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地元密着型で上市町へ貢献する金融機関
富山信用金庫 上市営業部
平成23年に富山信用金庫と上市信用金庫が合併し、県内最大手となった信用金庫。預金額は富山県で1位の4,056億円(平成30年3月末)。富山信用金庫の創業から116年、上市信用金庫の創業からは94年の歴史を持つ。融資や預金預かりといった金融サービスだけでなく、地元密着型の金融機関として、観光客の誘致や情報発信、定住化の金利面での支援、ものづくり補助金の申請支援など、様々な面で町に貢献していくことを目指している。平成28年2月に、上市町との間で「まちの活性化を図るための包括協定」を締結した。
合併で県内最大手の信用金庫に
――沿革を教えてもらえますか?
富山信用金庫は明治35年4月に「富山売薬信用組合」として、上市信用金庫は大正13年に「上市信用組合」として創業しました。昭和26年に信用金庫法が施行されたのに伴い、どちらも「信用金庫」と改称しました。平成23年2月14日に富山信用金庫と上市信用金庫が合併し、総預金残高は県内最大手となりました。現在、29支店あります。
――富山信用金庫さんと言えば、「とみたん」の印象が強いですよね。
富山信用金庫のイメージキャラクター「とみたん」は、上市信用金庫との合併を機に誕生しました。富山信用金庫が明治35年に富山売薬信用金庫として発足した背景から、富山の薬売りをイメージしたキャラクターです。「LINE@(ラインアット)」のアカウントや「LINE」で利用できる「とみたん」スタンプもありますよ。
――かわいいですよね。では、富山信用金庫の業務内容を教えてください。
信用金庫法に基づく金融サービスを提供するということで、金融のプロとして年金や融資のご相談に応対し、預金や貸し出しなどの業務を行っています。窓口で待つばかりではなく、お客様のところへ出向いてコミュニケーションを図り、信頼関係やつながりを深めています。今は時代の変化が激しく、アベノミクスによる景気の回復はお客様の業績にも表れていますが、地域経済には景気回復が及んでおらず、中小企業の多くが従来通りのやり方では厳しい状況です。私たちはお客様の利益を最優先に考え、中小企業の事業支援として、成長可能性や事業内容等を適切に評価し、「事業性評価」に基づいた金融支援、持続可能性評価として「経営改善計画策定支援」、また、取引先の中小企業、小規模事業者の円滑な事業承継に係る支援等にも力を入れております。
――そういったこともされているんですね。
そのほか、県内外の信用金庫や関係機関にも参加を呼びかけ「立山外来植物除去ボランティアツアー」を実施しているほか、「ふるさと観光上市まつり」の町流しや「富山まつり」の「越中おわら踊り」へ参加するなど、地域の方との触れ合いも大切にしています。
地元密着のきめ細やかな対応
――仕事の上で大切にしておられるのはどんなことですか?
「常にお客様の立場に立ってものごとを考える」ということです。雨の中など、足元の悪い時にお越しいただいたときなどに感謝の気持ちを伝えることはもちろん、常日頃から個々のアンテナを広げ、知識・スキルを磨くことで自分の引き出しを増やし、お客様のニーズに応えられるような職員になれるようにと考えています。お客様はお年玉を預けにくるお子様から大人の方まで、様々な年齢・業種の方がいらっしゃいます。お会いする回数を増やしてコミュニケーションを図ることで信頼関係やつながりを深くし、情報を得ることができるようになります。自分の経験や趣味のことを話すなど、お客様が話しやすい環境を作ることも大切にしています。大手の金融機関もある中でお客様に選んでいただくには、同じことをやっていては勝ち目がありません。信用金庫ならではのきめ細やかな対応を通じて、独自性、特性を発揮していくことが、お客様との関係を深めるとともに他業態との差別化を図り、存在感を高めることにつながると考えています。
――信用金庫ならではのきめ細やかな対応というのは?
地域密着型の金融機関として営業活動することです。うちは地元出身の職員が多く、「地域とともに」という意識が強いんです。転勤はありますがそれも県内で、ほとんどが富山市、遠くて高岡市や射水市です。当金庫の職員やOBが現在も上市町に何人も住んでいることも、地元に根付いた要因となっています。
――県外に転勤がないと地元への愛着もさらに強くなりそうですね。
上市町の活性化へ向けた包括協定
――大変なのはどんなことですか?
