出身者と故郷のつながりのカタチ

上市町首都圏同窓会

 

町の移住定住政策の一環として行われた「かみいち若者同窓会in東京」への参加をきっかけに出身者の呼びかけで設立された「上市町首都圏同窓会」。東京都内でのよりカジュアルな出身者の交流会として開かれた「たまりば かみいち」やコロナ渦においてもメンバーのひとりが進行役となるオンライン交流会など出身者同士の交流が深められるにつれ、その活動は出身者と上市とのつながりへと輪が広がり、首都圏で奮闘する出身者を上市町民に紹介する、町報での連載企画「#東京で生きる」や動画投稿サイトYouTubeで10万再生回数を超えた「オンライン帰省どうけ?」など、出身者とふるさとの新しい繋がりの形が構築されている。上市町首都圏同窓会の運営メンバーの代表早川恭平さんと坂口祐介さんにオンラインにてお話を伺いました。

 

「つながり、つづく」出身地とのこれからの距離感

――上市町首都圏同窓会はいつどのように立ち上がったんですか?

 

代表早川恭平さん

坂口祐介さん

 

早川 上市町が主催していた「かみいち若者同窓会」への参加がキッカケです。
僕はちょうど30歳を過ぎ、こっちで結婚をし、家を買ったタイミング。「上市へは、もう帰らないんだな」、「富山とか上市の繋がりはなくなっちゃうんだな」と、なんとなく寂しさを感じていたところだったんです。
そんな気持ちもあって「かみいち若者同窓会」に参加したのですが、行ってみると自分と同年代の若い世代がいなくて(笑)
それで次の年から坂口くんとか同世代に声をかけていったんです。

 

 

坂口 早川くんが行った時に「若者があまりいない」って連絡があって!
それで「かみいち若者同窓会」のビジュアルを見て「あ、上市(笑)」って思い出させてくれたんです。体操服とかバッグとか(笑)
僕はちょうど東京に戻ってきたタイミング(それまでは岩手県勤務)で、早川くんと連絡とったのも約10年ぶり位、それから早川くんとかりんご飴専門店の池田くん含めて「かみいちのために何か形になるようなことしていきたいね」って話してたんです。
じゃあなんか団体にしようかって話になったんですよね。確か。

 

 

当時のSNS告知用バナー

早川 あと最初参加した時に、運営が上市の方々で普段の仕事もありながら、東京に移動してきて準備されてるのが大変そうだなっていうのも感じましたので、「こっちでお手伝いできることがあれば」っていうところから始まりました。はじまりは町が主体の交流会でしたが、今は「上市町首都圏同窓会」として「上市町出身者同士がつながる、上市町と出身者がつながる」という目的を掲げて活動しています。

 

――どんなメンバーで活動をしておられますか?

 

早川 運営メンバーは僕と坂口くんと役場の職員の方2人とでやっていまして、Facebookのグループには現在56人の参加者の方がおられます。
ビルの設計をされている方やプロボクサー、美容師、舞台女優さんなど幅広いお仕事をされている方がいらっしゃいます。
今、町報の中で1ページ「#東京で生きる」っていう連載を持たせてもらっていて、そちらでも紹介させていただいています!

 

 

――いつも拝見しております。これまであまりなかった繋がりの形ですよね。応援するきっかけになったり刺激をもらったり。

 

坂口 プロボクサーの酒井さんなんかはSNSでつながって、首都圏同窓会のオンラインの交流会にも参加いただきました。
彼の試合のために首都圏同窓会の有志で横断幕を作って、試合前に友だちから聞いて彼が知るみたいな、こっちでも新しい応援の輪が出来て、なんかそれがすごい人間くさいというか上市らしさを感じましたね。

 

――町報で取り上げられることで更にその応援の輪が出身地である上市にも広がるっていう現象が起こっているんじゃないでしょうか

 

坂口 そういう現象の量を増やしていけたらいいなと思っています。こっちで頑張っている人と繋がって、その人と上市町を繋げるっていうカタチを!

 

出身者の交流から町との共創関係へ

 

 

 

――コロナ渦の夏、首都圏同窓会さんの取り組みが全国メディアにも取り上げられる事がありましたね。「オンライン帰省どうけ?」の動画ですがどんな経緯でこれを作ることになりましたか?

