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染め替え、創作、染めで関わる人と地域
starry-eyed
染め物作家として長年活動する絲生智子さん。町内を拠点に制作しオーダー製作・イベント出店・個展などを行っている。創作としての染め物だけではなく、色褪せた服やシミがついてきれなくなった服を復活させる「染め替え」や、店舗の暖簾や香積廣野神社の五色幕などの大判のものも手がけている。
– 事業内容を教えていただけますか?
染め物の製作・販売です。
お店はなくて、町内のアトリエで製作しています。オーダーがメインで、あとはイベント出店や個展での販売、染め替えの受付などもしています。ネットショップでの販売もしています。
– 具体的にどんなものを制作されているのですか?
洋服とか暖簾とかクッションカバーとかですかね。
自分で縫製からする場合もありますし、洋服なんかは無地のボディを染めることが多いです。あと着古したものを持ち込んでいただいて違う色に染め替えたり元の色に近いカラーに染め直したりというのも随時受け付けています。
– はじめられてどのくらいになりますか?
染めをやりはじめてからは20年くらいになります。
ものを作るのは昔から好きで、服飾の専門学校にも行ってました。当時富山市内に好きなお店があって、そこに自分で縫製したものを委託販売させてもらったりしてたんですけど、そのお店に凄く繊細で綺麗な染めものがあって、私も作ってみたいと思って独学で学び始めました。そこから染めの作品をお店に置かせてもらうようになって、少しずつオーダーをいただくようになってっていうのが始まりです。
– どんな染め方をされるのですか?
柄を作るなら絞り染め・折り紙絞りとか1色に染める場合は浸し染とか、グラデーションにも染めます。
いろんな技法や染料を使って染めますが、一応オリジナルの柄として出しているもので「しずく染め」というものがあります。
これはオーダーでもリクエストが多いです。染め物って特に模様や柄やグラデーションなどはひとつひとつ全く同じにはならないので全てが世界に一つのアイテムなんです。
– 絲生さんの染め物はまさに偶然性を楽しんでおられるようなデザインですよね!
あるものを活かすとか再生するという価値観が年々高まってきていると思いますが、染め替えも最近増えてきましたか?
染め替えに関しては結構昔から多いんですよ。最近アップサイクルっていう言葉も使われたりして活発になってきた雰囲気はありますけど、私が染めをやり始めた頃から染め替えの依頼はあったので、最近特に増えてきたっていう感覚はないですね。
やっぱり、気に入っていた服にシミをつけてしまったとか、色褪せてしまったとか、そういう思い入れのあるものを染め直して長く着たいというのは今も昔も変わらないのかもしれないですね。
– 染め替えって思い入れを残したまま新しい色や柄になるので単に新しいものを買うよりも特別な消費体験だなと思います!
そうかもしれないですね!
染め替えもお客さんのご意向次第で色々あって、全体を一色で染めたり、グラデーションにしたり、シミ隠しでワンポイントだけ絞り染めで柄を入れたり。同じものは基本的にはないので楽しいですが、ものすごく緊張します!
– 確かに、染め替えはやり直しが効きませんからね!
そうなんです!
でも仕上がって喜んでもらえるとホッとしますし、すごく嬉しいです。
その感覚があるからずっと続けてこられたと思います。
– お店の暖簾や幕など大きなものも製作されてますよね!
はい。上市だと波平さんやゲストハウス松月さんの暖簾と、あと地元の香積廣野神社の五色幕も制作させていただきました。
– あの大きな暖簾や幕をどうやって染めていくのですか?
私の場合は絵の具で絵を描くように染料を使って描いていくんです。
すごく地道な作業ですし、大きいものだと染め替え同様失敗できないので凄く気を張って作業しましたね!
その分完成した時の達成感も凄く大きいです!
– 描くような感覚で染めていかれるからこそ表情のある仕上がりになっていくんですね!五色幕はどんな経緯で作られることになったのですか?
神社の宮司さんが、同じ広野で染め物をやっているということで凄く気にかけてくださっていて、初詣の時に販売する御守り入れやご朱印帳入れを何年か前から作らせてもらっていたんです。そんな中で2020年に独自の五色幕を作りたいと相談があって、宮司さんからのご要望を聞きながらデザインを提案して、その年に前面の左右の幕を作らせていただいて、次の2021年はその奥の幕を製作させていただきました。
あれだけ大きいものですし、子供の頃から知ってる地元の神社ということもあって凄く気持ちが入りましたね。
– 伝統的なモチーフと配色ですが、かなりオリジナリティの高い五色幕ですよね!迫力のあるサイズ感で見応え十分です!何か反響はありましたか?
これだけを見るためにわざわざ遠方から来てくれた友達もいたみたいで、「見てきたよ〜」って写真が送られてきて凄く嬉しかったです!
– 遠くからでも見に来てもらえる作品があるっていうのはすごいですよね。それ自体が名所のように認知されていく可能性もありますが、絲生さんご自身が上市で暮らしておられて魅力的だなと感じることはありますか?
この間友達と一緒に上市の「まま子滝」に行ってきたんですよ!
その友達は町外在住なんですけど地元の私が「まま子滝」のこと全然知らなくて、教えてもらって初めて知りました(笑)。凄くいいところでした!
そんな風に、長年暮らしていても未だに未体験の名所があるっていうのは上市のすごいところだなと思います。
– 今後の展望を教えてください。
これからも染めの仕事を長く続けていきたいと思っています。
– ありがとうございました!
●DATA●
企業名 |
starry-eyed(スタリーアイド) |
住所 |
上市町広野2006 |
TEL | 090-9445-7410 |
ホームページ | https://www.starryeyed.org |
info@starryeyed.org | |
https://www.instagram.com/starryeyed_tomo/ | |
代表 | 絲生 智子 |
事業内容 | 染め物製品の製作販売、染め替え |