アルプスの湯 (一財)上市町健康文化振興財団

上市町保健福祉総合センター（つるぎふれあい館）にある日帰り温泉施設。大浴場や香湯、アルカリ性単純温泉の源泉かけ流しの露天風呂などバラエティに富んだお風呂は、神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復などの効能がある。平成24年から始めた、炭酸ガスを温泉に溶かし込んだ高濃度人工炭酸浴泉が好評。２階の無料休憩所の大広間からは、剱岳を一望することができる。飲食物の持ち込みは自由で、子どものプレイルームや湯あがりセラピールーム、貸し部屋もあり。

事務局長土肥真一さん

アルカリ性単純温泉の美肌の湯

上市中学校の隣にある建物

――オープンからの経緯を教えてもらえますか？
　平成10年に、上市町が3千万円を出資して財団法人を設立し、保健福祉総合センターなどの施設管理を行っていました。平成18年度からは制度が変わり、議会の承認を受けた (財)上市町健康文化振興財団が指定管理者として運営することになりました（平成25年度からは一般財団法人に名称変更）。

アルプスの湯の全身浴場

　公共の施設なので、「お風呂を利用して誰もが健康になってもらいたい」という町の意向を受け、サービスの質を落とさないよう、施設の修繕やサービス向上に当たっています。
――お客さんはどこから来られる方が多いですか。
　上市町はもちろん、近隣市町村、例えば黒部市や高岡市、射水市、南砺市からも来られます。ほかのところもあるのに、アルプスの湯を選んで来ていただけるのが大変ありがたいです。

血行促進効果の高い「人工炭酸泉」

　現在、年間約18万人（1日平均580人）の方が利用されています。
――大勢来られるんですね。県外から移住された方へインタビューした際も、みなさんアルプスの湯が好きで週に数回通われているとのことでした。その人気の秘訣は何でしょう。
　それはとても嬉しいことですね。特徴の１つは、泉質がいいことです。大浴場や週替わりの香湯、アルカリ性単純温泉の源泉かけ流しの露天風呂などバラエティに富んだお風呂は、神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復などの効能があります。

人気の露天風呂

　温泉の中では、露天風呂と人工炭酸泉の人気が高いですね。平成27年の10月からは、男湯と女湯の両方の香湯にひのきのチップやチェーンソーでかたどったひのき材のアート作品「ライチョウ」を置き、ご好評いただいています。
――人工炭酸泉とはどんなものですか？
　天然温泉に炭酸ガス（二酸化炭素）を溶け込ませたものです。温熱効果に優れ、天然温泉との相乗効果により、血行促進効果はさら湯の約４倍と言われています。

ひのき材の「ライチョウ」がいる香湯

　浸かると全身が細かい泡で覆われることから、「ラムネの湯」とも言われています。血行が良くなることで、酸素を含んだ新鮮な血液が体の隅々まで運ばれ、肌の細胞が活性化するとともに、体の老廃物を速やかに排除し、肌をより美しくするデトックス効果が期待できます。

――それは老若男女に人気のはずですね。
　はい。「美肌の湯」として、温泉療法医で富山大学の名誉教授・鏡森定信さんや、元池田模範堂の社員で健康生きがいづくりアドバイザーとして活動されている森井勇さんからお墨付きをもらっています。

２階の大広間でゆったり過ごす人も多い

――素晴らしいですね！
　また、町近郊にあるという立地の良さもあると思います。温浴施設には飲食物持ち込み禁止のところもありますが、ここは持ち込みＯＫなので、大広間で雄大な北アルプスの山々を間近で眺めながらゆっくり過ごされる方も大勢いらっしゃいます。

　売店や食堂もあるので、購入して飲食することもできます。ほかに子どものプレイルームもありますよ。

おもちゃや絵本のあるプレイルーム

　さっと入って帰られる方から、午前10時のオープン前から来られて夕方までゆっくり過ごされる方、毎日来られる方など、様々な方がおられます。家族やグループ３名以上で利用できる貸し部屋（12畳）もあり、利用料は基本料３時間1,850円（延長１時間につき610円）です。

体育館を併設する温泉施設

職員のみなさん

――お客さんに対して大事にしていらっしゃるサービス方針は何ですか？
　せっかく来ていただくからには、気持ち良く入っていただいて、健康になってもらいたいと考えています。意見箱やアンケートでいただいた意見にはすぐ対処します。「洗い場の鏡が曇って写らない」とのご意見があったときは、すぐに鏡を交換しました。職員向けの接遇研修会を開くなど、サービス向上に向けた取り組みも行っています。新しい職員が入った場合は、研修を受けさせるほか、ベテランの職員が横について実際に接客などをしながら仕事を覚えてもらいます。