 

早川 なにか上市町のPRになる動画を作れないだろうかという話が町の方からあって、まあこのご時世なので、外向けのPRではなくて上市の人と出身者に向けた「安全に繋がろう」っていうコンセプトで「オンライン帰省」を推したらどうか、というご提案をしました。それも広告代理店とか制作会社が作るようなものではなくて、出身者と上市にいる人が共創関係でやる形で。
動画自体は上市に向いているけど、その取り組みの体制や過程の部分が外向けのPRにもなるのではないかと考えていました。

 

――私も上市側のスタッフとして関わらせてもらってすごく面白かったのですが、スタッフや出演者の人選というのはどんなふうに決められたんですか?

 

早川 制作スタッフに関しては僕の方で、キャスティングは坂口くんの方で分担して進めました。
制作に関しては、映像制作すべてを上市出身者だけでというのは今回難しかったので映像のディレクションや撮影・編集をやってくれる人は東京の知り合いにお願いして、その人のつながりでスタッフを集めてもらったんですけど、後でわかったんですが、彼の母方のおじいさんが上市出身だったんですよ!

 

――すごい偶然ですね!

 

早川 奇跡的ですよね!

あと、上市側のスタッフは元CM制作に携わっていた同級生とかミニバスやっていた頃の先輩が今本業じゃないけど映像を撮っているっていうのを知っていて声掛けさせてもらいました。
それからデザインできる人もこちら側にはいなかったので上市側でお願いしました。
キャスティングも大変だったと思います。
一般の人に動画に出てもらうってすごく抵抗あることだと思うのですが、そこは坂口くんの人脈で、うまく説明もしてもらって出てもらえたっていう感じですね。

 

坂口 なんかすごくありがたかったですね。みなさん一回は敬遠されたんですけど粘り強く話をして。結果、撮影もそうですけどオンライン帰省自体も楽しんでもらえて! 

「人生の宝物になったよ」とか「家族の中も深まったよ」っていう言葉ももらえて。

そういうふうに言ってもらえてすごく嬉しいですよね。

出来上がった映像をオンラインで繋げて初めてみんなで見た時に、感極まっちゃいましたね。

ものづくりってこういうもんなんだなぁって。

 

 

早川 作っている時はとても大変なんだけど、振り返ってみると過程も良かったなあって思いますよね。自分自身も普段は営業職で、制作の段取りとかルール決めとか仕事ではやらないこともやらなくてはいけなかったのでその辺は苦労しました。

でも終わってみると、なくなるとすごく寂しいみたいな感覚にもなりましたね。

公開されてからは、知らない人の評価っていうのも見れてすごく嬉しかったですよね。

広告代理店が作るテレビCMに比べると映像の質としては比べ物にならないかも知れませんが、大切なのは上市の人や出身者に共感が得られるかどうかということだと思っていたので、そういう意味でも僕たちにしか作れないものになったのかなと思っています。 

 

坂口 今回は納期もお盆過ぎたらまずいって言う状況だったので、間に合ってよかったよね!

 

早川 結果タイミングとしてはベストでした!

 

――ちょうど県内でも各自治体の「今年のお盆、帰省はどうする」って方針を打ち出さなくてはいけないタイミングで、国や東京都の動向にも注目が集まっていたタイミングでしたもんね。

 

早川 最悪出さないという選択肢も状況次第ではあり得たので、出せてよかったです!

 

――今回の取り組みを通してなにか可能性を感じるところはありましたか?

 

坂口 東京だけに限らず上市を出て頑張っている人との関係性を強くして、何かしらの形で上市と繋がるっていう形をもっと作っていけたらと思います。

何事もこうやって共有して一緒に作っていけるというのはいいですよね。お互いも知れて繋がりもできるし。

 

早川 僕は、東京にいる出身者と上市にいる人のそれぞれが持っているスキルやノウハウが繋がって形になればいいなっていうのは元々思っていて、今回はこちら側が主体でのプロジェクトだったんですけど、どっち発信でもいいので個人と個人が繋がってプロジェクトが生まれていくケースが増えていけばいいなと思います!

 

 

――最後に、これから就職を考える若い世代にメッセージをお願いします!

