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~農業の夢と息子のサッカー進学~東京都から富山へ移住
加藤成敬さん・直美さん
息子の高校進学を機に「農業がしたい」という夢を叶えようと、東京都から移住した加藤成敬(なるたか)さん(45)・直美さん(45)夫妻。上市町への移住を決め、成敬さんは農業関連の仕事に就いた。全国大会で優勝したサッカーの強豪校・富山第一高校へ進学した長男をはじめ、4人の子ども達と一緒に自然の中での暮らしを楽しんでいる。
サッカー進学を機に家族で移住
――移住の経緯をおしえてください。 私は東京都出身、妻は兵庫県出身です。妻の父が黒部市出身で、両親は20年前に兵庫県から射水市へ移住しました。結婚後、帰省で度々富山県を訪れるたびに、立山連峰の美しさや食べ物・水の美味しさに魅了され、素晴らしい環境だと思っていました。昔から農業に興味があり、いつかやりたいという思いもありました。サッカーをやっている長男が中学2年の時、富山第一高校が全国大会で逆転優勝した試合を見て感動し、ここに入りたいと思うように。でも富山第一高校には寮がないので、入学できるのは県内に住んでいる子のみ。高校生になる多感な時期は家族のサポートが大切なので、家族の元から通うことがいいと考え、思い切ってみんなで移住することにしました。有楽町で開かれた移住セミナーに参加し、中学生まで医療費無料のことや待機児童ゼロなど、子育て環境の良さに惹かれました。わが家は子どもが多いので、子育て環境は重要な点です。東日本大震災のこともあり、安全安心な富山県で暮らしたいと思いました。高校へ通える距離で上市町を選び、下の子どもたちを説得する際は「映画『おおかみこどもの雨と雪』に出てくる『花の家』があるんだよ」と話すと、すんなり了承してくれました。舞台である一橋大学の近くに住んでいたのもあり、家族みんなが大好きな映画なんです。
初めての農業に挑戦
――農業をされているのですか? 以前は生協の配達の仕事をしていたため、野菜を作る側に回りたいなと思ったんです。富山に来てからは、富山市の農業法人で米の生産に携わっています。後継者のいない田んぼを農業法人で預かり、代わりに作る仕事です。初めての経験なので大変ですが、とても充実しています。妻は富山型デイサービスに勤めています。上市町には剱岳がありますし、山が近くて神々しく、海も近いのがいいですね。何と言っても、食べ物に関する意識が変わりました。米も魚も美味しく、魚を食べる量が圧倒的に増えました。魚の種類が違うし、値段も安いです。よく行くのは大岩や眼目山(がんもくざん)立(りゅう)山寺(せんじ)です。大岩不動は迫力があるし、息子と友達と滝行もしました。子どもたちものびのびと過ごしています。私たちは移住したことで視野も人間関係も広がりました。
とっても元気な子どもたち。カエルを捕まえたり田んぼにはまったり草で遊んだりと、田舎ライフを満喫している様子が伝わってきました。大人も子どももそれぞれの人生を楽しむのは理想的。市町村によって利便性や利点・欠点はあると思いますが、総合的に「暮らしやすさ」を判断するのは自分自身ですね。