上市町ではたらく

明るい笑顔があふれるところ

社会福祉法人新川会 四ツ葉園

18歳以上の知的障がい者入所支援施設として、障がい者とその家族をサポート。中新川地域(上市町・滑川市・立山町・舟橋村)の拠点として日中活動支援(生活介護)と施設入所支援を行い、利用者のみなさんが生き生きとした豊かな人生を送れるよう願っている。また、この地域に通所事業所4カ所、グループホーム3カ所があり、在宅の障がい者支援も積極的に行っている。敷地内にある障がい福祉サービス事業所「工房よつば」やグループホームなど同じ新川会の系列施設はもちろん、関係機関との連携を取り、利用者一人ひとりの社会的自立を支援している。

(※インタビューは2014年9月9日に前施設長の黒田義彦さんに伺いました。)

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施設長 高木伸治さん

施設長 高木伸治さん

 

ニーズに応える多様なサービス

地域の知的障がい者福祉の拠点

地域の知的障がい者福祉の拠点

――まず、四ツ葉園さんの歩みを教えてください。
 中新川地区の4市町村(上市町・滑川市・立山町・舟橋村)で知的障がい者・児をもつ親たちの集まりだった「中新川手をつなぐ親の会」が、この地域に24時間体制で知的障がい者とその家族をサポートできる施設を作りたいと考えました。平成3年6月に社会福祉法人新川会を設立、平成4年7月に四ツ葉園を開設しました。当時は定員50人でしたが、平成17年からは80人に拡大し、現在は施設入所支援と生活介護の事業を行っています。

四ツ葉園の職員のみなさん

四ツ葉園の職員のみなさん

――事業について教えてもらえますか?
 大きく分けると2つの事業をしています。1つ目が施設入所支援です。平日の16:00から翌9:00までと、土曜・日曜、祝日の入所がこれに当たります。2つ目が生活介護。平日の9:00~16:00に、日中の支援を行います。
――四ツ葉園さんの特徴はどんな点ですか?
 法人である「新川会」の特徴になるんですが、地域にはいろんなニーズがあり、サービスが多様化しています。入所・通所・相談業務があるので、一貫性を持ったサービスの提供ができます。在宅の人に対して、ショートステイや日中一時預かりなどのサービスも実施しており、特に特別支援学校の生徒さんなどは夏休みや冬休みに利用することもできます。四ツ葉園ができる前から軽度の人の小規模作業所はいくつかありましたが、地域の中で障がいの重い人は行き場がなかったため、分場を作り、それが現在の「さつき苑」になりました。生活介護と就労継続支援を行っています。同様に、立山町には「雷鳥苑」、滑川市には「つつじ苑」ができました。
――「新川会」の多様なサービスが、中新川地域の拠点として利用者さんを支えているんですね。
 全くサービスを使用しないで家で引きこもっている人も、まだまだおられるんです。そういった在宅の人達のいろんな相談に乗るための地域・在宅支援サービスとして、「新川会 地域生活相談室」があります。どのようなサービスが使えるか、誰に頼っていいか分からない人に利用していただきたいです。福祉の関係機関と横のネットワークも築いているので、ぜひお気軽に相談してほしいです。

敷地内にある「工房よつば」

敷地内にある「工房よつば」

――誰にも相談できなくて困っている人にとって、心強いですね。
 はい。また、制度が変わり、障がい区分によって使えるサービスが変わりました。障がいの程度が軽い人は四ツ葉園から出て地域で生活することになりました。そのため、みんなで生活するためのグループホーム「つつみだにの家」を作り、そこで生活支援を受けている利用者さんもいます。グループホームは世話人さんがご飯の準備など日常の生活の支援をします。日中は四ツ葉園の敷地内にある「工房よつば」に通い、ヨモギの入浴雑貨やアクリルたわしなどの自主製品の製作やアメニティグッズの袋詰め、工業用部品のバリ取りなど委託作業を行い、工賃を受け取ることもできます。

安心していきいきとした豊かな生活を

熱心に手芸をする利用者のみなさん

熱心に手芸をする利用者のみなさん

――四ツ葉園さんを利用するのはどんな方が対象なんですか?
 障がいの種類は3種類あって、①身体、②知的、③精神があり、重複している人もいます。このうち、四ツ葉園では主に知的障がいのある18歳以上の人を対象にしています。知的障がいとは生まれた時から先天的にある障がいで、一人での生活はなかなか難しいため、何らかの支援が必要です。
――仕事をしていてどんなことが大変ですか?

下絵に添って縫っていく刺し子製品

下絵に添って縫っていく刺し子製品

 どうやったら利用者の方にわかってもらえるか、ということです。新川会の基本コンセプトは「明るい笑顔があふれるところ」で、安心していきいきとした豊かな生活を送れるようにするのが目標です。それには、安全な環境で利用者さんの持っている能力をいかんなく発揮できるよう引き出してあげることが必要。そうなってもらうために、いかに利用者の方と心を通わせるかを考えています。
――心を通わせるにはどうしたらいいんですか?

