移住者の声

~技術職でUターン就職~ 東京から富山へ

吉本順一さん

富山県富山市(旧・大山町)出身の吉本順一さん(42)。大学卒業後、就職した会社の東京本社に配属となり、インターネット関連業務を担当。何度か転職し、東京や大阪で働いた後、平成23年に富山へUターン就職。現在は培った知識と技術を活かして会社に貢献している。吉本さんは、「以前より睡眠や趣味の時間を確保できるようになった」と話す。

吉本さん

 
 

手に職があればUターン就職も有利

――Uターンされた経緯を教えてもらえますか?
富山県立大学で通信工学を学び、卒業後は東京に本社のある会社に新卒で入社しました。2~3年後から会社の新規事業としてインターネット関連機器の設置作業を行うことになり、設置や問い合わせ対応を担当しました。今ほどインターネットが普及していない時代で、会社としても新規分野のため、みんなで悪戦苦闘しながらやっていました。その後何度か転職して、大阪にも1年住みました。3年半前、そろそろ地元に帰りたいと思い、県のUターン促進サイトで情報を集めたんです。仕事をネットで探したところ、今の会社で募集していたので応募し、平成24年1月から働き始めました。
――やはり手に職があると、転職には有利ですか?
インターネット系の技術職はパイが少ないので募集は多いです。20~30代半ばまでは引く手あまたなので、転職しやすいですね。私は電気通信主任技術者の資格を持っているんですが、業界によっては重宝されます。インターネットは元々海外から入ってきているので、取扱説明書などが英語で書かれていることが多く、英語も必要です。
――Uターンに際して不安だったことは?
大山町は富山市に合併されましたし、上京してから年をとるごとに帰省する機会が少なくなっていたので、故郷が自分の思う印象と違っていたら大丈夫かなと不安でした。でも、帰ってきてみると富山の良さを実感できたので良かったです。

上市町で働くメリット

――上市町で働くメリットは何ですか?
1つは通勤時間を減らせたことです。東京では電車通勤で片道最低1時間、多い時で片道2時間はかかっていました。朝は6時起きで出勤、夜は終電近くにみんなと1杯飲んで帰り、風呂に入って寝るのが2時。4時間しか寝ない日も多く、アパートの隣に誰が住んでいるかもわからないような生活でした。今は職場と家が町内にあるので、車で10分で通勤できます。東京で往復にかかっていた4時間を自分の楽しみに充て、睡眠時間も増えたので血圧が下がりました。2つ目は、車に乗れること。東京では駐車代が月2~5万円かかりますが、こっちは月4,000~5,000円と安く済みます。通勤途中にも天気のいい日には立山連峰や剱岳がよく見え、その綺麗で雄大な姿に心惹かれます。週末はスポーツジムに行って体を動かし、帰りにラーメンを食べて帰るのですが、移動は全て車です。
――では、デメリットは何ですか?
車通勤なので、帰りにふらっと飲みに行けないことぐらいかな。東京は駅にタクシーがいますが、富山は運転代行が多いですよね。あと、富山は東京に比べて書店やCD店、スタバが少ないですね。セブンイレブンやスタバができると大ニュースになったくらい(笑)。今は上市町で一人暮らしなので、新品のCDやDVDを買うのに苦労しています。ネットで注文しても日中は不在にしていることが多いので、実家を送付先にしているんです。

子どもやペット連れの人が集まる場所に

――おすすめスポットやグルメはどこですか?
上市町だと、ジビエがあっさりして美味しい剱茶屋茂平爺、コンビニ、スーパー、…。大岩のそうめんは値段が安く、次々食べられて美味しいです。毎週水曜の昼は男性スタッフで交流のためランチを一緒にしているので、ほかにも開拓したいですね。メデルケのドレッシングも美味しいのでよく買います。上市町や立山町、舟橋村は富山市まで8号線を通らず30分以内で行けるし、上市町には綺麗なアパートや町営住宅も多いので、ベッドタウンとしてもいいと思います。富山市の環水公園にある「世界一美しいスタバ」は評判が高く、行きたいと話す県外の友人も多いですよ。
――では今後、挑戦してみたいのは?
細田守監督の新作が出たので、「おおかみこどもの雨と雪」に出てくる「花の家」に行ってみたいです。ジビエもまた食べに行きたいですし、上市町の名水「穴の谷(あなんたん)の水」や本格里芋焼酎「我酔楽(がすら)」も飲んでみたいです。
――最後に、上市町に望むことを教えてください。
カミールの2階にある子ども広場は、いつも子どもたちで賑わっています。1階には犬のグッズショップ「プラスワン」がオープンしました。子どもやペットと遊べるスポットが人気なんですよね。山の動物園やドッグラン、山を切り拓かず自然のままを活かしたアスレチックワールドなど、箱ものではなく、牧歌の里のように自然の中で遊べる場所があれば町外からも人は集まってくると思います。由緒ある観光施設だけでなく、手工芸や越中陶の里 陶農館のように工場見学や親子で体験できる施設もあればいいですね。
――そうですね。吉本さん、どうもありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。

はたらくらすコネクション記者・古野知晴のFuruno's voice!

以前から、上市町の主要施設に行くとたまたま仕事で来ている吉本さんに会う率が非常に高く、常に職場で頼りにされているんだろうなと感じていました。吉本さんの会社・株式会社 ティエイエムインターネットサービスでは、知識と資格を持っている技術職の人が営業も兼ねています。
「富山の本当の魅力がわかるのは、一度県外に出た人や外から来た人。他の世界を知ることで、より地元の良さを知ることができる」と話す吉本さん。Uターンの方も、ぜひ増えてほしいですね。

 


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