移住者の声

~野球とソフトボールで築いた人間関係~
静岡から進学&就職で富山へ

緒方大助さん

静岡県掛川市出身の緒方大助さん(32)。高校卒業後、富山健康科学専門学校への進学で上市町へ。地元に似た雰囲気の上市町が気に入り、卒業後も町内でのアルバイトなどを経て富士化学工業に就職。縁があり、上市町の野球チームに所属したことから人間関係の広がりが生まれた。県内で結婚し、上市町に家を建てたことで根を下ろす覚悟。現在は奥さんと長女(4)との3人暮らしで、野球とソフトボールを楽しむ毎日を過ごしている。

緒方大助さん

 
 

雪への憧れと立山連峰

練習風景

緒方さんのポジションはショート

――上市町に来られた経緯を教えてもらえますか?
静岡県の高校にいた頃、富山県上市町の富山健康科学専門学校の学校説明会があったんです。小学校から高校までずっと野球をやっていたのでスポーツ系に興味があり、高校3年の夏、オープンキャンパスに上市町を訪れました。都会はちょっと嫌だったのと、上市町は地元に似ている雰囲気で違和感なく溶け込めたのもあり、ここに進学することを決めました。自分に合っていたんですよね。
――上市町の雰囲気が地元に似ていたんですか?
よく、静岡県出身だと言うとみなさん「都会だ」って言われるんですけど、僕の地元の掛川市は田園風景が広がってゆったりしているので、本当に上市町に似ているんです。静岡は雪が降らないので、冬は違いますね。雪のないところで育ったから、雪への憧れもありました。
――上市町の最初の印象はどうでしたか?
山がすごいなと思いました。静岡県からは富士山が見えるのですが、1つだけポンとある感じです。立山連峰は山が連なっているのが印象的で、冬は雪が積もって綺麗だと思いました。専門学校時代は学校のすぐ近くに学校の人ばっかりが入居するアパートがあり、そこに住んでいたので寂しいとかそういう気持ちは一切なく、楽しかったです。
――専門学校時代も野球をされていたんですか?
学校に野球部もありましたが、もう野球はいいかなと思って最初は入らなかったんです。野球道具も一切持って来ていなかったけど、周りがやろうと盛り上がったので、結局宅急便で道具を送ってもらい、野球を再開しました。

スポーツを通した人づきあい

第33回会長旗争奪戦ソフトボール大会で優勝。賞状を持っているのが緒方さん

第33回会長旗争奪戦ソフトボール大会で優勝。賞状を持っているのが緒方さん

――卒業後も地元に帰らず、上市町に残ったのはなぜですか?
2年間富山市に住んで、上市町でアルバイトをしていました。まだ若いし、楽しかったからずっと上市町にいようかなと思ったんですよね。親の反対もなかったので、好きなようにしようと。まさか家を建てるところまでいくとは思っていませんでした(笑)。富山市や滑川市に住んでいた時期もありましたが、平成21年に結婚して27年に上市で家を建てました。若年世帯が利用できる魅力的な助成金ももらえ、助かりました。
――上市町に根付いておられますね。

第12回富山県一般男子選手権大会  優勝

第12回富山県一般男子選手権大会で優勝した、ソフトボールの剱クラブ

社会人としての人づきあいは全て上市町にあったんです。知り合いも増え、人間関係にはすごく恵まれました。今も上市町の野球チームとソフトボールチームに所属しているんですが、年齢問わず仲良くしてもらっています。今の職場の富士化学工業株式会社も22歳の時に野球の知り合いに声をかけてもらって求人情報を知ったし、家はソフトボールチームのメンバーである大工さんに建ててもらいました。
――野球とソフトボールというスポーツを通して、人間関係が広がったんですね。

おすすめの富山食と上市町周辺スポット

――富山の「食」でお気に入りは?
平成27年、ソフトボールの人に誘われて初めて山菜摘みに行ったんですが、昆布締めにして食べたらすごく美味しかったです。静岡はこっちみたいによく山菜を食べないんですよ。あと、魚が好きなんで美味い魚を食べられるのが嬉しいです。静岡も美味いけど、あっちでは食べられんもんがある。バイ貝とか、富山で飲みに行ったら必ず食べます。立山町に住んでいる嫁のばあちゃんが畑をやっているので、よく野菜をもらったり、ソフトボールのメンバーからおすそ分けをもらったりするんですが、野菜も美味しいですね。
――上市町周辺で好きなスポットはどこですか?
アルプスの湯! 露天風呂が結構好きです。あと、子どもを連れて丸山運動公園のソリ滑りや立山町総合公園にもよく行きますね。丸山は野球の試合でもよく行きます。大好きな居酒屋もあります。ほかに好きなのは、アオキや大岩のドライブイン金龍、…。都には上市町に引っ越してきたその日に行きましたよ。
――そうなんですね。では、やってみたいことは何ですか?
アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」に出てくる「花の家」に行ってみたいです。上市町にあるのは知ってたけど、なかなかタイミングがなくて。あと、畑をやりたいんです。今プランターでミニトマトとピーマン、キュウリを育てています。
――畑、いいですね! 上市町に望むことは何ですか?
十分暮らしやすい町だから今のままでいいと思います。便利なことがいいとは思わないんですよね。ちょっとくらい不便なことがあってもいい。娘は今年から保育園に入り、毎日楽しそうに登園していますよ。
――最後に、これから移住を考えている人へアドバイスをお願いします。
上市町に一度来てもらえたら、その素晴らしさがわかります。いきなり来て移住はなかなかできないことだと思うので、ぜひ上市町を体験してほしいですね。生活には車が必需品で、冬はスノータイヤが必要です。農業をやっている人が多いので、農業に興味のある人にもオススメです。
――緒方さん、どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!

進学で上市町へ来て、卒業後も富山での定住を決めた緒方さん。上市町で暮らす中で町を愛し、様々な出会いを経て今に至る…。緒方さんの言葉を通して、町の人々の温かさや優しさを感じました。
富山に来て14年が経つ緒方さんは、富山弁を「しゃべれはしないけど、なに言っとるかは分かる」そうです。言っとる(言っている)…既にちょっと移っていますね(笑)。娘さんは富山弁と静岡弁をミックスしてしゃべっているそうです。ちなみに、富山弁で「だら」は「バカ」という意味ですが、静岡では「~でしょ」という意味で語尾に使う言葉だそう。緒方さんは、「こっちでは使ったらダメだなと思いました」と話していました。

 


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