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誠心誠意、お客様に対応する謙虚な姿勢
有限会社きんた
上市町役場前の道路からスーパー農道を越えた場所に位置する、土木・建設業、ガソリンスタンドを経営している会社。2代目の社長である金田(きんた)俊樹さんは39歳。これから会社を変革しようと、より若い力を求めている。働きやすい職場で、自分の力を発揮したい人におすすめの会社だ。
生まれた年に創業
創業は金田さんの父による。金田さんが生まれた昭和50年に、有限会社金田建材運輸という名前で運送業の会社を始めた。10tトラック車に給油する自家使用を目的としたガソリンスタンドを併設していたが、昭和56年から一般向けに営業を始めた。平成9年に現在の社名に変更。現在はガソリンスタンドのほか、土木工事の下請けや元請け、基礎を作る掘削作業などを中心に行っている。
2代目の心境
幼いころから、父の姿で経営の大変さを見てきたため、最初は継ぐのに抵抗があったという金田さん。大学院卒業後、自分のことを全く知らない土地で働きたいと、東京で建設業の仕事に就いた。そこで現場監督を務め、経験を重ねていたものの、28歳のときに富山へ帰郷。「2代目を継ぐというのは、やりやすい面もあればやりにくい面もありますね。小さいころから知っている従業員ばかりなので、やりにくいと言うか。でも帰った時点で、いずれ継ぐことになると半ば諦めていましたよ。」と金田さんは当時を振り返った。
入社して2年後には専務になり、平成22年に代表に就任。ちょうど、建設業許可の書き換えの年だった。
マイナスからのスタート
――継がれたときの思いはどうだったんですか?
いや~、きついですよ。建設業は昔みたいには儲からなくなりましたからね。自分としてはゼロからじゃなくマイナスからのスタートですよ。
――マイナスですか?
自分で起業したんじゃないですからね。親の名前があって、その頃からの付き合いがある。それは自分のものではないんですよ。いま5年目ですけど、まだゼロじゃないですね。役所関係の工事が増えたものの、個人のお客様は親の付き合いが多いです。
――そうなんですか。でもゼロにはなってなくても徐々にプラスに近づいてはこられたんですよね。
そうですね。いいものを作ろうとしてきたことで、次へ次へと声をかけてもらいました。人脈、人の温かさを感じます。通常、4月から6月ごろは新年度に替わったばかりで予算が未確定なため、仕事が少ない時期なんですよ。それでも仕事がある状態だというのはありがたいですね。
――継がれる前は半ば諦めの気持ちと言われましたが、現在はどうですか?
いまの方が精神的に楽です。社長でもありますが、営業もしていて…。現場に出たかったんですよ。
誠心誠意の対応
――企業理念を教えてもらえますか?
「素直」「誠実」「謙虚」「感謝」の4つです。知人に勧められて入会した青年会議所(JC)で学んだことを参考に書きました。
――具体的にはどんなことですか?
仕事をこなす中で、「とにかくお客様の求めるものに対していいものを作ろう」という思いは常にあります。「感謝」や「誠実」ってほかの企業でもあると思うんですが、「謙虚」はあまり掲げられていないような気がします。「謙虚」が1番、自分の思いと今後繋がっていくものかな、と思っています。
――なるほど。仕事をしていてやりがいを感じるのはどんなときですか?
土木工事が好きなんです。だから、完成して「ありがとう」って言われると嬉しい。個人のお客様の場合、その人の使いやすいように仕上げます。「仕事を安心して任せられる」、うちに「任せておけばちゃんとしてくれる」と言ってもらえるとやりがいを感じますね。
――そう言ってもらえるというのは、お客様からの信頼が厚いということですよね。そのために心がけていることは何ですか?
来てもらうお客様に感謝して、誠心誠意、対応することです。利益だけを追求するのではなく、安心価格でできるだけいいものを提供しています。儲けに走ると、どうしても表に出ますからね。1つ1つの仕事を確実に行い、コストを抑えていくことが大切です。あとは、続かない過剰なサービスはやらないということ。来やすい雰囲気も心がけています。
一緒に会社を変革してくれる若い人、求む!
――会社の今後について教えてください。
若い人を採用していきたいですね。いま、社長の僕が1番若いので(笑)。
――えっ! そうなんですね。どんな人を求めておられるんですか?
素直で誠実、まじめな人。…そのときのフィーリングや縁もありますね。やる気のある人がいいです。若い人がいるとさらに若い人が寄ってきて活気が出るので。
――若い人が入られたら、どんな風に育てたいですか?
