上市町でくらす

 

こんにちは、ブログ担当の大室です。今夏も、上市高校と地元企業の皆さんによるインターンシップが開催されました!

 

今年のインターンシップは約40名の生徒さんが参加し、25事業所、のべ105日に及ぶ取り組みとなりました。

 

実は今回、取材させて頂いた中で「上市の地域の力」をすごく感じることがあったんですよね。それは……人が生まれ育ち、そして働き、暮らし、町を支えていく、そんなサイクルが見えたことです。

 

その例として、宮川こども園でのインターンシップの様子をレポートしたいと思います。

 

生徒さんのインタビュー(2年生寺崎さん)

 

インターンシップではどんなことをしていますか?

3歳児クラスで、子どもたちと触れ合ったり水遊びの時の着替え、昼寝の寝かしつけなどを保育士の先生方とやっています。

 

保育には以前から興味がありましたか?

はい。昔から子どもが好きで子どもと触れ合ってみたいなと思っていました。

中学生の時に保育士という職業を知って目指そうと考えてきました。高校では福祉・健康分野を選択しています。

 

 
実際にインターンシップに来てみてどうですか?

子どもたちと触れ合っているんだなあという感じで、すごいドキドキと不安がいっぱいだったんですけど、2日目の今日は少し慣れてきた感じです。初日はものすごく緊張しました。

私はこの園の出身なのですが、手遊びなどが変わってて変化にびっくりしました。

 

出身ということは卒園生ということですか?

はい!

 

ご自身が行っていた園にインターンシップでまた訪れるなんてとっても良いですね。知っている先生はいましたか?

はい、園長先生はじめ変わってない先生方がおられました!

 

今、寺崎さんが2年生ということは10年振りに来ても覚えていてくれたんですね。なんだかジーンときますね……。

はい……本当にそうですね。

 

将来こんな保育士さんになりたいなというイメージはありますか?

明るく、子どもたちと接しやすい性格でいたいなと……卒業後の進路を考えながら、そう感じています。

 

暑い中大変だと思いますが頑張って下さい。ありがとうございました。

 

 

園長先生のインタビュー(永森先生)

 

生徒さん受け入れについてお話を聞かせて下さい。

受け入れにあたって特に構えたりすることはないですね。子どもたちにも「じゃあお姉ちゃんが来るね」のような感じです。いつも短大生など保育士志望の実習生の受け入れを行っていることもあって……。

それに、14歳の挑戦とかインターンシップとかで来て頂いて、それをきっかけにここに就職してくれる子も中にはいるんですよ。

 

素晴らしいですね!

そうなんですよ。保育所やこども園はどこも人手不足ですが、そんな中でも「ここがいい」って思って来てくれる方に出会えることがあるので……できるだけインターンシップなどは受け入れたいと思っています。

 

今、インターンシップに来ている生徒さんがこちらの卒園生だと聞きましたが

そうなんです。意外とそういう方多いです。新卒の新入職員も卒園生で前の年も卒園生がいて……去年一昨年と連続していますね。

 

そうなんですね!地域の中で地域に貢献していくというか……。

上市っていうと上市の人が多いんじゃないかなと思うんですよ、就職する人は。上市は上市の中で……。

「今度は〇〇さん採用したよ」って言うと「ああ、〇〇さんね」っていう。私立なので異動がないじゃないですか。「〇〇さん小さい時あんまり喋らんかったね」とか懐かしがりながら迎えています。

 

園児さんだった方が大人になって自分の子どもを通わせるというようなこともありますか?

それはいっぱいおられますね。15年前に民営化されて以来ずっといる職員もいるので、15年間の卒園していったお子さんのその後を見ることができています。

 

都市部では保育士さんがなかなか根付かないという課題があるようですが……。

意外とうるさくない園長だからかも知れないですが(笑い)

みなさんずっと働いて下さっています。離職はあまりないですね。そのまま行くと年齢が重なるばかりだと思いますけど(笑い)

 

福祉職全体で離職率が問題になっている中で素晴らしいですね。

 

 
今後、保育士を目指したいという生徒さん、若い方に対してはいかがですか?

インターンシップなどではまずは「子ども可愛い」というような気持ちを大切にしてもらえたらと思っています。仕事や色々なことを見て「これは大変すぎるな」と感じさせないよう、「楽しいな」と感じて帰っていって頂けたら……。

 

実習はもう就職ということが重なってきますが、インターンシップは生徒さんが「どんな感じかな」と見にくるところだから「園の先生の仕事大変そうだけど楽しそう」とか「やりたいな」というところに思いを持ってもらうこと、そのあと「やっぱりやめたわ」とならんように育てていきたいというか。来た人も「来てよかった」って思ってもらえたら嬉しいです。

 

職員もガミガミじゃなくてみんな楽しそうにやりたいね、という雰囲気があればまた違ってくるかなと思うので。

 

それがまたお子さんにも良い影響を与えそうですね。

子どもが「保育園来たくないな」とか先生が「私も来たくないな」ってなるとやっぱりどうしても大変なことになってしまうので、子どもも先生も毎日来たい!というような、明るくて楽しいところでなくてはいけないと思っています。そうしたら中学生でも高校生でも将来なろうかなと思ってくれる人が増えてくれるかな、と。

 

なるほど……お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。

 

取材してみて思ったこと……

 

これまで私は、はたらくらすコネクションに取り組むにあたって「『働く』と『暮らす』が重なる」ということをテーマとして大切にしてきました。

都市部だといわゆる「職住分離」、つまり働く場所と暮らす場所が全然違うのが当たり前でこの二つは重なることはほとんどないんですよね。

でも上市では「職住近接」の事例が多くそれが町づくりに良い作用をもたらしている気がしているので……。

 

なので今回の取材で、上市で育った子どもが大きくなって今度は子どもたちを育てる側に回って町を作っていく様子が目の前で分かって、とっても貴重な現場を見させて頂きました。

人の循環するサイクルがあって、それが町の力だな、と……。

そして私自身も、自分の子どもたちが上市の保育所に通っていたこともあり、今回の取材自体も「働く」と「暮らす」が私の中でも重なって、取材にあたって色々見えてくるものがあるなと感じました。

 

今後もまた、このテーマで町のみなさんのことをレポートしていきたいと思います!


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