・AIBIYA(あいびや)…旧旅館→ホステル&カフェ、朝食付き、3,800円~、インバウンド向けなので和室にベッド
・ZENHostel(ぜんホステル)…外部事業者が運営するホステル、2段ベッドのドミトリー(相部屋)と和室がある
ひとづくり
・経営者人材の、将来の地域の担い手を育てるため、起業のプロセスの初期段階を内部の事業として行い、事業の成長フェーズでの独立も支援する。
・根本的にやりたいことを阻害すると、モチベーションダウンしてしまうため、個人の思いを尊重。
情報発信・イベント
イベントを通して地域での人間関係を作り、インバウンド施設などを作る前の準備とした。
・ナイトフォトツアー…2015年10月開催。志賀高原にある山の山頂で星空や夜景を撮影するツアー。軽食サービスあり。
・Yamanouchi Lantern(ヤマノウチ ランタン)…2015年12月~2016年3月に開催。湯田中駅前のかえで通り全体にランタンを灯し、旅館でインスタレーション(地域の資源を活用したアート作品)を展示。
・2016年度はインバウンドを対象としたハード整備を一気に行うとともに、スノーモンキーをアイコン(象徴)とした情報発信を「宿泊と周遊の促進」を目的として行っている。
少し長くなったので、イベントレポート2に続きます。