感謝と謙虚さを身につけてもらい、明るく挨拶できるようになってほしいです。そうなると現場でかわいがられますから。早い人で、3~4年で一通りできるようになります。図面から完成形をイメージできるようになるのが4年目くらいですね。
――これからどんどん若い人が入れば、一緒に会社を盛り上げていけますね。
はい。これからの5年間を、会社の変革の時期にしようと考えています。一緒に会社の新体制を作ってくれる人を募集しています。
――楽しみですね。ちなみに、金田さんが1番お若いということでしたが、現在いらっしゃる従業員の方の平均年齢はどのくらいなんですか?
平均60歳前後です。経験があってよく働いてくれる人ばかりです。
――何人くらいいらっしゃるんですか?
以前は20数人でしたが、いまは15人かな。一度退職して別の職場へ行っても、また戻ってきてくれる人が多いです。15人中10人は、そういう経験がある人たちです。
――1回辞めてまた戻ってこられるってすごいですね。また働きたくなる会社だということですね。
居心地がいいんでしょうね。辞めるとき、「また戻ってきてもいいよ」という雰囲気で送り出しているからかもしれませんね。
段取り八分で効率アップ
――これから挑戦したいことはほかにありますか?
うちの会長(父)は好奇心が旺盛なので、小水力発電にも興味を示しています。僕としては、これから会社の中で自分の色も出していきたいと思っています。
――どのようにですか?
まず、赤字を黒にするために会社の体質を変えていきたいです。これには自分の意識が大切です。次に原価管理や作業効率を上げることでコストを削減します。工期が延びるとそれだけ無駄が出ますからね。
――作業効率はどうしたら上げることができるんですか?
段取り八分って言いますよね。資材の手配や機械の入れ替え、人の手配など…。作業員さんに効率よくやってもらうことを常に考えています。測量を前日に行って、翌日すぐ作業に入れるようにしておくとか。この仕事に限らず、何でもそうです。いかに準備段階でどれだけのことができるか。段取りのいい人は経験とセンスさえあればどんどん活躍していきます。
――なるほど~。準備は大事ですね。金田さん、今日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
子育て応援企業
有限会社きんたは、子育て支援に積極的に取り組む「元気とやま! 子育て応援企業」に登録されている。従業員の仕事と家庭の両立を支援するため雇用の環境整備に取り組もうと、平成24年から所定外労働の現状を社員から意見収集。これまで、子どもや孫の看護、予防接種などのための休暇を年間7日間取得できるようにしたほか、週1回のノー残業デーを設けて実施している。今後はノー残業デーを週2回に増やすことなどを計画しており、より働きやすい職場を目指している。
理念にもありましたが、「謙虚」という言葉が本当にぴったりの金田さん。2代目の葛藤もあったということですが、お話を聞いていくにつれ、実はいいところがいっぱいあることに気付きました。事務所には奥に16畳ほどの広い休憩室があり、どこか懐かしく温かい雰囲気で、居心地が良さそうでした。また、年に2回神主さんを呼んで安全祈願が行われるほか、従業員の方々に土用の丑の日にはウナギ、節分には恵方巻を進呈されるそうです。大々的にPRされてはいないけれど、そうやって従業員のために独自で考えて実行されることは大切なことだと思います。一度辞めた人が戻って来たり、お父さんの代から長く働き続けている人が多かったりするのも、金田さんが作り上げた「働きやすい環境」があるからこそですね。
●DATA●
企業名 | 有限会社きんた |
住所 | 上市町極楽寺189 |
電話番号 | 076-472-6609 |
FAX番号 | 076-472-6279 |
kinta@arrow.ocn.jp | |
設立 | 昭和50年 |
代表者氏名 | 金田俊樹(きんたとしき) |
事業内容 | 土木・建設業、ガソリンスタンド |
主な実績 | 県発注工事 優良工事表彰受賞(最優秀賞2回、優秀賞2回、良賞1回) |
資本金 | 2,000万円 |
勤務時間 | 8:00~17:00 |
休日 | 不定、年間87日、その他有給休暇など |
ホームページ | なし |
主力製品・商品 | ガソリン、軽油、灯油 |
過去3年間の売上高 | 平成23年3億5,000万円/平成24年3億5,000万円/平成25年3億5,000万円 |
過去3年間の採用実績 | 平成23年0人/平成24年2人/平成25年1人 |
福利厚生 / 従業員特典 | 保険(健康、雇用)、厚生年金、資格支援、子育て支援 社員旅行(毎年、今年は中尊寺)、その他季節行事(土用の丑の日にはウナギ、節分には恵方巻を進呈) |