たくさんありますが、世の中の経済状況の変化が激しく、年々違ってくることです。我々はそれに順応していかなければなりません。単に融資する・預金を預かるだけでなく、価値をいかに提供できるか考え、お客様と一緒に商売が発展していくようにすることが大切です。また、富山市内とは異なる、上市町としての地域経済の回復や発展をいかにお手伝いしていくか、上市町に貢献できることは何かと考え、平成28年2月に、上市町との間で「まちの活性化を図るための包括協定」を締結しました。創業支援、定住推進のための金利面でのお手伝い、地域資源の情報発信、観光客の誘致などで連携を図ります。こういった協定を県内の市町村と単独で結ぶのは初めてのことです。
――上市町との連携とは、素晴らしいですね。では、最後に今後の展望をお聞かせください。
上市町の地域経済を考えると、これからの若い世代の経営者の方々とのコミュニケーション強化を図っていくことが大切です。上市町商工会青年部のみなさんと決算書の読み方を学ぶ勉強会の開催や、「市姫東雲会」のような女性起業家の創業支援なども考えられます。この地域は高齢化も進んでいますが、企業の経営者などに熱い方が多く、話していて楽しいです。町だけでなく、地域全体として考えられることを富山信金としていかにお手伝いできるかということが今後の課題です。近道はなく、コツコツと地道にやっていくことが将来的につながっていくと思います。「笛吹けども踊らず(段取りを整えて誘っても人々が応じて動かないさま)」ではなく、上市町と金融機関、企業がそれぞれのアプローチの仕方で全体として考えていく時代だととらえています。
――なるほど、勉強になります。どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
富山信用金庫 上市営業部の中には大きな貸金庫があり、歴史と重厚さを感じました。
金融機関の方へのインタビューは今回初めてでしたが、企業や店舗の経営者の方とはまた異なる視点で地域活性化についてお話ししていただけました。「『笛吹けども踊らず(段取りを整えて誘っても人々が応じて動かないさま)』ではなく、上市町と金融機関、企業がそれぞれのアプローチの仕方で全体として考えていく時代」という言葉に、どこか1つだけが頑張るのではなく、互いに連携していくことの重要性を感じました。町に関わるたくさんの人たちが思いを合わせて行動していくことが大切なんですね。
窓口に置いてあった「とみたん」のぬいぐるみ、非売品だそうですがとってもかわいかったです!
天井がとても高く、広々とした待合室には絵本が豊富にあり、子ども連れでも安心して出かけられると思いました。
●DATA●
金庫名 | 富山信用金庫 上市営業部 |
住所 | 上市町法音寺3 |
電話番号 | 076-472-1155 |
FAX番号 | 076-472-0083 |
設立年月日 | ・富山信用金庫 明治35年4月 富山売薬信用組合として創業 昭和26年 信用金庫法施行に伴い富山信用金庫と改称 ・上市信用金庫 大正13年 上市信用組合(上市信用金庫の前身)が創業 昭和26年 信用金庫法施行に伴い上市信用金庫と改称 平成23年2月14日 富山信用金庫・上市信用金庫が合併 |
上市営業部 部長 | 田中善光 |
事業内容 | 金融業(信用金庫法に基づく業務。預金、貸出等 金融サービスの提供) |
主力商品 | 無担保住宅ローン、マイカーローン、各事業者ローン、教育カードローン、学資保険など各種保険、国債、投資信託、個人型確定拠出年金(iDeCo) |
主な実績 |
・富山の魅力を発信する観光PR冊子「ふるさと自慢北陸富山」を発行 |
出資金 | 6億8,100万円(富山信用金庫全体) |
営業時間 | 窓口/平日9:00~15:00 ATM/平日8:00~21:00、土・日曜、祝日9:00~17:00 |
休日 | 週休二日制、土・日曜、祝日、年間128日、その他有給休暇 |
ホームページ | http://www.shinkin.co.jp/tomishin/ |
Facebookページ | なし |
LINE@アカウント | あり |
従業員数 | 264名(内パート9人)、上市営業部は11人(男性5人、女性6人) |
過去3年間の売上高 | 右肩上がりの安定した収益 |
過去3年間の採用実績(富山信用金庫全体) | 2016年(平成28年) 新卒9人、中途1人 2017年(平成29年) 新卒9人、中途0人 2018年(平成30年) 新卒12人、中途0人 |
福利厚生 / 従業員特典 | 住宅貸付金、保険(健康、雇用、団体)、厚生年金、資格支援、 子育て支援(産休・育児休暇) |