上市町ではたらく

徹底した情報とお金の管理で信頼関係を構築

富山信用金庫 上市営業部 牧野恵和さん

入庫4年目の渉外(しょうがい)担当として、個人や法人のお客様先を回り、金融商品などを紹介・提案している牧野恵和(よしかず)さん。「信用金庫は地域の住民の方々、中小企業のための金融機関なので、お客様から感謝していただけることや、少しでも上市町の発展に貢献できたかなと感じられる瞬間があることがやりがいになり、大切な役割だと考えています」と話す。上市町の住民の方々や中小企業の事業支援を通じて地域社会に貢献し、生まれ育った上市町に恩返しをしたいという強い思いで仕事に励んでいる。

渉外担当 牧野恵和さん(23)

渉外担当 牧野恵和さん(24)

 
 

自分の力を最大限に発揮し地元に貢献

上市営業部の職員の皆さん

上市営業部の職員の皆さん

――富山信用金庫 上市営業部に入られた経緯を教えてもらえますか?

 上市町に生まれ、上市中学校、雄山高校の卒業後は富山短大の経営情報学科で経営学や会計学、情報デザインを主に専攻しました。「数字」に興味関心が強く、学んだことを生かしてさらに成長したい、法人や個人のお客様と関わりながら生まれ育った富山県に少しでも貢献したいと思い、地域密着型の金融機関である当庫を志望したんです。入庫してから2年半は富山市の支店に在籍していましたが、2017年10月に上市営業部へ異動になりました。

――地元・上市町で働くことについては、どんな思いがありましたか?

上市町大岩の風景(滝修行で有名な六本滝)

上市町大岩の風景(滝修行で有名な六本滝)

 富山県の中でも上市町により貢献したいという思いがあったので、嬉しいと思いました。単純に上市町が好きなんです。自然や景観、落ち着く雰囲気など、のどかな感じに、大岩や、国道8号線からバーンと見える剱岳など…。学生時代は家と学校の往復がメインでしたが、今は生まれ育ったところで仕事ができ、仕事を通して町内のいろんな場所へ行くことができます。ふるさと観光上市まつりの「上市音頭町流し」などの地域行事にも参加することができるので、楽しみの1つになっています。

――素敵ですね。富山信用金庫さん自体が地元密着の金融機関ですが、地元の支店で働かれている方は多いんですか?

 そうですね。地元の人が働く傾向は強いと思います。富山信用金庫の全29支店のうち、上市営業部に配置してもらったのも何かの縁。自分の持てる力を最大限に発揮して、町のために貢献していきたいです。自分の仕事を通じてこの上市町に恩返ししていくことが、自分にとっての最大の役割だと感じています。

お金を扱う上での徹底したルール

店内での仕事風景

店内での仕事風景

――牧野さんのお仕事の内容を教えてもらえますか?

 渉外(しょうがい)担当なので、個人や法人のお客様のところへ行き、金融商品などを紹介・提案しています。午前中は上市町の中でも店周(てんしゅう:上市営業部の周辺)を中心にバイクで外回りをし、昼に集金を締め上げ(取引の計算が伝票と合うか確認)して、午後は融資関係や保険、投資信託のご提案など、既存顧客回りをして午後3時に戻ってきます。そのあとは書類作成です。

――1日に何件くらい回られるんですか?

 企業にお勤めの方も含めると、1日25件くらいです。

――そんなに!? すごいですね。仕事の上で心がけているのはどんなことですか?

 お客様の情報管理は優先順位が高いので、情報やお金を守ることは徹底して行っています。例えば、ロッカーまでは私物を持ち込んでいいのですが、財布や携帯電話は営業室への持ち込みは禁止、出先で使う仕事用かばんに入れてはいけないという決まりがあります。

――そうなんですか! それは、不正がないようにということですか?

 はい、もしものことを未然に防止するためです。

――仕事用のかばんにお財布を入れるのもダメだと、夏などに出先でのどが渇いてもお茶を買うこともできないのでは?  

 寄り道をしないのが前提なので、のどが渇いても一度戻ってきて水筒のお茶を飲んでいます。集金したお金と自分の財布を一緒に置いておかないことが重要です。

――徹底されていますね。

 逆に、融通が利かない、厳しくなってしまっている部分をどうとらえていくかが課題です。

――ほかに心がけていることは?