花や絵が飾ってある入口

――イベントなどもあるんですよね。
　はい。毎週土曜日にボランティア団体による歌謡舞踊ショー等を、毎月26日は「風呂の日」として民謡や民舞、演奏会などを開いています。少しでもお越しいただいて、みなさんに文化に触れてもらいたいと思っていろいろな仕掛けを考えています。

　また、つるぎふれあい館にはコミュニティプラザ（体育館）も併設しています。健康づくり事業として「ふれあい教室」、「エアロビクス」、「ソフトエアロビクス」、「太極拳」の各教室を開催し、地域の皆さんの健康意識の向上に努めているほか、年に１度、８回コースで開催している「片貝仁子のぽかぽかふれあい塾」では、軽い健康体操の後に講話と入浴をするプログラムを、日本健康運動指導士会富山県支部理事の片貝仁子さんに指導していただいています。参加者は50〜60代の方が中心で、町内外を問わず参加できます。

コミュニティプラザ（体育館）

――体操の後に入浴というのはいいですね。体育館に温泉が併設しているのって珍しいですよね。
　そうですね。一般の方も、ちょっとした運動に利用することができます。教室でなくとも、運動後、シャワー代わりに入浴されるのがおすすめです。年末は12月30日まで、年始は１月2日から営業しているので、公共の体育館が休みの時に運動したい方が穴場として来られます。
――お風呂に回数券もあるんですよね。

　はい。通常は大人610円、小人（３歳～小学生）が300円ですが、11枚つづりで6,100円（小人3,000円）、23枚つづりで12,300円、36枚つづりで18,500円の回数券があります。

売店

　ほかに、期間限定のお得な入浴券もあり、２カ月利用券は12,000円（営業日に毎日来た場合１日約240円）、６カ月利用券は33,000円（1日約220円）です。ポイントカードもあり、はんこを10回押せば次の1回が無料になります。これは当日券と回数券のみの方が対象です。
――毎日来られる方にはとてもお得ですね。最後に、今後の展望をお聞かせください。
　今後は、月２回のふれあいヨガ教室や健康ウォークなどのイベントを開催するほか、湯あがりセラピールームで心身ともに癒せ、より自然の中にいるような空間の中で音と色と香りを楽しんでもらえるような企画を検討中です。
――それは楽しみです。今日はどうもありがとうございました。
　こちらこそありがとうございました。

外に飾られたイルミネーション

アルプスの湯が入っている「上市町保健福祉総合センター」の玄関外には、毎年12月～3月にイルミネーションが点けられています。
また、６月～12月にはアルプスの湯前のロビーで、地元の音杉農産物直売組合による新鮮野菜や加工品などが並ぶ夕市が行われています。毎週火・木・土曜の13:30～17:00に営業ですが、開始前から並ばれるお客さんが多く、早ければ30分ほどで売り切れることもある人気の夕市です。県外から移住された方々もよく訪れると言っておられました。
実は私も行ったことがあるのですが、カボチャやモロヘイヤ、ツルムラサキ、スイカ、ネギ、ナス、青じそ、リンゴ、オクラ、ピーマンなど多種類の野菜をはじめ（8月でした）、ジャガイモ、サツマイモ、おこわなども販売されていました。安くて新鮮な野菜が買えるので、嬉しいですね。おすすめです。

●DATA●

施設名	アルプスの湯 (一財)上市町健康文化振興財団
住所	上市町湯上野1176（上市町保健福祉総合センター内）
電話番号	076-473-9333
FAX番号	076-473-2388
E-mail	sdoi@kamiichimachi-zaidan.jp
営業時間	10:00～21:00（入館20:30まで）
定休日	月曜（祝日の場合は翌日）、12月31日～1月1日、臨時休館あり
駐車場	250台（共同）
ホームページ	https://kamiichimachi-zaidan.jp/　（平成28年4月1日リニューアル）
Facebookページ	なし
理事長	松本喜二
オープン年月日	平成10年3月18日アルプスの湯オープン　平成10年8月1日
事業内容	【管理・運営】・保健福祉総合センター（アルプスの湯含む）・丸山総合公園・北アルプス文化センター（自主事業の開催も行う）・上市町文化研修センター（サンシャイン上市）・弓の里歴史文化館
主な実績	・アルプスの湯を中心に、地域住民の心と体の健康づくり・北アルプス文化センターでの自主事業による芸術・文化の振興に寄与
従業員数	財団28人（うちアルプスの湯10人）
過去３年間の採用実績	平成28年４人、平成29年４人、平成30年７人
福利厚生	保険（健康、雇用）、厚生年金