 

早川 これまで仕事をしてきた中では、実際社員自体はニューヨークに住んでいて、ニューヨークで採用されて遠隔で仕事しているとか、元請けは東京だけど熊本のデザイナーにいつも発注している人がいたりとかってというのも普通にありました。

珍しい特技を持っている人だったら土地関係なく仕事のオファーがあったりとかっていうことができるようになってきているんですよね。

そんな風に、働き方の可能性が広がっているという中で、「大きな会社に入るのがいい」っていうのも正解ではなくなってきているところがあるのかなと感じます。

大手企業に受かる能力があってもあえてベンチャーを選ぶ学生もたくさんいますし。

方法や可能性が広がっているので、自分が何だったら食べていけるか、何だったら楽しく仕事ができるかっていうこと考えることがまず大切だと思います。

ただ、それだけではなくて、「需要を見極める選球眼」はこれまで以上に磨かないといけないと思いますし、それを決めたら「やり抜く意思」っていうものはこれまでよりもっと重要になるのではないかなと思います。

それがあれば上市にいながらも全国に出る面白い仕事ってできると思いますし、世界中どっからでもオファーが来るようなこともあり得ると思います。

そういう人が上市の中から生まれていったらいいなと思うんですよね。

その時に家がすでにあるので東京に出るよりはチャレンジのハードルが下がっているかと思うので、どんどんチャレンジしてみてもいいんじゃないかなあって思います。追い込むっていう意味では東京に出るのも1つの選択肢だとは思いますけど。

 

坂口 僕も同じようなこと思っているんですけど、自分に置き換えると、我々の若い頃って上市とか富山に仕事はいっぱいあるんだけどなんか物足りないんじゃないかとか、なんかどうしてもいいものが東京にあるんじゃないかっていう思いで僕自身東京に行ったっていうのもあるんですけど、それを今富山にいる段階で情報も取れるしSNSとかで色んな人とコミュニケーションが取れたりするんですよね。

自分の頃は就職のセミナーにたくさん行くよりも、「OB訪問」で100人の先輩方に直接お話聞かせていただきました。自分の憧れている業種で働いている少し年上の方々です。

そういうことが今実家にいながらでもできちゃうので、どこで働くにしても、上市にいる間からそういうツールを使って繋がっていくのもいいのかなと思います。

 

早川 そういう点ではもし話が聞きたいって言う人がいたら首都圏同窓会の中にはいろんな業界の人がいるので色んな話が聞けるかなと思います!

 

坂口 職業を知るっていう部分でも、出身者との繋がりでいろんなことができるかも知れませんね!

 

――視野を広げたり感度を高めたりっていう点でも、これから就職を考える世代との良い接点ができていくといいですね!ありがとうございました!

 

●取材者ITO’s VOICE●

今回はお話を聞きながら自分にとっても活かせそうな可能性に触れることができました。

自分自身「オンライン帰省せんけ?」の動画制作にも上市側のスタッフの1人として関わらせていただいて、すべてのやり取りがオンラインで行われて、ついに一度も顔を合わせることなく公開に至ったのですが、このときのチームというのがほんとに良いチームで、完成後ちょっとした「オンライン帰省ロス」に陥ってしまったくらい。

全く距離感を感じない絆が生まれて、それ自体にこれからの働き方の可能性を感じ、ヒントをもらった機会でした。

柔軟な価値観を持ってお互いをうまく利用し合っていくことで新しい上市町の未来像が見えてくるような気がしています。

●DATA●

団体名 上市町首都圏同窓会
住所  
電話番号  
ホームページ https://www.facebook.com/groups/377997336245047
E-mail kyotohei318@gmail.com
設立
2019年9月
代表 早川恭平
目的・活動内容
首都圏在住の上市町出身者コミュニティです。
「出身者同士がつながる、上市とつながる」をコンセプトに
交流、活動をしています。
実績
交流イベント「たまりばかみいち」の実施
広報上市でのコラム「#東京に生きる」を連載
動画「オンライン帰省どうけ?」の制作
など
所属メンバーの特徴
20代から70代まで幅広い出身者が集まっています。
上市町に対して一言・今後の目標
離れて暮らしていたとしても、気持ちは上市町から離れない。そんなキッカケづくり、場づくりをこれからも続けていきますので、宜しくおねがいします。
会員資格・要件 上市町出身者
会員数
59名(Facebookグループメンバー数/ 2021年1月現在)

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