 お客様の利益を最優先に考えて、信頼関係を築いていくことです。会社の資産状況に加えてお客様の名前や顔、性格、好きな話題など、目配り・気配りをご提案に生かします。視覚から入る情報も話題作りの1つです。若いうちは特に、普段の挨拶の仕方や表情、姿勢に気を付け、時間を必ず守ることなど当たり前のことはもちろん、話す内容よりも身だしなみや清潔感が大事です。第一印象で好感を持ってもらえないと、お客様の情報を聞き取り、提案までできないんです。金融機関の職員として、お客様にとって利益になるような知識や情報を、常にアンテナを張って提供できるように心がけています。

――細かいところまで考えて仕事にあたっていらっしゃるんですね。やりがいはどんなことですか?

 信用金庫は地域の住民の方々、中小企業のための金融機関なので、お客様から感謝していただけることや少しでも上市町の発展に貢献できたかなと感じられる瞬間があることがやりがいになりますし、大切な役割だと考えています。

――だから町のイベントにも積極的に参加されているんですね! 大変なのはどんなことですか?

 日頃の時間管理です。様々なお客様の要望にお応えし、上市営業部の職員として情報提供を心がけていると、どうしても時間が足りなくなってくるのが現状です。1件1件が淡白になりすぎず、かと言って時間に追われすぎず、まんべんなくできるようバランスを良くしたいと考えています。

――1日25件も回っていたら時間が足りなくなりますよね。どうやって時間を作られるんですか。

 営業店内での事務作業の効率化や、融資の書類作成時間の短縮です。経験を積むことによって、素早く正確にできるよう、少しずつ改善しています。また、作業を行う順番や優先順位を明確にして、1日単位・1週間単位でしっかり段取りをしています。それによって、お客様とコミュニケーションをとれる時間が増えてきていますし、お客様のことを深く考える時間を作ることで、タイミングを逃さず提案ができます。

――人生の節目となるタイミングを見逃さず、良い提案をされているんですね。

 近年ではマイナス金利の影響などで、預金の利息もなかなかつけられない状況が続いています。そのため、お客様一人ひとりの長期的なライフプランについても一緒になって考え、預金商品だけでなく、保険商品、運用商品、信託商品などを複合的に紹介し、お客様の今後のリターン、リスクの考え方に沿った商品提案や情報提供などができるよう心がけています。

知識を吸収する・蓄える能力

谷口部長と書類の打ち合わせ中

書類の打ち合わせ

――職場の雰囲気はいかがですか?

 みなさん優しく、仕事の相談事や悩み事を聞いていただけます。仕事にもプライベートにも一生懸命な人が多く、目標を持って職場全体で邁進していけるチームだと僕は思っています。風通しはすごくいいですね。僕が経験した2つの支店はどちらもそうでした。

――では、学生時代のことを教えてもらえますか。

 短大1年生の8月、まだ業種も固めていないときに、工業系の企業のインターンシップに参加したことがあります。企業はどこもそうだと思いますが、ある程度責任を持ってお客様に向き合わなければなりません。企業の中の、職員の方々が働く姿を見て、社会とはこういうものなんだと学び、良い経験をさせていただきました。短大のゼミナールでは会計学のゼミに所属し、簿記検定の受験を通じて会計学や簿記論を学んだり、企業の決算書を読み取り、財務分析をするロジックを学んだりしました。決算書を読む力やファイナンシャルプランナーの資格取得にも挑戦したことは、お客様のライフプランを検討する際に役立っています。

――学生時代にもっと勉強しておけば良かったと思うのはどんな分野ですか?

 強いて言うなら、金融機関に語学は関係ないのではと思っていましたが、海外に進出するお客様も増えているので、今後の流れを考えると学んでおくと良かったですね。あとは、会計学や簿記をもっと深く勉強しておけば良かったです。

――これから金融業界に入る学生さんに、メッセージをお願いします。

 金融なので難しい部分もありますが、お客様がライフプランを形成する上で大事なものを扱っているので喜んでもらえますし、生活にもつながります。地域社会、地域経済にかなり直接的に関われるので、地域に対して貢献できる喜びがあります。積極的な心の持ち主であればやりがいを感じられる仕事です。

――ほかにどんな人が向いていると思いますか?

