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里芋の聖地のメロン
上市町在住のデザイナー伊東です!
私が今まで食べたいちごの中でダントツにうまかったいちご。
それが稲葉農園さんのまだ雪の残る寒い時期に獲れたいちごです。(写真は暖かくなってからのハウスの様子)
その前のシーズンにも稲葉さんのいちごは頂いてたので、完熟で糖度の高い「去年のいちご」の味を思い出しながらいただきましたが、
その舌の記憶を遥かに超えた甘さと濃度はいまだ破られることのない不到の記録となっております。
いちごは厳しい環境下に育ったほうが、自分の身を守るためにたくさん養分を蓄え甘くなるそうで、
この冬は例年より長く雪が残っていたこともあり、このいちごに出会うことができたというわけです。
気象条件や生育状況、栽培が始まるタイミングなど数々の条件を満たさなければ出会うことができない味です。
いちごの味なんて美味しいものほど大差ないと思ってましたが、超えてきました。ましてや同じ生産者さんのいちごです。
その時カミナリに打たれたように再認識しました。
美味しいいちごは一期一会。みんな違ってみんな良いんです。
これまで農業に縁のない環境に育ったもので、野菜や果物はスーパーの店頭で見るか、父の店(華生)に八百屋さんが配達するものしか目にしたことがありませんでしたが、この稲葉さんをはじめ、「かみいち町民のネタ帳」を制作していた頃に取材をさせていただいた多くの農家さんとのふれあいの中で、スーパーに並ぶ流通モノの作物と地元で取れる旬の作物は別モノであるということに気付かされました。
家のカレーとレトルトカレーぐらい。ん?
あ、愛妻弁当とコンビニ弁当ぐらい違います。
ん?
とにかく、同じように見える別の食べ物です。
基本カタチは流通モノほど整ってはいませんが味や香りが断然濃いです。
上市町には4つの朝市(&夕市)があり、そんな贅沢な農産物を「え!?」って声の出てしまう金額で買えてしまうのです。
おらっちゃの店(移動販売)、アルプスの湯の夕市(湯上がりに買える)、広野直売所(コーヒーのんでまったり)、フリーファームかきざわ(早朝から行列)
それぞれに個性があって楽しいです。何かしらの掘り出し物もあります。
皆さん、朝市に出かけましょう!!!
わかっています。話がそれています。
2つほど分岐を誤りました。
実はいちごの話をしたかったわけでもありません。
あの時のいちごの味を思い出し、つい。
そうです。タイトルにあるように、里芋の聖地である広野地区の稲葉農園さんで、いちごに次ぐ新しい作物、メロンの栽培が始まりました!
先日見学させていただきまして、すくすくと育っている様子でした。
いちごの時もそうでしたが、初めて見る栽培風景というのは新鮮です。
支柱がズラッと並んでて壮観です。
しかし、なぜ一株一株上に向かってつるを這わせているのか。
それは、このメロン栽培において非常に重要なポイントである「摘果」という作業を行いやすくするためというのが一つの理由です。
放っておくとメロンは一株にたくさんの実をつけます。
たくさんの実がつくとそれぞれの実を大きくするために養分が分配されます。
そうすると成長の度合いも分散され、甘みの少ない実がたくさんできます。
しかし、この「摘果」を行い育てる実を厳選し養分を集中させることで糖度の高いメロンが出来上がるというわけです。仮に一株に一つだとするとこれだけズラッと並んでいても収穫量は多くはありませんね。
メロンが他の果物に比べて高いのはこういうところに理由があるのかもしれません。
なり始めたメロンの実。
この実は育つのか、摘果されるのか。
摘果された実はどうなるのか。
聞くところによると摘果される実も漬物にしたりジュースにしたりとかなり楽しめるようで、
上市で稲葉さんよりも先にメロン栽培を始めている井原さんいわく摘果した実の「わた」の部分を絞って炭酸で割ると最高に美味しいとのこと。
廃棄されると思いきや、農家さんの贅沢に用いられるのです!
農家さんならではの贅沢!うらやましいです。
そんなわけで、今回見学させていただいたハウスのメロンは8月末には直売所を中心に販売される予定です!
里芋の聖地から、新たな名物となるか!夏の終わりを楽しみに待ちましょう。