機織り作業の様子を温かく見守る

機織り作業の様子を温かく見守る

 コミュニケーションの取り方ですね。知的障がいのある人は、なかなか自分の意思を言える人が少ないんです。自分で喋れたり理解できる人には、ゆっくり話せばわかってもらえるんですが、それができない人、自分の意見を言えない人には、職員の方で(「思い」ではなく)「想い」に気付き、今どうしてほしいのか、どういう想いでいるのかを「聴く(心で聞く)」ことが大事です。その方法は技術になるので、専門的な知識が必要ですね。写真やイラストの描かれた「絵カード」などで、今からやることを伝えることもあります。誰にでも、「心地よい刺激」と「不快な刺激」はありますよね。それによって、1つの言葉がけでも大分違ってきます。
――なるほど…、気持ちをくみ取るということですね。
 そうですね。こういったことに気を付けながら、その人がどうしたら安心していい生活ができるかということを考えています。

結果が出なくても根気強く繰り返す

作った手芸製品は、イベントなどで販売

作った手芸製品は、イベントなどで販売

――日中の活動はどんなことをされているんですか?
 「工芸班」では、機織りや刺し子などの手芸製品の製作、「環境班」では牛乳パックを利用した再生和紙作り、アルミ缶リサイクル、木工作業などを行います。ほかに、機能訓練や創作活動を行う「あすなろ班」、「ほのぼの班」などがあり、作った製品はイベントなどで販売も行います。職員は利用者さん一人ひとりが自立に向かって意欲と自信を培えるよう支援しています。交通安全キャンペーンのための作品を作ってドライバーにプレゼントするなど、障がいがあっても地域に貢献できることはたくさんあるんです。それを大勢の人に理解してもらいたいという思いで、職員は働いています。

機織りで作ったコースター

機織りで作ったコースター

――どんな時にやりがいを感じられますか?
 利用者さんに笑顔が見られた時。できないことができるようになったり、外出や行事の際に「楽しかった」「また行きたい」と喜ぶ姿が見られたりした時はホッとします。私たちの仕事は、利用者さんと10関わったから10の成果が出るものではない。いろんな繰り返しなんです。
――どんな人に働いてもらいたいですか?
 人と接するのが好きな人。自分の言葉でコミュニケーションをとれる人。相手の立場に立って考えることができ、思いやりのある優しい人です。社会福祉士や介護福祉士、保育士、学校教諭、看護師、ヘルパーなどの資格が必要です(職種によっては資格の必要ないものもある)。また、学生さんが実習でここでの業務を経験し、それまで考えていた進路を変更して職員として入ってくる場合もあります。利用者さんに声をかける、一緒に手をつないで歩くなど、直に触れ合い、交流することで利用者さんの思いが見えて、就職を希望されたのだと思います。

野外活動の一環・里芋掘り体験

野外活動の一環・里芋掘り体験

――今後やりたいのはどんなことですか?
 解決しなければいけない課題はたくさんあります。日本は現在、高齢化が進んでいて、もちろん知的障がいのある人の高齢化も進んでいます。高齢化、障がいの重度化などに対応した住みよい環境を提供することを目指しています。そして、地域にはまだまだ困っている方々がたくさんいらっしゃいます。より一層の「在宅福祉の充実」を図るためにも、施設の持っている資源をうまく活用して他の関係機関と連携を取りながら、より良いサービスの提供に努め、障がいがあっても地域全体で支え合う仕組みをもっともっと充実させたいと思います。
――わかりました。今日はどうもありがとうございました。
 こちらこそ、ありがとうございました。

若手社員からの声

支援員 福島 由香さん

支援員 福島 由香さん

勤務2年目で手工芸班を担当する支援員の福島由香さん(23)に話を聴きました。
「機織りや刺し子などの工芸製品をはじめ、四ツ葉園で使うための縫い物を利用者の方が作る支援をしています。知的レベルが高く、話ができて手先が器用な人が多いので、利用者の方々のやる気が出るような言葉がけをしています。中には、お盆や正月などにしか家に帰れない方もいます。そんな人たちにも、四ツ葉園にいたら楽しいと思ってもらえるように関われたらと考えています。即売会で地域の人々に買ってもらい、達成感や作業を頑張ろうという気持ちになってもらえると嬉しいです。」


すぐそばに来たカモシカ

すぐそばに来たカモシカ

炭が入ったシューズキーパー

炭が入ったシューズキーパー

緑いっぱいの中に建つ四ツ葉園。外観を俯瞰で(上の方から)撮影しようとして小高いところでカメラを構えていたところ、なんとすぐそばにカモシカが現れ、2mほどの距離まで近づいてきたのでびっくり! 私が動くと逃げて行きましたが、こんな自然豊かな地にある四ツ葉園なら、利用者さんものびのびと過ごせそうですね。
お話を聞いていると、すごく温かい場所だなと感じました。利用者さんも、ニコニコして写真に写りたがってくれる人や黙々と作業する人など、いろんな人がおられました。
四ツ葉園では、調理も直営のため温かいものをすぐに提供できるそうです。調理員さんにとっても、「ありがとう」「美味しかったよ」という利用者さんの生の声を聞くことは励みになりますよね。
手芸班の日中活動で利用者さんが作られている製品は、機織りで作られた色のきれいなコースターや、炭が入ったシューズキーパー(靴の臭い消し)、刺し子とレースの組み合わせがかわいいティッシュケースなど多彩で、気軽なプレゼントにも良さそうです。

社員の田畑さんのインタビューはこちらからどうぞ。

●DATA●

企業名 社会福祉法人新川会 四ツ葉園
住所 上市町稗田字七郎谷1-32
電話番号 076-472-1118
FAX番号 076-472-5391
E-mail yotsubaen@niikawakai.jp
設立年月日 平成4年7月
施設長 高木伸治
事業内容 ・施設入所支援事業
・生活介護事業
・短期入所
・日中一時支援
主な実績 中新川地区の知的障がい者福祉の拠点となっている
勤務時間 8:30~17:15(日勤)、ほかに早出、遅出、夜勤あり
休日 週休二日制、不定、年間121日、その他有給休暇
ホームページ http://www.niikawakai.jp/
Facebookページ なし
過去3年間の採用実績(正規職員) 平成24年1人/平成25年4人/平成26年7人
福利厚生 家賃補助、保険(健康、雇用)、厚生年金、資格支援、子育て支援(育児休暇、短時間勤務)、日帰り親睦会、介護休暇

 


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