 様々なお客様と関わり、お金を取り扱うため、信頼関係が不可欠です。真面目で誠実、積極的、いろんな情報を取り入れる好奇心、いろんな知識が求められるので知識を吸収する・蓄える能力がある人が向いていると思います。

――外回りをするには運転免許や車が必要ですよね。

 そうですね、運転免許は必要です。夏場はバイクで移動していますが、冬はリースの車が使えるので大丈夫です。

――プライベートはどう過ごされているんですか?

 家で映画を観たり資格の勉強をしたり、地元のスーパーに買い物に行くことも多いです。あとは上市まつりに参加するなどです(笑)。

――今後の目標を教えてください。

 今は僕自身が若手なので、個人のお客様が中心です。必ず取らなければいけないわけではありませんが、持っていた方がお客様の役に立てると思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取る勉強をしています。年齢が上がるにつれて中小企業の事業支援が中心となるのですが、事業支援を通じてより地域社会に貢献したいので、中小企業診断士の資格取得にも今後挑戦したいと考えています。

――素晴らしい向上心ですね。牧野さん、今日はどうもありがとうございました。

 こちらこそありがとうございました。


壁に飾られた掃除当番表

壁に飾られた掃除当番表

牧野さんのお話を聴いて、富山信用金庫さんの信頼度が高いのはここまで徹底したお金と情報の管理をされているからなのだと納得しました。お客様のお金と私物の財布を一緒にしない……つまり疑われるようなことはしないという清廉潔白さが伝わってきました。また、自分の役割を明確にして向上心を持って挑戦されている姿に、私も頑張ろうと意識を新たにしました。

1日に25件(25人)のお客様と話すというのは、なかなかできることではないと思います。それぞれのお客様のことを覚えていなければならないし、別々のご提案をするには、どれだけたくさんの段取りや準備をされているのでしょうか。

金融に関する仕事上ももちろんきっちりされていますが、壁に貼ってあった掃除当番表にも驚きました。ローテーションとなる表を作ってしっかり分担されているんですね。こういった、普段お客さんが目にしないところも大事なんだなと思いました。

●DATA●

金庫名 富山信用金庫 上市営業部
住所 上市町法音寺3
電話番号 076-472-1155
FAX番号 076-472-0083
設立年月日 ・富山信用金庫
明治35年4月 富山売薬信用組合として創業
昭和26年 信用金庫法施行に伴い富山信用金庫と改称
・上市信用金庫
大正13年 上市信用組合(上市信用金庫の前身)が創業
昭和26年 信用金庫法施行に伴い上市信用金庫と改称

平成23年2月14日 富山信用金庫・上市信用金庫が合併

上市営業部 部長 田中善光
事業内容 金融業(信用金庫法に基づく業務。預金、貸出等 金融サービスの提供)
主力商品 無担保住宅ローン、マイカーローン、各事業者ローン、教育カードローン、学資保険など各種保険、国債、投資信託、個人型確定拠出年金(iDeCo)
主な実績 ・富山の魅力を発信する観光PR冊子「ふるさと自慢北陸富山」を発行
・全国の信用金庫から4万5,000人を超える観光客を誘致
出資金 6億8,100万円(富山信用金庫全体)
営業時間 窓口/平日9:00~15:00
ATM/平日8:00~21:00、土・日曜、祝日9:00~17:00
休日 週休二日制、土・日曜、祝日、年間128日、その他有給休暇
ホームページ http://www.shinkin.co.jp/tomishin/
Facebookページ なし
LINE@アカウント あり
従業員数 264名(内パート9人)、上市営業部は11人(男性5人、女性6人)
過去3年間の売上高 右肩上がりの安定した収益
過去3年間の採用実績(富山信用金庫全体) 2016年(平成28年) 新卒9人、中途1人
2017年(平成29年) 新卒9人、中途0人
2018年(平成30年) 新卒12人、中途0人
福利厚生 / 従業員特典 住宅貸付金、保険(健康、雇用、団体)、厚生年金、資格支援、
子育て支援(産休・育児休暇)

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