上市町ではたらく

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広報担当 大野歩実さん(32)

広報担当 大野歩実さん(32)

 

農業をより身近に感じて欲しい!

アルプス農業協同組合 大野歩実さん

アルプス農業協同組合(JAアルプス)の総務部総務人事課で、広報を担当する大野歩実さん。「広報アルプス」やコミュニティ広報誌「えがおとみどり Growing(グローイング)」の作成のため、農業に関わる人やイベントの取材を行っている。大野さんは、「農業離れが進む中、若手農業者の取り組みを一般の方にも知ってもらい、農業を身近に感じてもらいたい」と話す。

 
 

「広報アルプス」を読みやすくリニューアル

上市駅の構内にあるJAアルプス本店

上市駅の構内にあるJAアルプス本店

――会社について教えてください。

 JAアルプスは、地域に密着した農協(農業協同組合)です。農協は組合員の農業経営・技術指導や生活についてのアドバイスを行うほか、生産や生活に必要な資材の共同購入、農産物の共同販売などを行っています。また、貯金の受け入れや融資を行う信用事業に万一の場合に備える共済事業など、農業に関わる様々な事業・活動を行っています。

大野さんが担当する「広報アルプス」

大野さんが担当し毎月発行する「広報アルプス」

――大野さんの仕事の内容は何ですか?

 JAアルプスの広報担当で、現在2年目となります。主な仕事は4つあり、「広報アルプス」の作成、「ホームページの更新と管理」、コミュニティ広報誌「えがおとみどり Growing(グローイング)」の作成、日本農業新聞の通信員です。そのほかに総務としての仕事もあります。「広報アルプス」は毎月1日に発行している、農協の組合員さんや准組合員さん向けの専門広報誌です。ホームページで読むこともできます。

 JAアルプスの取り組みと季節の情報を伝えるため、アルプス管内(上市町、立山町、滑川市、舟橋村)で農協が関わっている、農業を中心とした行事ごとなどを発信しています。

真剣な表情でカメラを構える大野さん

真剣なまなざしでカメラを構える大野さん

――毎月何件くらいの取材に行かれるんですか?

 約10~15件です。1年目は手探りで、たくさんの農家のみなさんに農業について教えていただきながら広報を作ってきました。しかし、広報が毎年同じスタイルでマンネリ化していることに気付き、「何とかしなくては!」と思ったんです。農家のみなさまやJA職員の意見を聞き、2017年(平成29年)3月から表紙のデザインを考え、中のページデザインを見直し、少しずつ内容を変えてきました。県内の農協の広報担当が集まる研修会に何度も参加してアドバイスやダメ出しを受け、見やすいページ作りや幅広い情報の配信に取り組んでいます。

――「広報アルプス」のリニューアルをされたんですね。その際、どんなところにポイントを置かれたんですか?

 ご家族の中でも、特に若い方に見て欲しいと思いました。そのためには、目を惹くデザインも大事です。表紙は花摘み体験をしている園児など、できるだけお子さんを撮っているほか、今までページ内部に白黒で掲載されていた料理のレシピページを裏表紙に配置しカラーで掲載するなど、全体的な配置を変えました。各部署からの掲載ページのチェックと取りまとめもしています。裏表紙の下半分は自由なスペースとしていて、イベント案内や組合員さんの自慢のご家族やペットをご紹介しています。

一般の人にも農業を身近に感じて欲しい

5月と10月発行のコミュニティ広報誌「えがおとみどり Growing」

5月と10月の年2回発行のコミュニティ広報誌「えがおとみどり Growing」

――コミュニティ広報誌「えがおとみどり Growing(グローイング)」とはどんなものですか?

 JAアルプスが年に2回、5月と10月に発行している、折り畳んでB4サイズになる全面カラー広報誌です。平成28年10月からアルプス管内(上市町、立山町、滑川市、舟橋村)の北日本新聞に折り込み、合わせて23,000部配布しています。これを任せられ、立ち上げから携わりました。現在、農業離れが進む中、「農業に従事している人を発掘し、特集していこう」というコンセプトで、農業を経営している若手農業者の取り組みを一般の方にも知ってもらい、農業を身近に感じてもらえるようにするためのものです。

――全面カラーですし、1枚もので読みやすいボリュームですよね。

 はい。読みやすい誌面作成を心がけています。生産者のおすすめの食べ方を「これなら作ってみたい」「奥さんに作ってもらいたい」と思ってもらえるような簡単なレシピで紹介しているほか、JA職員の紹介も掲載しています。

vol.2のプレゼント企画(終了)

vol.2のプレゼント企画(終了)

――平成29年5月発行のvol.2には、プレゼント企画などもあって面白いですね。

 はい、農家さん以外の方にも支店に足を運んでもらえるきっかけにしようと、簡単にチャレンジできる企画なども紹介しています。「Growing」は約3か月かけて作成を行っています。

――どんなことが大変ですか?

 「Growing」の表紙を飾っていただける方を探すのがとても大変ですね。「Growing」は自分が1から内容を考えるため、人探しを含め見てもらえる内容の情報集めやアポ取りなどは製作期間以上に時間がかかっています。

ふれあいサロン(上市駅の入口すぐ)

ふれあいサロン(上市駅の入口すぐ)

 あとは、写真ですね。カラーだと綺麗で見やすく印刷できますが、「広報アルプス」は白黒ページもあるので、明度が暗いと何もわからない写真になってしまいます。白黒ページで表現できる写真を撮るのが難しいと思います。

 いい写真を撮るため、常に試行錯誤です。「その瞬間」は一度きりしかありません。大きいイベントになるとたくさんのカメラマンが集まるので、負けないように撮る位置を考えます。

ふれあいサロンに飾られた農協フェアの写真

ふれあいサロンに飾られた農協フェアの写真

 また、上市駅の構内1階にある「ふれあいサロン」も担当しているので、行事ごとに写真をたくさん撮ってここに飾っています。写真に写る人には全員に許可を取りますが、お子さんの確認が1番難しいですね。苦楽いろいろありますが、様々な農業の実態を取材し、たくさんのみなさまに出会える広報の仕事は魅力にあふれており、常に自分に新しい成長を遂げさせてくれるやりがいのある仕事だと思っています。

――私も取材する仕事なので、よく分かります。これまで特に印象に残っているのはどんな場面ですか?

