時間と場所を超えて繋がれるインターネットラジオ

カミイチノラジオ「カミラジ!」

 

上市町の在住者と出身者が繋がって作るインターネットラジオ「カミイチノラジオ『カミラジ!』」。現在局長を務める高井昭博さんは埼玉県熊谷市でFMラジオ局を立ち上げ、妻の貴子さんは同ラジオ局のパーソナリティーでした。2023年のUターン移住を機に「カミラジ」に合流したお二人のこれまでの挑戦と音声メディアの可能性についてお話を伺いました。

局長 高井昭博 さん パーソナリティ 高井貴子 さん

 
 

あらためて、カミラジ!とは

昭博さん 上市町に暮らすメンバーと首都圏に暮らす上市出身メンバーが繋がって作るラジオです。ラジオと言ってもインターネットで配信される音声メディアで、スマホのアプリなどで聴くことができるものです。2022年の7月から配信が開始されていますが、私達は開始から約一年後、埼玉から上市へのUターンを機に加わりました。今現在、我々を含めて12人のメンバーがいて、不定期で配信しています。

 

どんな番組が配信されていますか?

昭博さん 上市町にまつわることをテーマに上市側のメンバーと首都圏側のメンバーがパーソナリティとなって収録する形が基本形です。内容は、メンバー同士の雑談回もあれば、ゲストをお招きする回、町の歴史を深掘りする回など多様で、これまで170本以上が公開されています。最近では公開収録を行うことも増えてきました。つるぎフェスティバルやフォトロゲイニング、はたちのつどいなどで収録させていただいています。

つるぎフェスティバルでの公開収録

カミラジの面白いところは?

昭博さん 「上市町」をテーマに、場所や時間を超えて繋がれるところです。カミラジは首都圏と上市をオンライン会議アプリで繋いで収録することが多いのですが、上市町のことをテーマにしていると、出演者同士もつい離れていることを忘れてしまいますし、上市を離れている方でも、聴けば上市町がとても近い存在になると思います。また、例えばゲストの方に昔の話をしていただくような回は、我々が見たことのない昔の上市の様子を想像することができて、時間を超えて繋がっている感覚にもなれます。

 

貴子さん パーソナリティも面白いです。それぞれ職業も多種多様で、カミラジがなかったら顔を合わせていないんじゃないかっていうぐらいそれぞれのカラーが違うんです。

 

高井さんとカミラジとの出会いは?

昭博さん 2022年の8月にカミラジが町の広報の表紙になっていたのを、たまたま実家に帰省した時に見て、「上市でラジオをやってる人たちがいるんだ!」と思って早速聴いてみたら先輩が出てたんです。当時私はラジオの仕事をしていたので、嬉しくなって、そのまま役場に行きました。「つながりたいです!」って。 しばらくして先輩から連絡をいただいて、私がゲストという立場で収録に参加させていただいたのがカミラジとの初めての接点でした。

 

FMラジオ局を実際に立ち上げられた高井さんが、外から見たカミラジはどんな印象でしたか?

昭博さん 熊谷でFM局を立ち上げた一番最初の頃の空気と重なって、すごくワクワクしました!新しい挑戦を始めてるんだなって。

 

貴子さん 私は全国の広報をスマホで見るアプリで上市の広報も見てて、夫から「俺カミラジに出たよ!」って教えてもらってから結構聴いてました!

 

昭博さん 妻が多分一番聴いてます! もう隅々まで!

 

貴子さん なので上市に移住して、カミラジに加わった時は、「いつも聴いてる人が目の前にいる!本物だ!」っていうファンの気分でした(笑)。

 

そんなに聴かれてたんですね! 当時はお二人とも熊谷のF Mラジオ局に在職中かと思うのですが、その後Uターンされてカミラジに加わられた経緯は?

昭博さん 私は高校卒業後、熊谷の大学で放送サークルに入って、地域の方とラジオをやっていたんです。その時期に繋がった仲間と一緒に「熊谷にラジオ局を作ろう」という話になって、自分たちで出資を募って、8年かけてコミュニティF M局を開局しました。そこで今の妻とも出会って、お互いにパーソナリティーをやっていたんですけど、家庭の事情もあって私がUターンすることを決めた時に、「一緒に来ませんか」という感じで。婚姻届は上市で出しました!

 

貴子さん 私は当時、平日はフルタイムで働いて、土日にラジオパーソナリティという生活で、本当に楽しくてずっと続けたいという気持ちだったんですけど、移住するというのは一生に何度もないことなので、私は楽しみでした。移住ってもっと孤独や不安がありそうなものなんですけど私はワクワクしていました。

 

昭博さん Uターンを機にカミラジに加わることになったのですが、カミラジの存在も大きかったのかもしれないですね。

 

Uターン後、お二人が加わってから印象的な配信回はありますか?

昭博さん 一番は「はたちのつどい」での公開収録ですね。

 

貴子さん 外せないよね! 是非聞いてほしいです!

 

昭博さん 二十歳の人たちってこんなに地元の未来のことを考えているんだなって驚きました。自分が二十歳の頃よりもずっと意識が高いんですよ。「この町どうなっていくんだろう」というネガティブにも話せるようなテーマをみんなすごくポジティブに捉えていて、しかも自分には何ができるかという視点で話しているんです。

 

貴子さん 地元愛もすごく感じました。学校の先生を目指していて、最終的には「上市で」先生をやりたいとか、飲食店がなくなってきているから「自分が飲食店をやりたい」とか。あとは町の未来のこともすごく考えていて、「子供達が遊べる場所をもっと増やしてほしい。」という言葉が出たのも印象的でした。自分たちの遊び場じゃなくて、後の世代のことを考えてるんです!

 

昭博さん しかもみんなキラキラした表情で話すんですよ。もっと批判的な言葉があるかなと思っていましたが、全くなくて驚きました。本当に刺激をもらった収録でした。

 

今後カミラジの活動の中で、挑戦したいことはありますか?

昭博さん 「挑戦する人を応援する番組」を作れたらいいですね!学生の部活とかスポーツチームとか、文化部でもいいと思います。何かに挑戦する時、言葉にすることで湧いてくる力ってあると思うので、そういう形で挑戦に関われるっていうのはラジオならではだと思います。

 

  貴子さん 私は上市高校の放送部の皆さんなどと何か一緒にできたら面白そうだなって思っています。

 

昭博さん 面白そうだね! カミラジを通して、いろんな挑戦が生まれるようになるといいですね。音声配信ってサービスがなくならない限りはデータがずっと残っていくので、今録ってる声を百年後の人が聞いていたりということも可能だと思うんです。そうなったら面白いですよね!ものすごく歴史的な資料になります。これからもマイペースに、メンバーみんなで長く続けていけたらと思っています。

 

ありがとうございました。

●DATA●

名称 カミイチノラジオ「カミラジ!」
局長 高井 昭博
X(旧Twitter) @kamiraji

配信 ApplePodcast Spotify
活動内容 上市町在住者・就業者と出身者で運営されるネットラジオ

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