 私が取材させていただいた生産者の皆さんの笑顔はとても印象が強く、親切に接していただいたことやインタビューにも丁寧に応じていただいたことなど全部覚えていますね。記憶に残せる仕事をしていることを幸せだと感じます。取材に行くときには昨年のことをよく思い出します。また、農協のフェアなど大きなイベントの時には、ほぼ付きっきりで朝から夕方まで取材しているため、その記憶が強いです。

取材を通して農家のみなさんと交流

――広報担当になられた経緯を教えてもらえますか?

 元々上市町の出身で、平成17年に株式会社アルプス企画に入社し、「アルプスホール ゆうゆう館」で約10年間、葬儀全般の仕事をしていました。そこから親会社であるアルプス農協に平成27年3月、出向が決まり、すぐに広報担当になったんです。

――系列の出向で、全く異なる仕事の内容になったということですね。それまで農業のご経験は?

 まったくありませんでした。祖母の家が農家というくらいで、自分自身が農業に携わった経験はありませんでした。けれど広報の取材をする上で農業に関する知識がないと困るので、まず営農指導員の資格を取らせていただきました。また、鍬など使ったこともないので、取材先でたまに実戦などさせていただき、農家さんの苦労を一部ですが、体感しています。

――そうなんですね。広報の仕事はどんなことが楽しいですか?

ぶどう園の取材風景

ぶどう園の取材風景

 たくさんの農家さんから直接話を聞かせていただき、取材を通して農業の勉強をしてきました。掲載後に「あの記事見たよ」「新聞見たよ」と言われると嬉しいです。専門用語もたくさんありますが、農家さんもJAアルプスの営農指導員や職員のみなさんも親切に教えて下さいます。取材は楽しいですが、記事を作るのが大変です。文面をどうしようか、毎回悩みます。

――私も全く同じ悩みがあります(笑)。取材時にはどんなことを心がけていらっしゃいますか?

 取材先へは「明るく元気に」を意識し、話しやすい雰囲気作りを心掛けています。

――では、最後に今後の目標を教えてもらえますか。

 日々新しいものを取り入れ、新しい情報を掲載していくことです。広報誌や「Growing」の担当は1人なので、内容がワンパターンにならないかと気がかりです。「1人」って自由ですが辛い部分もあります。だから、たくさんの方々に文章や写真・内容をチェックしてもらっています。また、組合員さんや農協職員の人から「こんなの載せてみたら」と情報提供をいただくことも多く、たくさんの方の意見を取り入れるようにしています。取材先でも、生産者の皆さんにお会いする機会が多く、久しぶりにお会いしても必ず声をかけてくれるなど、組合員さんや生産者の皆さんに支えられています。今後も、地域の方々との取材を通した交流や人間関係を大事にしていきたいと思います。

――素敵ですね。大野さん、今日はどうもありがとうございました。

 こちらこそありがとうございました。


取材風景

取材風景

上市駅1階の「JAふれあいサロン」は平日9時~15時の営業

上市駅1階の「JAふれあいサロン」は平日9時~15時の営業

広報担当として管内を回り、取材を重ねる大野さん。この日は、滑川市の按田ぶどう園への取材に同行しました。ぶどう園の按田さんを取材する大野さんを、さらに私が取材するという面白い構図ですね(笑)。大野さんがカメラを覗く姿はとてもかっこよかったです。 大野さんも話されていましたが、取材でいろんな人とお会いして話を聴くのは、自分自身の成長にも繋がり、とてもやりがいのある仕事です。取材対象は違えども、そんな根っこの部分が共通する大野さんと話すことができ、とても楽しかったです。これからも、必要としている人に必要な情報を届けられるよう頑張っていきたいです。

●DATA●

企業名 アルプス農業協同組合(JAアルプス)
住所 上市町若杉3-3
電話番号 076-472-1222
FAX番号 076-472-2130
ホームページ http://ja-alps.jp/
Facebookページ なし
創業 1995年(平成7年)
代表理事組合長 伊藤孝邦
事業内容 農協業務全般
従業員数 250人(男性138人、女性112人)
過去3年間の採用実績 2015年度 新卒7人/2016年度 新卒10人/2017年度 新卒11人
会社・製品の強み・主な実績 安心・安全な農畜産物の提供に向け、農地の有効活用と地域の担い手への面積集約、地域を担う多様な担い手への支援に取り組むことで地域に貢献し、多くの人から信頼されています。
上市町との関わり 上市町の特産品を使用した独自商品を販売しています。
学生へのメッセージ・アピール 若手職員が多く活躍しており、仕事とプライベートを両立しやすい制度も整備しています。職員や地域の皆さんと一緒に働きながら成長していける企業です。
インターンシップ実施の有無 なし
資本金 194,126万円
営業時間 8:30~17:00
休日 週休二日制、年間123日、その他(有給休暇など)
福利厚生 資格支援、労災保険、健康保険、雇用保険、厚生年金、育児休業・介護休業・看護休暇あり

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